三菱東京UFJ銀行が進めるコンピューターシステムの統合が7日朝、第2のヤマ場を迎える。旧東京三菱銀行のシステムを土台にした新システムに旧UFJ銀行の店舗をつなぐ作業で、難度は低くない。新システムが稼働し、最初のヤマ場となった5月12日は障害に見舞われただけに、行内には緊張感が漂う。
今回の作業のため、三菱東京UFJ銀は5日午後5時(一部は4日午後9時)から7日午前7時まで、すべての現金自動出入機(ATM)を止める。この間は提携先のATMも含め、同行の口座からは預金の引き出しなどができない。7日午前7時にシステムを切り替えるのは、全国に約420ある旧UFJ銀の店舗のうち9店にとどめる慎重さだ。
5月の障害は、複雑なネットワークが足を引っ張った。提携先であるセブン銀行のATMで預金が引き出せず、ゆうちょ銀行など六つの金融機関への入金サービスも停止。被害は2万件を上回った。主な原因は、「カナ」しか受け付けないシステムに「漢字」のデータを送ったこと。この件は、事前の大量のチェック項目から漏れていた。
三菱東京UFJ銀はこれまで、様々な提携先との取り決めをチェックし、テストに使うデータの種類も増やすなど、懸命に穴をつぶしてきた。
しかしハードルは今回も高い。5月に切り替えた250店はすべて旧東京三菱銀の店舗で、旧システムの改善に近かった。今回以降の対象はすべて旧UFJ銀の店舗。「他人の臓器を移植するようなもの。拒絶反応が起きないかが心配」(行員)というのだ。
もっとも、行内の一部には、5月の障害で批判の的になったことへの不満もくすぶる。行内からは「1日1億件の取引量に比べれば、2万件の障害は大成功のうち」との本音も漏れている。