「ぴーすこん」と「にせきん」 [お仕事のはなし]
先日、仕事中に営業さんから原稿の訂正の指示をもらった時
ちょっと面白いことがあったので、書き留めておこうと思います。
(忙しかったので、書こうと思ってもなかなか書けなくて…苦笑)
それはチラシのタイトル文字の色指定の時のことでした。
先方さんから「ハッキリした画面にして欲しい」という指示が来て
結果、やや明るめの青色のタイトルの文字を
深く、濃いめの青にしようということに決まりました。
で、営業さんは私にこう指示してくれたんです。
「ここの色、ピースコンにしておいて」と。
『ぴ、ぴーすこんですか?』
何でしょう?「ぴーすこん」って?私、さっぱり意味が分からず…
すると、以前「エスカレーター話」で大いに盛り上げてくれた
大阪本社の役員でもあるKさんが
「それはな、たばこの『ピース』のパッケージに使われている紺色や」
とすかさず教えてくれました。
『なるほど。それで「ピース紺」ってことかぁ』
納得している私に
Kさん、会社の本棚にあったカラーチャートを持ってきて
早速4色のパーセンテージを出してくれました。
C(シアン)100%
M(マゼンダ)80%
Y(イエロー)30%
K(ブラック)0%
紙の種類にもよりますが…普通の上質紙のような紙であれば
これぐらいのパーセンテージで良いそうです。
(注:紙も種類により、インク(水分)の吸収率が違うため
結果、印刷インクの発色も違ってきます。
なので、見本となる色(この場合はピース紺)を再現しようとする場合には
紙の種類によって微妙なパーセンテージの調整が必要になるそうです。)
早速、アドビ社のグラフィックソフト
「イラストレーター」の書類上で色を作ってみました。
すると落ち着きある紺色ができあがりました。
『ああ、そうだ…この深め紺色。お店とかで売っている「ピース」の箱の紺色だなぁ』
ちなみにこの記事のタイトルに出てきた「にせきん」とは…
「偽金」のこと。
通常、金色は特別な色扱い(特色)となり、通常のカラー印刷である
4色では再現できません。
なので、金色を使ってのカラー印刷は、結果的に4色+特色1色刷りとなります。
しかし、予算的な問題で4色印刷とはいえ、金色の調子を誌面に使いたい場合
この「偽金」のパーセンテージも使うのです。
まあ、いろいろパーセンテージの割合はありますが…
C(シアン)40%
M(マゼンダ)40%
Y(イエロー)90%
K(ブラック)0%
このあたりだとちょっとツヤ消しのような金色に似た色になります。
シアンとマゼンダのパーセントを微調整すると
ツヤ有りのような金色に似た色にもなります。
C(シアン)20%
M(マゼンダ)40%
Y(イエロー)80%
K(ブラック)0%
このパーセンテージで例えばこんな具合に飾り罫に偽金を入れれば…
4色とはいえ、ちょっとゴージャスな感じに(笑)
これも結構、微妙で、パーセンテージのバランスが崩れると
黄土色寄りになって濁ってしまうんですよね(苦笑)
うーむ。混色とは奥深いものですね。
以上、印刷色々話でございました(^ ^)
うにゃ~、なんじゃこりゃ(--; 4色の配合がすらすら出てくる当たり、普通の人じゃぁありません。ユキヲさんも只者じゃぁないですね。
「偽金」も柄に出して使うと「あぁ、見たことあるかも~!」って感じでステキなアイデア(笑)。
モビール、その通りでしたよ♪赤ちゃん通販雑誌に載っていて欲しくてたまらなかった「ゾウ」!「くじら」も~。自分で似せてカラーフイルムを切り抜いたまでは作ったけど、後はどこへ行っちゃったのかしら(^^;
先日は「自動車」と「汽車」が良かったなぁ。ユキヲさんが教えてくれたHPでは「鳩と虹」が良かったです。店の奥にもあって「蚊取り線香みたいな形で上に汽車などのパーツがついてる」のも可愛かったです。そちらは値段も可愛かったので買っちゃいそうになりました~。
by ぱんだ (2006-02-16 23:35)
(?_?)
プロな話しでございますう~。
”色の3原則”っていうことなのでしょうかぁ?
