SNSビジネス<1> GREEにみるSNSのビジネス化
GREEのポジショニングについて、数回に渡って見ていきたい。
個人で始めたSNSサービスが拡大したことによって企業となった初めてのケースだ。(mixiは既存企業が始めたSNS)
◆GREEの成り立ち
GREEとは?
http://d.hatena.ne.jp/keyword/gree
国内初のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)。 招待状を受け取った人しか参加できない。 2004年に、当時楽天に勤めていた田中良和氏が個人的にはじめたサービスだったが、利用者の拡大に伴い株式会社化。
GREE - 由来(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/GREE
社会心理学者のスタンレー・ミルグラムの「Six Degrees of Separations」(六次の隔たり)の理論の名前からきている。
友達の友達の…と辿ってみると、6人の友達で世界中の人と友達になれる、というソーシャル・ネットワーク理論。都市伝説のようではある。しかし、LinkedInを使うと、そのイメージを掴める。私の場合は、8人-44人-7,200+と表示されている。
MSNがソーシャルネットワーキング「GREE」に学んだこと(2004/09/10)
http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000055954,20072844,00.htm
国内最大規模級の無料ソーシャルネットワーキングサービス「GREE」に、MSNが共鳴──。マイクロソフトは、来る9月12日(日)に行われる「GREE Night 2.0」へ協賛する旨を発表した。同日、会場ではMSNメッセンジャーに関するニュースも発表されるという。
まだGREEが田中氏個人のサービスであり、MSN Spaceが立ち上がったばかりの頃。MSNは、社内事情によるところが大きいが、MSNとMicrosoft Liveのサービス・ロードマップ戦略の折り合いの問題もあり、CGM関連サービス進出に大きく出遅れた。
「GREE」を株式会社にした理由(2004/11/29)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0411/29/news011.html
国内ソーシャルネットワーキングサイトのさきがけ「GREE」を運営する「グリー株式会社」が12月7日に設立される。社長に就任するのは、GREEを開発し、ボランティア運営してきた田中良和さん。勤めていた楽天を10月に退社し、GREEの運営に専念する。株式会社化に踏み切ったのは、GREEを長く続けるためだという。
楽天は、わずかしか出資しなかった。これは田中氏の意向だったのだろう。賢明だと思う。
GREE 事業内容
http://gree.jp/?mode=static&act=page&page=ext_operation-strength
私たちグリーは、SNS「GREE」を出発点に、個人の力を集約したメディア、 CGM(Consumer Generated Media)をはじめとした次世代のウェブを開拓するパイオニアとしてユーザーが楽しめるサービスを常に作り続けていきます。
SNSのみならず、CGMというキーワードを盛り込んでいる点がポイントかもしれない。
◆GREEのポジショニング
GREE Labs
http://labs.gree.jp/
http://labs.gree.jp/Top/Study/20060823.html
グリー株式会社では、最新のインターネット技術・サービス・ビジネスを発掘・研究するために、「GREE Labs」という社内プロジェクトを結成しております。ここでは、ソーシャルネットワーキングサービスを基盤とした新しいサービスや機能を、正式サービスとは別に実験的に開発して公開する、といった試みを展開しています。
その一環として、2006年3月より、「オープンソーステクノロジー勉強会」を、グリー株式会社とグローコムの主催という形で、毎月行ってまいりました。
よりオープンソース・コミュニティとのコミットメントを明確にしている点が、他社とは異なるポジショニングだろう。<本当は、はてな、gooはもちろん、ライブドアなども技術的に優秀なのだが…。>
Greeとmixiの違いを考えてみた
http://netafull.net/internet/004823.html
GREE COMMUNITY 1.0 リリースに際して、恐らく開発者田中さんの言葉だと思うのですが、次のように語られています。「グリーは、いわゆるオンラインで交流するために使う「(オンライン)コミュニティ」ではありません。
自分のいつも接する身近な友達とやり取りをしたり、共通の趣味であつまる同好会やサークル活動、友達の集まるパーティ、学校の同窓会、食事会などを、より簡単に、より便利にするそういうサービスを目指しています。」
そもそもSNSとは、そういうものだと思うのだが、GREEはよりSNSらしいサービスを志向していたといえるだろう。
mixiとGREEの差|神泉で働く社長のアメブロ(2006-03-04)
http://ameblo.jp/usami/entry-10009722563.html
以下は僕の勝手な想像ですが、田中君はGREEを自分にとって必要だと思うサービス(欲しいと思うサービス)として創っていたのに対して、笠原君はファインドジョブへの入り口としてmixiを考えていたんじゃないだろうか。
このコメントは、尤もだと思う。個人的に開始した開発者田中氏と、既に企業経営者としてファインドジョブをメインの事業としていた笠原氏の、SNSに対するスタンスの違いだろう。
そして、今年の夏にGREEは新たなる段階へと突入した。
<以下、続く>
ココロ・プラネット SNS研究員 roomrag