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【主張】コンビニ深夜規制 国民の幅広い議論深めよ

2008.7.6 02:47
このニュースのトピックス主張

 複数の地方自治体が、コンビニエンスストアに対する深夜営業規制を検討し始めた。二酸化炭素(CO2)の排出量削減やライフスタイルの改善が主な狙いだ。

 コンビニ業界の多くは、省エネの効果は薄いと反発する。CO2削減の面から言えば、確かに業界が言うように大きな効果は期待できない。

 だが、地球温暖化対策は、エネルギーを大量に消費する現在の便利な暮らしにどっぷり漬かったまま行えるほど甘くはない。

 温暖化への取り組みを本気で考えれば、現代人のライフスタイルを真剣に議論する必要もあろう。深夜規制の問題を一つの研究事例として、国民が幅広い議論を深めるきっかけにしてはどうか。

 コンビニの深夜営業をめぐっては、東京都や埼玉県、京都市の首長らが営業短縮の必要性について積極的に発言している。電力消費の削減のみならず、コンビニが深夜に若者のたまり場になっている。こうした夜型の生活の改善も念頭に置いているようだ。

 これに対しコンビニ各社が加盟する日本フランチャイズチェーン協会は、「朝7時から夜11時までに営業を短縮してもCO2削減効果は4%程度にとどまる」と主張する。照明を消しても冷蔵庫が稼働し続けるし、夜間電力の多くは、CO2を出さない原子力発電で供給されているためだ。

 経済活動が24時間化し、夜間に働く人も多い。コンビニは、そのような人々の買い物などの利便性に応えるために営業時間を拡大してきた。いまでは、公共料金の支払いや宅配便、設置してあるATM(現金自動預払機)から現金の引き出しなども可能だ。

 社会的インフラとしての重要性も増している以上、「コンビニだけを規制する意味はあるのか」という業界側にも一理ある。

 このように、双方の妥協点を見つけるのは容易ではない。そこで、一律に時間短縮するのではなく、深夜でも需要度が高い地域の店舗を除いて、実験的に導入するという方法も可能だ。業界の一部は営業時間の見直しに柔軟な姿勢を示している。

 コンビニはエネルギー消費を増大させてきた現代生活の象徴でもある。地球に優しい生活を心がける方向に人々の意識を転換させる効果が期待できるなら、深夜営業の自粛も取り組む価値があると考えてもいいはずだ。

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