自殺防止に取り組む特定非営利活動法人(NPO法人)「自殺対策支援センター ライフリンク」(東京)や専門家らのチームは4日、自殺した305人の遺族からの聞き取りや警察庁のデータを分析した初めての「自殺実態白書2008」を公表した。自殺に追い込まれるまでに、うつ病、家庭不和、負債など平均して4つの要因が連鎖している―などの内容。
 年間自殺者は1998年から10年連続で3万人を超えたが、白書はこの間に失われた生涯賃金は計約22兆1200億円に上ると推計。全国の警察署別のデータを初めて分析し、地域ごとの特性も浮き彫りにされた。
 チームのメンバーらは4日、白書を自殺対策担当の岸田文雄内閣府特命相に提出。データはライフリンクのホームページで公開された。
 ライフリンク代表の清水康之さんは「自治体単位で対策に取り組む手掛かりにしてほしい」と話している。
 ライフリンクのアドレスはhttp://www.lifelink.or.jp/〔共同〕(00:43)