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4.3 インドネシア 4.3.1 インドネシア農園作物研究開発センター (1) 所在地 Jl. Tentara Pelajar No. 1, Bogor 1611 (2) プロセス・フロー ここでは、ナンヨウアブラギリ(学名:Jatropha curcas)の種の生産が行われている。プランテーションで播種および苗木の生産が行われている。雨季の前に枝を剪定し、乾季には朔果を数回収穫します。朔果から種を取り出し、乾燥させる。種は農民に配布される。 (3) 供給原料、バイオオイルの利用、規模、および供給原料の発熱量 規模は 30ヘクタールである。 (4) 製品の量、およびその発熱量 種属の選別についての研究が行われている。最初の1年間の種子の収率は、1ヘクタールあたり0.27〜0.59トンと推定されている。2年目以降については、より高い収率が見込まれている。 (5) 物質収支およびエネルギー収支 剪定された枝はマルチングに使用される。 (6) 経済収支、イニシャル・コスト、および運転費 表4.3.1-1に、行われた費用−便益分析の結果を示す。
表4.3.1-1 費用−便益分析の結果 3年目以降は、農地の一部がジャトロファの成長株の栽培に使用されるので、「間作による追加収入」が減少している。ジャトロファの植栽および保全のために、最初の2年間は「投入原価」および「人件費」が高くなっている。 (7) 運転に必要な要員の人数 この大農園には、30名の要員が勤務している。したがって、1ヘクタールの面積に対して1人の要員が必要である。 (8) 施設導入の理由、解消された問題、および未解決の問題 ジャトロファに重点を置く理由として、国のエネルギー問題が挙げられる。ジャトロファの栽培への着手から日が浅く、また、経験もないようで,センターでは栽培などについての研究が行われていた。 (9) 農民、地方自治体、または協同組合の関与、および大学、研究所、またはNGO(非政府組織)からの支援 該当せず。 (10) プロセスを経済的に実現可能なものにするための手段、成功へのキー・ポイント、および施設運用の主体の選択 キー・ポイントは間作である。ジャトロファの種子の生産によって、収益が増加すると期待されている。 (11)地域内での農業者の収入および雇用への影響 第6項を参照。収入および雇用のいずれもが増加すると期待されている。 (12) 人的資源の導入および開発のための枠組み 該当せず。 (13) 地域内の農業の状況(土地利用、農業の持続可能性) 図4.3.1-1に、ジャトロファの土壌適性地図を示す。東ボルネオ、東ジャワなどが有望である。現在、これらの地域では主にトウモロコシが生産されている。土地が痩せており、降水量も少ないため、米を生産することができない。間作により、持続性がもたらされると期待される。 図4.3.1-1 土壌適性地図 (14) ナンヨウアブラギリを利用した地域内循環型農業の可能性 該当せず。農民は、種の生産および販売を行うと考えられる。 (15) 地域内でのバイオオイルおよびバイオディーゼルの供給ならびにエネルギー利用の可能性 該当せず。第4.2.2節を参照。 (16) その他 上述のとおり、キー・ポイントは間作でであり,農民の収入および雇用が改善されると期待される。 (17) 交渉担当者、ホームページ、および支援機関 交渉担当者はDr. Ir. Hasnamである。 (18) 写真 調査の際に撮影した写真を以降のページに示す。 図4.3.1-2 派遣委員との会談 図4.3.1-3 枝の剪定方法を説明するDr. Ir. Hasnam 図4.3.1-4 ジャトロファのプランテーション(1) 図4.3.1-5 ジャトロファのプランテーション(2) 図4.3.1-6 ジャトロファのプランテーション(3) 図4.3.1-7 苗木 図4.3.1-8 花 図4.3.1-9 果実(朔果) 図4.3.1-10 種子の乾燥 図4.3.1-11 採種機(1) 図4.3.1-12 採種機(2) 図4.3.1-13 採種機のハンマー 図4.3.1-14 圧搾機 図4.3.1-15 採取された油 4.3.2 バイオテクノロジー・センター BPPT(インドネシア技術評価応用庁) (1) 所在地 Gedung 630, Kawasan Puspiptek, Serpong, (2) プロセス・フロー 以下に、同センターが開発した家内産業技術を示す。 Jatrotex:成長ホルモン液 Jatrosin:消毒液 Jatrodix:発芽液 Jatrofert:相利作用液 ジャトロファの枝を集め、約20 cmの長さに切断し,上記の液を枝片に塗布する。 このプロセスの後、7〜10日間の温室での栽培が必要である。次に、枝片を小さな鉢に植え付けた後、さらに7〜10日間の温室での栽培が必要である。 