【ニューデリー=長沢倫一郎】チベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世の特使であるギャリ氏とギャルツェン氏は5日、インド北部ダラムサラで記者会見し、1―2日に行われた中国政府との対話について「(チベットの自治権拡大などで)期待していた前進が得られず、ダライ・ラマは失望している」と述べ、中国政府の強硬姿勢を批判した。次回の対話は10月に開くことで合意したと語った。
過去の対話にも参加している両特使は「今回は一連の協議のなかで最も難しかった」と指摘。中国側が対話に応じたのは「時間を稼ぐとともに北京五輪を成功させることに狙いがあるのではないか」と述べた。中国側には「このままでは対話を続ける意味がない」と伝えたという。チベット亡命政府報道官は中国側出席者のレベルが上がったことを評価していたが、中国側の姿勢に変化はみられなかった。
(05日 23:05)