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ウナギ偽装捜索 悪質な手口徹底解明せよ

 中国産ウナギの産地偽装で兵庫、徳島両県警の合同捜査本部は、徳島県が拠点の水産物輸出入販売会社「魚秀」(大阪市)とマルハニチロホールディングスの子会社「神港魚類」(神戸市)、さらに両社の関係先などを不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で一斉捜索した。

 調べによると、魚秀と神港魚類は四月から六月にかけ、産地を偽装したウナギのかば焼き約三千六百キロを卸売業者に販売した疑いが持たれている。消費者の国産ブランドの安全性への信頼につけこんだ不正は悪質極まりない。

 農水省などの調査で明らかとなった偽装の手口は極めて巧妙だ。魚秀は、ウナギ産地として有名な愛知県の地名を使った架空会社のラベルをはった中国産かば焼きを神港魚類に出荷、神港魚類は一部は偽装であると知りながら卸売業者に販売した。伝票上は東京都内の流通業者二社が仲介したように装って、架空会社が特定されないように工作していたという。

 神港魚類は、担当課長に魚秀側から現金一千万円が渡されたことを明らかにしている。協力への謝礼か口止め料とみられる。このほか多数の業者がウナギ偽装に関与し不明な金の流れも指摘されている。

 偽装ウナギは少なくとも二百五十六トンが出荷された。今年は養殖用稚魚が空前の不漁で、国産ウナギは中国産の一・五倍以上の価格で取引されている。業者には、ぬれ手であわである。さらに神港魚類が残されていたかば焼きを独自に調べたところ、国内では使用が禁止されている合成抗菌剤が微量に検出されたと発表した。警察は偽装工作の全容を徹底的に解明しなければならない。

 ウナギの産地偽装では、農水省は昨年九月末からの約九カ月間で十件程度の違反事例を公表してきたが、それでも大規模な偽装事件が起きた。原産地などの適正表示を義務付けた日本農林規格(JAS)法の在り方も、このままでよいか考えるべきだろう。

 JAS法では、国や地方自治体が違反業者に是正を指示し、従わなければ命令を出す。それでも違反を繰り返す時は罰金などを科す。指示や命令を受けた段階で改めれば業者は罰則を免れることができる。悪質な業者への抑止効果が弱いとの指摘が自民党などから出ている。

 来春には福田康夫首相が力を入れてきた消費者庁が創設される。消費者の立場に立った食品行政を展開するため、JAS法の罰則強化について議論を深める必要があろう。


橋梁談合判決 癒着排除に天下りなくせ

 旧日本道路公団発注の鋼鉄製橋梁(きょうりょう)工事をめぐる談合事件で、独禁法違反と背任の罪に問われた旧公団の元副総裁内田道雄被告に対し、東京高裁は懲役二年六月、執行猶予四年(求刑懲役二年六月)の判決を言い渡した。

 判決によると、内田被告は元公団理事の元横河ブリッジ顧問=有罪確定=らと共謀し、二〇〇三―〇四年度の旧公団発注工事で談合を繰り返した。また、旧公団の元理事金子恒夫被告=一審有罪、上告中=と共謀し、第二東名高速道路富士高架橋工事(静岡県)で経費が増大する分割発注を指示し、実際に約四千七百万円増加させ、公団に損害を与えた。

 内田被告は公判で無罪を主張してきたが、判決は検察側の主張をほぼ認めた。発注側の旧公団ナンバー2の刑事責任を断罪したといえよう。

 高裁は、旧公団の歴代理事がメーカー側から受注予定社を記載した配分表を提示され、説明を受けたと指摘した。さらに「理事らは受注調整を円滑にすることが職員の天下り確保につながると認識。被告も同様だった」と長年にわたる癒着構造に言及した。OBの天下り先確保のため、談合が繰り返されるという典型的な官製談合の構図が浮き彫りにされた。

 橋梁工事の談合事件を受けて、公取委は〇五年、旧公団に対して官製談合防止法を適用し、改善措置を要求した。しかし、河川やダムの水門工事での国土交通省など官製談合は後を絶たない。林道整備では緑資源機構が摘発された後、廃止された。今年六月には、国交省北海道開発局発注の工事で現職局長が逮捕された。

 官民の癒着体質の根絶が必要だ。背景にある天下りの規制に真剣に取り組むべきである。

(2008年7月5日掲載)
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