県内26自治体病院(県立を除く)の常勤医は2008年5月現在で計486人おり、施設運営上、必要とされる総数687人に比べて201人足りず、充足率は70・7%(前年同月比3・2ポイント減)にとどまることが4日、県自治体病院開設者協議会のまとめで分かった。充足率100%としたのは3施設にとどまり、医療現場では深刻な医師不足が続いている実態が改めて明らかとなった。
 医療法上の必要数は456・004人で、非常勤医を常勤換算した57・308人も加えるため、充足率は119・1%となる。
 これに対して調査では、各自治体病院が診療科ごとの実務状況や医師の勤務ローテーション、患者のニーズなどを総合的に勘案して必要人員を定め、医療現場の現況や各病院関係者の考えを把握している。今回、充足率100%としたのは川内病院(むつ市)、六戸町病院、名川病院(南部町)のみ。
 津軽地域では大鰐病院、板柳中央病院、西北中央病院(五所川原市)、公立金木病院(同)、つがる市立成人病センター、鶴田町立中央病院がいずれも66・7%、鯵ケ沢町立中央病院は71・4%。青森市民病院は69・9%だった。
 診療科別では充足率100%の診療科はゼロ。中でも不足が深刻化している産婦人科(婦人科を含む)が59・4%、小児科が65・9%と低く、麻酔科は28・0%にとどまった。
 看護師(常勤)は現員が3424人、施設運営上、必要な人数は3526人。結果、充足率は97・1%となった。
 青森市民病院事務局では「医師の過重労働緩和、医療の高度化、患者の多様なニーズなどを考えると医療法上の人数では対応できない」と苦しい現場の状況を強調。県医療薬務課は「市町村とともに引き続き医師確保に努める」としている。