「ぴーすこん」「にせきん」ってというネーミングが業界っぽくて、
すごいなぁ~っと…。
奥がとても深~い、混色のお話しですね。
自分が、想像する色を出せたときは、うれしいんでしょうねぇ~。
by ももえ (2006-02-17 09:50)
>パンダさんへ
コメントありがとうございました。
そうですねえ…これは私の仕事の中ではどうしても
必要不可欠なことですから結果的に覚えなくてはならない事項に
なってしまったという言い方の方が正しいかなぁ(苦笑)
でも、私なんかはまだまだ、ひよっこですから。
たまに封筒の展開図、間違って作ってしまったりしているし(滝汗)
以前にブログでも書いたんですけど…
http://blog.so-net.ne.jp/yukiwochannel/2005-03-11-2
結構、これ、作るのが難しいんですよね。いまだに苦手です。
モビールいいですよね〜。
そうですか…自動車と汽車ですか!こぱんだちゃんが喜びそうな
アイテムですね(^ ^)
あ、そうそう「ひつじ」もとてもかわいかったですよ。
あれは寝室に飾りたくなります(笑)
by ユキヲ (2006-02-17 17:13)
>ももえさんへ
コメントありがとうございました。
そうですね。基本的にはももえさんのおっしゃられる通りです。
C(シアン)M(マゼンダ)Y(イエロー)は色の三原色といい、
これらを同比率で混ぜ合わせると、黒になります。
昔、短大でも教わりましたが、これを通称
「減色混合の原理」といいます。
なのに、3色印刷ではなくなぜ4色なのかというと
三原色によってつくられた黒は、くっきりとした黒ではなく
これで印刷をするとぼやけた仕上がりになるんです。
で、それを防ぐために黒のインクを加えるんですね。
で、蛇足なんですが…昔、先輩から教えてもらったことは
例えば、赤色を作る時、この4色での混色の方法だと
マゼンダ100%、イエロー100%
で作ることができるのです。
しかし、100%の掛け合わせの色は通称「ナマの色」と言って
インクそのものの色になるので主張が強すぎて他の色との
バランスがとても取りづらいんです。
なので他の色を少し混ぜて色のトーンを落としたりして
自然な色に仕上げると上手くいくんですよ。
そうですね…この場合だとマゼンダ100%、イエロー100%に
シアンを10%ほど入れるだけで、結構、落ち着いてくるんです。
こういうさじ加減が面白いと言えば、面白いところですね(^ ^)
by ユキヲ (2006-02-17 17:30)
先日発見して小躍りしていたまあです。
またまた、なつかしさにコメントおば・・
ピース紺はなつかしいですねぇ。
偽金はよく使っていました。本金はお値段高いですから・・・
実は以前、広告関係でお仕事をしていたのです。
子供ができて最近は教育番組にはまってしましました。
ユキヲさんの作品もぜひギャラリーとかで見てみたいです。
話は変わりますがご結婚おめでとうございます。
実は私の友人もその日に結婚するのです。
しあわせないい日ですね。
by まあ (2006-02-20 14:23)
>まあさんへ
コメントありがとうございます。
そうでしたか!以前は広告関連のお仕事されていたんですね(^ ^)
偽金…名前はいかがわしいですが…仕上がりは
なんてことなくとても雰囲気良く仕上がることに
びっくりしました。
ビース紺ってメジャーなんですね。
金赤とか青金とかはよく聞いたんですけど…ピース紺はおはずかし
ながら今回が初耳でございました。いやぁ、良い勉強になりました。
そうですか…まあさんのお友達も結婚式なんですね。
私と彼は平日仕事の身なので「親戚の人も日曜日はゆっくり
したいだろうし…やっぱり土曜日に結婚式がベストなのでは?」
という話し合いの結果、25日の土曜日になりました。
上手く行けば桜が咲くかな?なんていう淡い期待もあって(^ ^;)
昨日は装花やテーブルクロスも決めて、着々と披露宴までの
イメージができあがりつつあります。
by ユキヲ (2006-02-20 23:28)
数字は苦手。目指せ、直感な人!なので…(?)
でも こういった(視覚的にも訴えられる)話は けっこう、好きです。
by かこ (2006-02-23 20:57)
>かこさんへ
nice&コメントありがとうございます。
数学…私も超が何個あっても足りないくらい苦手でしたよ(笑)
でも、デザインだと、基礎的な数学の知識があると
結構、作業がスムーズになったりするんですよね。
例えば、今ある大きなイラストを10センチの辺を持つ四角に
おさめたいという場合にイラストの縦や横の長さも使って
縮小率を求めたりとか…。
あとは多角形を作る時など「何角形の時には内角が何度」と
覚えていると、図形を回転させて多角形ができたりしますね。
そうそう、桜の花びらなんかを作る時、花びら1枚描いてから
回転を72度ずつかけるとちょうど、5枚の花びらが広がる…
とか、そんな具合ですね。
グラフィック系のソフトはやり始めると、ちゃんと形にして
残るので、それが楽しいですね(^ ^)
by ユキヲ (2006-02-24 00:58)