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年金問題:厚生年金で記録食い違い 312万件、受給に影響--社保庁が報告

 厚生年金記録の原簿とコンピューターのデータを突き合わせる約2万件のサンプル調査の結果、277件の食い違いが見つかった問題で、うち156件(約56%)の持ち主は現在の受給者または加入者であることが分かった。原簿の4億件に当てはめると、単純計算で312万件が受給者・加入者の記録になる。

 社会保険庁は「原簿は古く生存者への影響は少ない」と予想していたが、より深刻になる恐れが出てきた。

 4日の年金業務・社会保険庁監視等委員会で社保庁が報告した。食い違った277件の持ち主を調べたところ、内訳は▽受給者140件▽加入者16件▽該当者不明や既に死亡している人121件--だった。食い違いの内容(重複あり)は▽標準報酬月額や加入・脱退年月日に関するもの215件▽全く入力されていないもの48件で、これらは直接、受給額に影響する。さらに、氏名や生年月日の違いも18件あり、この記録は誰のものか分からない「宙に浮いた記録」のおそれもあり、持ち主に結び付けば受給額に影響する。

 社保庁は原簿検索システム整備後の10~11年度に、申し出た人の記録の照合作業を実施し、その後受給者全員の照合作業を順次実施する方針。

 一方、保険料を納めた記録がなくなる「消えた年金」問題で、社保庁側に記録がないものの、領収書類を加入者らが保管していたため、国民年金保険料の納付記録が訂正されたケースが06年8月~07年12月末で2480件に上ることが明らかになった。

 こうしたケースは07年9月までは1541件で、年金相談の結果、さらに拡大した。

 消えた年金問題は、オンライン上に記録のある「宙に浮いた年金」とは別問題で、社保庁職員らの着服なども要因とみられる。【野倉恵】

毎日新聞 2008年7月5日 北海道朝刊

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