上伊那広域連合は4日、伊那中央、昭和伊南、辰野の公立3病院の事務長会議を伊那市のいなっせで開いた。医師不足や厳しい財政状況に対応するため課題に挙がっている公立3病院の連携の在り方について、県伊那保健所が設置した上伊那地域医療検討会で議論していくことを決めた。
事務長会議は定期的に開いているが、小坂樫男広域連合長(伊那市長)が5月の広域連合議会定例会一般質問で、「もともと上伊那は県下でも医師が少ない医療過疎の地域。上伊那の2次、3次医療をどうするかを考えていかざるを得ない」と述べ、場合によっては「経営統合も視野」に「公立3病院の在り方を十分論議したい」との考えを改めて示したのを受け、議論の場を話し合った。
会議は3病院の事務長、保健所、広域連合の担当者が出席し、非公開で行われた。
広域連合によると、上伊那地域医療検討会は昨年6月、産科医・小児科医の不足に伴い県が設置した。3病院の院長や上伊那医師会長、8市町村の担当課長らで組織し、これまでに産科の連携体制や、初期救急医療体制など検討している。広域連合が昨年8月に設置した、病院事務長ら事務レベルの上伊那医療問題研究会が類似組織としてあるが、検討会の方が議論の場としてふさわしいとして決めたという。
広域連合は「医師不足の中で、現在いる医師の負担を軽くし、辞められないようにする必要がある。具体的な検討項目は白紙だが、どのような連携をできるかを話し合っていくことになると思う」と話している。
また、医療現場の厳しい実態を市民に理解してもらうため、シンポジウムを開く方向で検討していくことを確認した。