累積赤字縮小へ日高総合病院

改革プランづくりに取り組む日高病院

 国保日高総合病院(森脇宏院長)は、今度中に病院改革プラン(21~23年度)を策定する。10億円近い累積赤字の縮小に向け、経営効率化のための具体的な数値目標を盛り込み、経営健全化に取り組むのが大きな柱。構成の6市町の意見も聞きながら9月ごろに素案をまとめ、来年3月末までに策定し、御坊市外五ヶ町病院経営事務組合議会や県に報告する。

 改革プランは国の公立病院改革ガイドプランにもとづき、各地方公共団体、一部事務組合などが策定。(1)経営の効率化(2)圏域内の公立病院再編(統廃合)・ネットワーク化(3)経営形態の見直し(例・病院から診療所に格下げなど)を重点項目にプランをつくる。県内の対象は13団体(病院)あり、日高地方は同組合が経営する日高病院だけ。
 日高病院はガイドラインにもとづき4月から院内の打ち合わせを進め、現在は収支計画や経営指標などプランに盛り込む内容を検討している。重点項目のうち、再編・ネットワーク化と経営形態の見直しは同病院では特に必要性はなく、18年度決算で9億6850万円までふくらんでいる累積赤字軽減を図るための経営効率化がメーンになる。
 これまでの検討で利益を上げるために病床利用率を現在の82%(19年度平均)から3年後に85%に上げる数値目標に入れることを考えている。ほかに救急医療体制の充実、給与体系の見直しなども検討。病院側は「健全経営化の取り組みは継続的に行っているが、今回は数値目標を盛り込みながら実現できるように努力する」とした。
 18年度決算は1億8068万5116円の赤字で、累積赤字は近年ではもっと多い9億6850万円にふくらんでいる。7年度から15年度までは黒字決算が続き、累積赤字も6億円まで減少させたが、16年度からは一転して3年連続赤字。内部留保資金が約12億円あるため、多少の余裕はあるものの、厳しい経営環境に変わりはない。