南瞑

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS なぜ、私が毎日新聞の記事を危惧するのか。

<<   作成日時 : 2008/07/05 13:56  

トラックバック 2 / コメント 13

なんか前のエントリーのコメントでやけにエクアドルに詳しい人が涌いたんで、なぜ、毎日の記事を「生命の危機」と受け取るのか、少し書いてみたいと思います。

まず前提として、エクアドルの治安を知って戴く為に、新聞記事を紹介します。
http://www.extra.ec/noticias.asp?codigo=2008070416038
これは、現在、エクアドルで最大の発行部数を誇る新聞の本日の記事です。
倒れているのは、アイスクリーム売りの男性ですでに死亡しています。この男性は記事によれば二人組の強盗に撃たれました。理由は抵抗したため。アイスクリーム売りは、一生懸命売っても、一日$10稼ぐのは大変です。そんな小銭を盗るために人を殺しています。

私たちが住んでいるのはこういう国です。これでも今日は平穏な日です。死体の数がたった2体だけですからね。
お断りしておきますが、これはエクアドルを貶める為に紹介しているのではありません。現実をみなさんにお知らせするために紹介しています。エクアドルには素晴らしい自然があり、親切な人々が住んでいますが、それでも裏側にはこういう現実が存在します。

ここで重要なのは、この強盗殺人が銃によって行われた事です。この国では銃器は非常に簡単に入手できます。私はこの国の身分証明を持っていますから、明日、銃砲店で9mm口径の拳銃を買い、それを自宅に置く事が可能です。(持ち歩くには別途許可が必要)実際に私の家には、拳銃と散弾銃が常備してあります。もちろん、正式な許可を受けてですが。

このような国で、国名を特定し、国籍を明示して、「狩りとして子供を銃で撃つ」という行為している、という記事を、その真偽に関わらず、「新聞」と言う権威付けが行われた状態で一般に発信した場合、どうなると思いますか?おそらく、大半の人は、自分の経験に照らして、そんな事がこの国で行われているはずが無い、とすぐに気付くでしょう。しかし、ごく一部かも知れませんが、この記事を鵜呑みに信じてしまう人たちがいます。
この、ごく少数かも知れない人たちでも、銃器は所持できます。もちろん実弾が入った状態で。

多分、それが強盗だったなら、助かるかも知れません。強盗の目的はカネです。カネさえ盗れば、それで満足して撃たないかも知れません。でもそれが、意図して「日本人を撃つ」ためだったらどうでしょう。必ず撃たれます。この記事の問題は、「意図して日本人を撃つ」動機を与える事にあるのです。そして、その日本人とは、この記事に書かれた「ツアーで子供を撃った」日本人ではありませんし、記事を書いた豪州人でもなく、毎日新聞の記者でもありません。

2003年にこの記事が掲載されて以来、幸いな事に明らかにこの記事が動機となって殺された日本人はこの国では知られていません。それは幸運な事に、この記事をスペイン語に翻訳したものが無かったというのも理由でしょう。私が検索した限りでは、簡単に検索にかかるサイトでこの記事をスペイン語で書いたものはありませんでした。しかし、それは僥倖です。いつまでも僥倖に頼る訳には行きません。明日、この記事のスペイン語訳が新聞やwebサイトに現れたらどうなるのでしょうか?そして英語だからと安心するわけにも行かないのです。この国ではまともな学校へ通える子供達は6歳から英語を習うのですから。

ところで、私が大使館の安全保障担当領事とお会いした時、双方で一致したのは、「おそらく、何も起きないだろう」という点でした。しかし、同時にこれも一致した見解は「もし、起きたなら、重大事件以外ありえない。」でした。ここでの重大事件とは、日本人が殺害される、という以下の意味はありません。これがどう言う意味を持つのかお判りでしょうか?「何も起きない」という予測は、「危険が無い」ではありません。危険はあっても、様々な要素から「何も起きない」と予測しただけであって、その予測により危険が取り除かれたわけでは無いのです。つまり、私たちは、この毎日新聞の記事により、それでなくても、上記のような治安状況の国で、さらにもう一つの危険、それも発生したなら、ほぼ100%命に関わる危険を背負い込む事になったのです。

これが私たちの置かれた今の状況です。それでも私たちは、毎日新聞と敢えて喧嘩したいわけでは無いのです。少なくとも先のエントリーで行った「問い合わせ」に真摯に答えて戴くだけで良かった。それなら話し合いの余地はあったのです。先の問い合わせに非難や糾弾をしている部分はありません。
でも無視したわけです。私たちにとっては、無用な危険を背負わされた上で、無視までされている。毎日新聞さん、何か申し開きありますか?

