地方分権には政界再編を――。大阪府の橋下徹知事は5日、府選出の民主党国会議員らとの会合で、地方分権を旗印にした政界再編が必要との考えを示した。
民主党への予算要望の席で、同党国会議員から「地方分権は自民党政権では不可能に近い。一番の近道は政権交代。民主党との政治的な関係について知事の決意をうかがいたい」と問われ、答えた。
橋下知事はまず「党はとりあえず置いて、分権を進める先生方に力を借りないといけない」と政党にこだわらずに協力を求めていく意向を示した。そのうえで「自・公の中で遅々として進んでこなかったところもあるが、世論が動かないと制度は変わらない」と指摘。「分権を唱えるような政界再編みたいなものが起きたなかで、国を引っ張る方々が出てこないと世論はついてこない」と述べた。
一方で「職員団体寄りのイメージでは後押しを受けられない」とも述べ、自治体の職員団体を支持団体にもつ民主党を皮肉る場面もあった。
民主党は1月の知事選で対立候補を擁立し、自民と公明が支援する橋下知事と争った経緯がある。この日は平野博文・民主党府連代表が「あれだけフットワーク軽く動いている知事はない。心から評価したい」と持ち上げ、和やかに意見交換した。(稲垣大志郎)