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黒字なの?赤字なの? 紛らわしい貿易収支統計

 商品の輸出と輸入の差を示す貿易収支統計は紛らわしい。知識経済部は1日、6月の貿易収支が2億8000万ドル(約300億円)の赤字となり、上期の累積貿易赤字が57億ドル(約6050億円)に達したと発表した。

 ところが韓国銀行は同日、上期の「商品収支」が35億ドル(約3710億円)の黒字になると予測した。商品の輸出入を表す統計なのに片方は赤字、もう片方は黒字というのはなぜか。

 その理由は集計方式の違いにある。知識経済部が発表する貿易収支は国境(関税境界)が基準だ。このため、船が商品を積んで出発すれば輸出されたと見なされる。商品が外国から返品されてくる可能性もあるが、いったんは輸出としてカウントされ、統計にもそのまま反映される。

 一方、韓国銀行が発表する商品収支は所有権移転が基準だ。返品分は統計に含まれない。所有権移転の確認を行うため、統計の発表時期も1カ月後にずれ込む。

 貿易収支と商品収支の違いが目立ったのは4月だ。貿易収支は1億5000万ドル(約160億円)の赤字だったが、商品収支は16億5000万ドル(約1750億円)の黒字だった。1隻当たり数億ドルに上る船舶の所有権移転時期によって統計にこれだけ差が出ることがある。

 商品収支は一般的に貿易収支より良い数値が出る。貿易収支では輸出時の保険料や船舶運賃も商品価格に合算されるが、商品収支には保険料や運賃が含まれない。

 ならばどちらが実体経済をより正確に反映しているのか。韓銀関係者は「貿易収支を速報のようなものだとすれば、商品収支は1カ月後に出てくる詳細な解説記事だ。商品収支にサービス収支を加えた経常収支を見るのが最も正確だ」と説明した。

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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