設定テーマ

注目テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
毎日変態報道 Mainichi Newspapers and TV shows
毎日変態報道は海外メディアやブログにも広まっているようだ。 Well the WSJ talks about Japanese politics tagged with a TV show, and Asahi assumes the Minister as Shinigami (God of Death), where Mainichi Newspaper in Japan distributes sexual articles around the world. The following ... ...続きを見る
言霊と革命を超えて
2008/07/06 00:14
まじめに紹介。
エクアドルでは、毎日のように人死にが出ています。 その数が少なければ、平和な日であると考える人がいます。 日にわずか10ドルを稼ぐのが困難なアイスクリーム店主が強盗に遭い、殺されます。 身分証明があれば銃器を購入出来、許可を取れば持ち歩くことも可能です。 ...続きを見る
最速の中のBlog
2008/07/06 08:08

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
先日もどなたかが書いておられましたが、私も先日こちらのブログに返事をしてあげて欲しい、と毎日新聞社さんに電話いたしました。
7月4日の午後3時30分頃で、毎日新聞の担当部署の若めの女性Sさんという方です。電話とメールの担当部署は違うが、必ず伝える、と確約していただきました…URLを控えてもらいメール担当のものに渡すということでしたが…さて…

来週火曜日になっても返事が来ないようでしたら再度催促してみます。
日本にいる私達と違い、毎日新聞に面白半分に書き散らされた文章で、万が一邦人の誰かが殺されるようなことになっては大変です。
ささげ
2008/07/05 16:29
エントリーを拝見しました。
生命の危機を感じながら現地で暮らす恐怖感はいかばかりか、
心労をお察しします。

毎日の記事が二次利用、三次利用の形で一人歩きをしている今、
「削除しました」では済まされません。

毎日は訂正記事を世界に発信し、
誤解を解く義務があります。
同時に、
転載・引用されたサイトに対しては削除を働きかけなければなりません。
それが責任を取るということであり、
関係者を処分した(?)などと言うのは社内の問題です。

対外的に行動を起こさなければ過去記事の一人歩きはいつまでも続くでしょう。
日本人がいわれなきリスクを背負わされ、
不安におびえながら生きなければならない。
これは許されざる所業です。

2008/07/05 16:48
newsing にpickup させていただきました。
http://newsing.jp/entry?url=nanmei.at.webry.info%2F200807%2Farticle_2.html
ursaemajpris
2008/07/05 18:03
菊地凛子が演じた映画「バベル」の女子高生は
唐突で理解しがたい設定でした。
ファーストフーズでノーパン女子高生が
淫らな行為を行う。
毎日記事そのまんまの設定です。

もうこうやっておかしなことが起こり始めてます。
毎日新聞は許すレベルじゃないと思います。
ねねたん
2008/07/05 18:43
ささげ様

ありがとうございます。
いまだ、何らの連絡も有りません。日本人会にも連絡は無いようです。大使館は今日はお休み’ですから、確認できませんが、月曜日には聞いてみたいと思います。

耳様

ありがとうございます。
おっしゃる通りで、毎日さんに是が非でもやっていたただかないといけないのは、現状の復旧です。訂正記事が出せないのは何故なのか、理解に苦しみます。

ursaemajpris様

ありがとうございます。
拝見致しました。こうして事実が広がってくれるのは有り難い事です。

ねねたん様

バベルは途中で見るのをやめました。あれはどうも私の趣味じゃない。センスオブワンダーを感じない。劇中で話される言葉のうち、三つが判るって事も有るかも知れません。
毎日が日本を貶めるのは、毎日の勝手ですが、虚偽に基づいた報道で危険を背負わされるこちらは良い面の皮です。

本来なら、海兵一個中隊ばかり引き連れて東京湾に上陸したいところですが・・・(マテ
南瞑
2008/07/05 22:19
10数年前にイタリア・スイス・ドイツを通る国際列車でパスポート検査の時に「ジャパニーズパスポート ノープロブレム」と言って手にも取らなかった税関職員が居りました。そう言われるまでどれだけ多くの日本人が信用を築き上げて来たのか。
フィレンツェの世界遺産に落書きした生徒の学校が、自ら記者会見を開いて謝罪したことと比べて新聞社の態度はマズイです、ええ新聞記者の孫の私がマズイと思います。

毎日新聞社は、元記事を載せた上でこの記事はウソであった、とWEBのトップページに永遠に掲載して欲しいものです。 なぜかって「JR東日本」は2005年の特急脱線死亡事故のお詫びを今日現在もWEBのトップページに掲載しているからです。

