OCNスポーツ Esporte OCN SportsChannel Esporte [エスポルテ]
HomeスポーツNEWS野球NEWSサッカーモータースポーツデジタルコンテンツゴルフ
[イングランド代表再編]加速しそうなベッカムはずし
文:粕谷秀樹 写真:Second Wind Date:2006.8.7
 マクラーレン新監督率いるイングランド代表は、8月16日に行われるギリシャ戦(予定)がスタートとなるが、チームの骨子はエリクソン前監督がつくったものと変わらないだろう。DFラインの中心はR・ファーディナンドとテリー。中盤にはランパード、ジェラードという世界有数の実力者を擁し、前線はルーニーだ。この5人が、マクラーレン構想の軸であることは想像に難くない。

 そしてもうひとり、意外な人物が浮上してきた。

「コンディションにもよるが、パーカーを召集する可能性は十分にある」

 この1、2シーズン、負傷のために精彩を欠いているパーカーに、マクラーレンはチャンスを与えるようだ。一時はイングランド代表に定着したものの、チャールトンからチェルシーに移籍して出場機会を失い、レギュラーポジションを求めたニューカッスルでも負傷でダウンした守備的MFに、マクラーレンは白羽の矢を立てたのである。

 パーカーの召集により、マクラーレンの構想がより明確になってきた。おそらく、ジェラードとランパードの攻撃力を生かし、できるだけ前線に近い位置で起用するためのワンピースとして、パーカーを考えているのだろう。したがって新生イングランド代表は、4-1-4-1のフォーメーションが基本になる、と考えてよさそうだ。

 もちろん、4バックの前方に位置するタレントであれば、ドイツワールドカップで活躍したハーグリーブズもいるが、ボールロストが多すぎる。トッテナムからマンUに移籍したキャリックは基本的にゲームメイカーであり、イングランドのメディアが高く評価するキングはストッパーが適性だ。ボール奪取能力にすぐれ、運動量も豊富なパーカーこそ、このポジションに適しているのではないだろうか。


機動力が生きるシステムへ
「だれも特別扱いはしない」とマクラーレン監督。峠をすぎたかつてのヒーローをさしていることは間違いない。
(C)Second Wind
 さらにマクラーレンは、

「だれも特別扱いはしない」

 とも語った。ベッカムをさしていることはまちがいない。エリクソン前監督は全幅の信頼を寄せていたが、すでにピークをすぎており、ルーニー、ランパード、ジェラードの機動力を生かすには、ベッカムはあまりにもスピードを欠いている。レノンという傑出したウイングが急成長しているいま、かつてのヒーローに頼る必要はないのである。

 さきのドイツワールドカップでは、期待されながらベスト8に終わった。主力のコンディション不良も低迷した原因のひとつだが、例のおとり取材が招いたFA(イングランド サッカー協会)、メディアとエリクソンの間に生じた溝は埋まらなかった。やはり、イングランド代表の監督は、イングランド人でなければつとまらないのだろう。体制が変わらず、メディアがとんちんかんなのだから、落ち着けるところに導くのもひとつの手段だ。

 メンバーは充実している。徐々に若手も育ってきた。新監督はイングランド人だ。明日への準備はととのった。あとはFAとメディアが、代表チームを信じればいいのである。

OCN Sports Esporteに掲載の写真、イラストレーションおよび記事の無断転載を禁じます。

BACKNUMBER
サッカーのトップへ
日本サッカー記事バックナンバー
海外サッカー記事バックナンバー


 
NTT Communications 著作権についてプライバシーポリシーNTTコミュニケーションズ

(c) NTT Communications All Rights Reserved