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世界のコビー、リベンジならず―。米独立記念日恒例の国際ホットドッグ早食い選手権(ネイサンズ主催)が4日、ニューヨークのコニーアイランドで行われ、V奪回を狙った小林尊さん(30)=長野市出身=は、大会史上初のプレーオフの結果、惜しくも敗れた。優勝は昨年の覇者、ジョーイ・チェスナットさん(24)=米国=。あごの関節症による引退危機の中、小林さんは世界王者と死闘を演じ、復活をアピールした。
決戦の地、コニーアイランドに乗り込んできた小林さんの髪は、赤と黄色に染められていた。渡米前に東京・渋谷の美容院で染めたもので、ケチャップとマスタードの色を意識したという。自らホットドッグの化身となり大会への決意をアピールしていたのだが…。
今年から制限時間が、これまでの12分から大会創設当時の10分に短縮された。競技者は、次々とホットドッグをかまずに水を使ってのどに滑り込ませる。01年に初優勝した小林さんが大会に革命を起こした“TSUNAMI”(津波)と呼ばれる早食い法は、今や常識だ。
勝負は昨年同様、小林さんと、王者チェスナットさんのマッチレースとなった。規定の10分で、食べた個数を表すプラカードはともに「59」。異例のビデオ判定の結果も同数となり、勝負は大会史上初のプレーオフに持ち越された。5個をどれだけ早く食べられるかで争われた最終決戦。制したのはチェスナットさんだった。
「瞬発力で負けてしまった」。プレーオフは想定外だった。小林さんは2年連続の準優勝。とはいうものの、無敵を誇った日本の大食いプリンスが2年続けて同じ相手に敗れた。
しかしここ2年間、苦しんでいた顎(がく)関節症を乗り越えての健闘に手応えも十分。「すごい僅差(きんさ)だったから、本当ならもっと悔しいはずだけど、全力でやった気持ちよさがある」。来年も参戦するかと聞かれ「もちろん」とリベンジを誓った。
大会にはコスプレできめたパフォーマーも参加していたが、小林さんはフードファイトをスポーツと位置付け、自らアスリートを名乗る。米国ではスポーツ専門チャンネルのESPNがこの大会を生中継するなど“アスリート待遇”に満足しているが、日本での“バラエティー扱い”は、なかなか消えない。
昨年の大会後、元サッカー日本代表の中田英寿氏や水泳五輪金メダリストの北島康介らが名を連ねるサニーサイドアップと契約。世界のコバヤシは日本での地位を確立するまで、食べ続ける。
(2008年7月6日06時01分 スポーツ報知)