東京湾に上陸の際には義によって助太刀いたしますので、教えて下さいね(苦笑)
早房一平
2008/07/05 23:22
>早房一平さん
>フィレンツェの世界遺産に落書きした生徒の学校が、自ら記者会見を開いて謝罪したことと

初耳ですね。
TVのインタビューには応じていましたが会見を開いたとは初めて聞きました
岐阜市立女子短大は公式謝罪会見も開いていなければ生徒にカウンセラー付けるという厚遇ぶりは知っていますが・・・
ちなみに首になったはずの某監督は翌日には監督として試合に出ていたそうですよ?

とはいえ、毎日の今回の捏造垂れ流しには心底頭に来ています。
微力ながらスポンサーに対する問いあわせと不買運動に参加させて頂いています
自浄能力の無いマスメディアは害悪しか生み出さない事が今回の件で良く判りました
この件を全くといって良いほど報道しない日本マスコミは腐りきっています
セラフ
2008/07/06 00:00
心中お察し致します。

慣れない海外で、馴染めるように危険も感じながら暮らされて
いらっしゃることかと存知ます。

そこに自社の新聞から、いわば、
「身内から弾が飛んできた」お気持ちかと存じます。

こちらも色々と頑張っていますが、
なかなか他の国内マスコミ、政治家、官僚もまだ重い腰を上げていません。

7月7日からの洞爺湖サミット前に大きな政治的な動きが出来ない、
というような不誠実な理由なのかも知れません。

お体に気をつけて、こちらでも応援しております。
susuki1
2008/07/06 00:19
早房一平様

すみませんね。続きが遅れて。一段落したらアップしますので、もう少し勘弁して下さい。

おお、着上陸侵攻の先導役をしていただけるのですか?ノルマンディーのフランス・レジスタンスより頼もしい・・・・(笑

セラフ様

ありがとうございます。
毎日さんが考えを変えてくれると嬉しいのですが・・・

susuki1様
ありがとうございます。
もう歳ですから、無理しないよう頑張ってみます。
南瞑
2008/07/06 04:13
これは何と言うか・・・、言葉を失ってしまいました。アメリカが銃社会である事は知っていましたが私の知識や理解の範疇を超えていました。知識不足ですみません。
日本国民のみならず、南瞑さん達在外邦人の方々に実害を与え兼ねない(と言うより既に出ている?)これらの問題は、最早情報という物を究極まで貶めたテロであると言えると思います。
一重に、戦後日本のことなかれ思想がこういった危機を招いた事を考えれば、日本の防諜制度の不備を浮き彫りにしてしまうようで嫌悪すると同時にいち日本人として反省しています。
南瞑さん、私達に出来る事は僅かですが協力し合える事を期待しています。
あ、プレッシャーを掛けるつもりは無いです。すみません。
では、乱文長文になってしまいましたが失礼します。
日本国民
2008/07/06 09:27
 毎日の「日本人がライフルで人間狩りをしている」という報道記事とともに南瞑様のブログを自分のSNSのページで紹介させていただきました
 自分は時事問題には疎いほうですが、大手メディア各社のこの捏造問題に関する扱いについて不当に扱いが少なく「報道の正義」の広範な危機を危惧しています
あなご
2008/07/06 09:59
なんらお返事がないことがびっくりです。
ネットで、毎日への広告を掲載している企業へのお問い合わせ報告をみますと、
この問題が大きくなり始めてから、各企業へ毎日の人は直接お詫びに行っているようです。
それも、速効行われているようです。

毎日が一番説明、お詫びしないといけないのは、広告主へでしょうか???
まったく理解できません。

つまり、毎日の姿勢、価値観とはそういうことらしいですね。
いち読者
2008/07/06 10:47
南瞑様、いつも地球の裏側のお話を色々と有難うございます。
某掲示板でも話題になっていますが、海外に在住されていらっしゃる
皆様方のご無事を心よりお祈り申し上げます。
(ブラジルに従兄が移住してるのでメール送っておきました)
エクアドルの方々へ、某オカ板よりの書き込みより

祈る神仏の名前は違えども、皆さんの心にもたらされるものは
「光」と言う「明日への希望」であり「未来への道標」です。
光を失えば「日本」の明日は、未来は見えてきません。
皆さん、心の光を失う事の無いように頑張って下さい

この「日本」を「世界」に代えてお伝え下さい。

はたけ
2008/07/06 10:57

コメントする help

ニックネーム
本 文