2008年7月5日 19時20分更新
手足のまひなど脳梗塞による重い後遺症を大幅に抑えることができる「t−PA」という新薬が専門の医師の不足で地方の多くでは、有効に使われていないことから倉敷市の川崎医科大学附属病院の専門医が、携帯電話で必要な画像をやり取りして地方の病院を支援する取り組みが始まりました。
これは、岡山県倉敷市の川崎医科大学附属病院が県北部の山あいにある3つの病院と始めたものです。
「tーPA」は、血管に詰まった血の塊を溶かす薬で、脳梗塞の後遺症を大幅に抑える可能性がありますが、発症から3時間以内に投与することや副作用に適切に対応することが求められるなど、使用の条件が厳しく、専門医がいない病院では使われていないのが実態です。
今回の取り組みでは、山あいの病院に脳梗塞の患者が運び込まれたとき脳のCT画像や手足のまひの様子などを動画を扱える携帯電話で撮影して大学病院に送り込み専門の医師が、患者の容体をみます。
そして、t−PAが有効と判断されれば患者を直ちにヘリコプターで大学病院まで搬送し治療を開始します。
川崎医科大学では、今後、半年をかけて、どのくらい治療成績の向上につながるか有効性を検証することにしています。
川崎医科大学の木村和美教授は、「この治療が受ければ、後遺症に苦しまなくてもすむ患者は多いだけにデータを集めた上で、全国に広げていけるよう取り組んでいきたい」と話しています。