【記者手帳】盧武鉉政権閣僚の「抵抗運動」
最近の暴力デモに対する政府の談話とよく似たこの文章は、2006年11月24日に反自由貿易協定(FTA)集会が暴力的な様相を見せ始めた際、当時の韓明淑(ハン・ミョンスク)首相主催の対策会議で政府が発表した内容だ。これは韓元首相、イ・ヨンソプ元行政自治部長官、李相洙(イ・サンス)元労働部長官らが共同名義で発表したもので、この内容を通じてこれらの元閣僚たちは「今後は暴力デモや交通渋滞など、国民生活に深刻な被害を与える都心での集会は厳しく制限する」などと主張していた。
当時行政自治部長官だった統合民主党の李議員は、先月28日にソウル光化門で行われた集会の最前列にいた。李議員は本紙との電話インタビューで、「わたしが行政自治部長官だった当時に行われたFTA反対デモはごく小規模なものだったが、現在は国民の大多数が共感している抵抗運動という点に違いがある。同じように比較することはできない」と語った。
法務部長官を務めた民主党の千正培(チョン・ジョンベ)議員も同様に、2006年に平沢で激しいデモが行われた際、「暴力行為は必ず処罰を受ける。加担した者を厳重に処罰するのが政府の方針だ」と明言していた。ところが最近ではそのような発言を行った人物たちがキャンドル集会に参加している。千議員は先月26日夜には、破壊された機動隊バスの前に積み上げられた砂袋の上に立ち、「皆さんの要求は正当なものだ。共に抗議するためにやって来た」と叫んだ。韓元首相も夫と共にキャンドル集会に参加していたことが明らかになっており、鄭泰仁(チョン・テイン)氏や盧恵京(ノ・ヘギョン)氏ら大統領府で秘書官を務めたことのある人物も、インターネットを通じて集会をあおっている。
米国産牛肉の輸入再開の約束は、昨年4月に盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領が行ったものだ。その盧武鉉政権で権力を握っていた人物たちが、現在は野党の立場にあるからといって街頭集会に加わっているのだ。いつか再び野党が政権と権力を握る立場に立てば、現在街頭で侮辱を受けている警察や機動隊員たちが、2008年に自分たちの前で法と原則を無視した人物たちの命令をあざ笑うようになるかもしれない。
鄭佑相(チョン・ウサン)記者
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