【ニューデリー栗田慎一】中国チベット自治区での暴動・鎮圧をめぐり、中国側と2回目の協議を終えたチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の代理人、ロディ・ギャリ氏が亡命政府のあるインドに到着。4日夜、毎日新聞に対し「(協議は)時間の浪費だった」と述べ、本格対話の早期再開は「絶望的」との認識を示した。
ギャリ氏は1~2日、もう一人の代理人と北京での協議に出席。5月の前回協議で中国側に要求した「囚人の釈放」「チベット自治区での自由な取材活動の容認」などに対する回答を得るとともにダライ・ラマの北京五輪前の訪中などを新たに求めたとみられる。
ギャリ氏は取材に対し「(いずれの回答も)厳しいものだった」と述べ、「中国はもはやチベット問題を真剣に考えていないからだ」といらだちを隠さなかった。次回協議の時期については「北京五輪前は不可能」と述べるにとどまった。
毎日新聞 2008年7月5日 東京夕刊