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【円ドル人民元】うごめきだした対北朝鮮利権獲得 (2/2ページ)

2008.7.5 21:08
このニュースのトピックス金融業界

 今回の指定解除では、北朝鮮のウラン濃縮が「核申告」から除外され、事実上不問に付された。この動機は謎だが、金融面からみるとかなりはっきりする。朝鮮開発ファンドはもともと、米国を本拠にする計画で準備が進められていた。代表者の元英国海軍技術将校のコリン・マクアスキル氏は2001年9月、国務省東アジア・太平洋担当のケリー次官補(当時)から「米国法に合致すればファンドに反対しない」との言質を取り付けた。ところが、ファンド設立間際になっていた2002年10月、北朝鮮のウラン濃縮疑惑が表面化し、米国の投資家が手を引いたために、本拠をロンドンに移したいきさつがある。

 北朝鮮はウランや金、チタンなど鉱物資源が豊富で、米国の穀物・金属商社カーギル、鉱山開発技術を持つエンジニアリング大手のベクテル、さらにゴールドマン・サックス、シティ・グループの金融大手などがウラン濃縮疑惑が表面化するまでは対北朝鮮投資に強い関心を寄せていた。

 マクアスキル氏は冷戦の最中の1970年代末から一貫して故金日成国家主席および金正日労働党総書記直轄の「首領系企業」集団との鉱物取引にかかわってきた。ワシントンとも強力なネットワークを持ち、昨年のマカオの銀行「BDA」口座の北朝鮮資金凍結についても、米財務省に対し強く凍結解除を促した。

 朝鮮開発ファンドには米国務省北朝鮮担当元高官のリン・ターク氏もアドバイザーとして参加している。ブッシュ政権によるウラン濃縮疑惑の棚上げは、平壌・ロンドン・ワシントン・の三角コネクションを復活させ、北朝鮮のウラン資源利権獲得で米英が先行する道筋をつけたようだ。これまでは中国系資本が北朝鮮の鉱山利権をほぼ独占してきたが、ウランは含まれていない。(編集委員 田村秀男)

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