次に、鉢を温室の外に運ぶ。インドネシア政府は、インドネシアの合計2200万ヘクタールの劣化地の内、300万ヘクタールにジャトロファの木を植え付けることを計画している。 (3)供給原料、エネルギーの利用、規模、および供給原料の発熱量 ジャトロファの木の、長さ約20 cmの枝片を使用する。 (4) 製品の量、およびその発熱量 植栽技術についての研究が行われている。 (5) 物質収支およびエネルギー収支 自然光を利用する。 (6) 経済収支、イニシャル・コスト、および運転費 同センターが開発した技術は、非営利的に利用される。 (7) 運転に必要な要員の人数 枝の切断および枝片の植え付けに1名ずつの要員が必要である。 (8) 施設導入の理由、解消された問題、および未解決の問題 ジャトロファの木の運搬に多額の費用がかかると考えられている。 センターは、植樹技術を地方自治体および企業に移管し、インドネシア国内に多数の小規模の植物センターを設立することを計画している。 (9) 農業者、地方自治体、または協同組合の関与、および大学、研究所、またはNGO(非政府組織)からの支援 2007年には、同センターが開発した技術を利用する植物センターを設立することを計画している。センターは、植栽技術を地方自治体および企業に移管し、インドネシア国内に多数の小規模の植物センターを設立することを計画している。 (10) プロセスを経済的に実現可能なものにするための手段、成功へのキー・ポイント、および施設運用の主体の選択 ある地方自治体は、2007年に、同センターが開発した技術を利用する植物センターを設立することを計画している。 (11) 地域内での農業者の収入および雇用への影響 同センターは植栽技術の開発を行っています。 地方自治体は、それらの技術の効果を検討する役割を担っている。 (12) 人的資源の導入および開発のための枠組み センターは、植栽技術を地方自治体および企業に移管し、インドネシア国内に多数の小規模の植物センターを設立することを計画している。 (13) 地域内の農業の状況(土地利用、農業の持続可能性) 該当せず。 (14) ナンヨウアブラギリを利用した地域内循環型農業の可能性 該当せず。 (15) 地域内でのバイオオイルおよびバイオディーゼルの供給ならびにエネルギー利用の可能性 該当せず。 (16) その他 同センターには40名の研究者が勤務している。 (17) 交渉担当者、ホームページ、および支援機関 交渉担当者はDr. Wahy Purbowasito S.である。 (18) 写真 以下に、調査の際に撮影した写真を示す。 図4.3.2-1 枝の切断 図4.3.2-2 ジャトロファの枝片とJatrodix(発芽液) 図4.3.2-3 Jatrodixが塗布されたジャトロファの枝片 図4.3.2-4 温室内のジャトロファの枝片(1) 図4.3.2-5 温室内のジャトロファの枝片(2) 図4.3.2-6 ジャトロファの枝片の植え付け 図4.3.2-7 樹齢5年のジャトロファの木 4.3.3 BPPT(技術評価応用庁)傘下のTechnological Energy Research Centerの再生可能エネルギー部門 (1) 所在地 Kawasan Puspitek Serpong, Tangerang 15314 (2) プロセス・フロー 同センターでは、ジャトロファ油に関するエネルギー利用技術の開発を行っており、小規模なジャトロファ油の製油設備が開発された。インドネシアでは、2007年に、288ヶ所に製油施設を設置することが計画されている。 (3)供給原料、エネルギーの利用、規模、および供給原料の発熱量 種子に対するジャトロファ油の採油率は約35〜40%,実収率は約25%である。 (4) 製品の量、およびその発熱量 ジャトロファ油およびジャトロファ・ケーキが製造されている。 (5) 物質収支およびエネルギー収支 種子に対するジャトロファ油の実収率は約25%である。 (6) 経済収支、イニシャル・コスト、および運転費 ジャトロファの種子の価格は、1 kgあたり約750 IDR(インドネシア・ルピア)である。種子に対するジャトロファ油の実収率は約25%,ジャトロファの供給原料の費用は、1 kgあたり3000〜3500 IDRである。製油(脱ガムを含む)費は油1Lあたり500 INR(インド・ルピー),バイオディーゼルの製造費は、1Lあたり1000 IDRである。灯油の国際価格は1Lあたり5000 IDRであるが、インドネシア政府が価格の60%(1Lあたり3000 IDR)に相当する金額の助成金を支給しているため、小売価格は 1Lあたり2000 IDRである。 (7) 運転に必要な要員の人数 不明である。 (8) 施設導入の理由、解消された問題、および未解決の問題 導入の理由は、農村地域において、照明器具および調理用コンロの燃料としてジャトロファ油を利用するためである。 (9) 農民、地方自治体、または協同組合の関与、および大学、研究所、またはNGO(非政府組織)からの支援 地方自治体が協力することになっている。 (10) プロセスを経済的に実現可能なものにするための手段、成功へのキー・ポイント、および施設運用の主体の選択 第6項を参照。 (11) 地域内での農民の収入および雇用への影響 ジャトロファの種子の価格は、1 kgあたり約750 IDRである。 (12) 人的資源の導入および開発のための枠組み 該当せず。 (13) 地域内の農業の状況(土地利用、農業の持続可能性) 該当せず。 (14) ナンヨウアブラギリを利用した地域内循環型農業の可能性 該当せず。 (15) 地域内でのバイオオイルおよびバイオディーゼルの供給ならびにエネルギー利用の可能性 ジャトロファ油は、農村地域で照明器具および調理用コンロの燃料として使用される。 (16) その他 同センターには、ジャトロファ油を使用する照明器具および調理用コンロ、ならびにジャトロファ・ケーキを使用する調理用コンロが展示されている。 (17) 交渉担当者、ホームページ、および支援機関 Dr. Faisal Ishomが交渉担当者である。 (18) 写真 以下に、調査の際に撮影した写真を示す。 図4.3.3-1 ジャトロファの製油設備(試作) 図4.3.3-2 ジャトロファの製油設備(デモンストレーション) 図4.3.3-3 ジャトロファ・ケーク 図4.3.3-4 ジャトロファ・ケークを使用する調理用コンロ 図4.3.3-5 ジャトロファ油を使用する調理用コンロ 図. 4.3.3-6 ジャトロファ油を使用する照明器具 4.3.4 Balai Rekayasa Disain & Sistem Teknologi(BPPTのエンジニアリング・センター) (1) 所在地 Kawasan PUSPIPTEK Serpong, Gedung 232 (2) プロセス・フロー プロセスは、BDF(バイオディーゼル燃料)の従来型のプロセス(前処理、エステル交換反応、水洗、および蒸留を含む)である。 BDFの規格は、許容値の範囲内である。 (3)供給原料、エネルギーの利用、規模、および供給原料の発熱量 主要供給原料はCPO(粗パーム油)であり,ココナッツ油、ジャトロファ油も使用されている。1トン/時間の生産能力を有するバイオディーゼルのデモンストレーション・プラントが運転されている。2007年には、この敷地内に8トン/時間の生産能力を有するバイオディーゼルのデモンストレーション・プラントが建設される予定である。 (4) 製品の量、およびその発熱量 第3項を参照。 (5) 物質収支およびエネルギー収支 CPOの重量収率は92%です。 遊離脂肪酸(5%)とトリグリセリド(3%)が失われます。ジャトロファ油の遊離脂肪酸は最大10%である。 (6) 経済収支、イニシャル・コスト、および運転費 8トン/時間の生産能力を有するプラントの建設費用は、40〜50億INRである。石油ディーゼル燃料の国際価格が500ドル/トンであるのに対し、CPOの価格は600ドル/トン(5400 IDR/リットル)である。 現状の費用がインドネシアでのプラントの普及を妨げている。 (7) 運転に必要な要員の人数 不明である。 (8) 施設導入の理由、解消された問題、および未解決の問題 導入の理由は、輸送用燃料を供給するためである。 (9) 農民、地方自治体、または協同組合の関与、および大学、研究所、またはNGO(非政府組織)からの支援 地方自治体が協力することになっている。供給原料の輸送費が高く、プラントは分散型プラントになると思われる。 (10) プロセスを経済的に実現可能なものにするための手段、成功へのキー・ポイント、および施設運用の主体の選択 第6項を参照。 (11) 地域内での農民の収入および雇用への影響 該当せず。 (12) 人的資源の導入および開発のための枠組み 該当せず。 (13) 地域内の農業の状況(土地利用、農業の持続可能性) 該当せず。 (14) ナンヨウアブラギリを利用した地域内循環型農業の可能性 該当せず。 (15) 地域内でのバイオオイルおよびバイオディーゼルの供給ならびにエネルギー利用の可能性 該当せず。 (16) その他 石油ディーゼル燃料と混合されるバイオディーゼル燃料の小売価格は700 mlあたり8000 INRである(容器代2000 INRを含む)。 (17) 交渉担当者、ホームページ、および支援機関 Dr. Faisal Ishomが交渉担当者である。 (18) 写真 以下に、調査の際に撮影した写真を示す。 図4.3.4-1 バイオディーゼル燃料の小売製品 図4.3.4-2 1トン/時間の生産能力を持つバイオディーゼル燃料製造プラント
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