診療報酬改定で診療所7万5千円減収
4月の診療報酬改定で、医師が再診時に算定できる「外来管理加算」に“5分ルール”が導入されたことで、4月の算定割合が3月に比べ、10ポイント以上減少し、診療所の減収額が平均で約7万5000円に上っていることが、全国保険医団体連合会(保団連)の調査で明らかになった。厚生労働省は、医師不足に配慮して小児科対策などを重視するとしていたが、小児科では20ポイントも下がっており、保団連は「今回の改定は医療現場の実態に反している」として、“5分ルール”の撤廃を求めている。
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調査は、診療所3402施設と、200床未満の441病院から得た回答を集計。診療所については、今年3月と4月の外来管理加算の算定割合を、病院については、昨年4月と今年4月の算定割合を、それぞれ比較した。
その結果、診療所では、3月に59%だった算定割合が4月には45%と、14ポイント下がり、平均で7万5411円の減収になっていた。
診療科別に見ると、算定割合が大きく減少したのは、皮膚科(150施設)の24ポイントと小児科(234施設)の20ポイントなどだった。減収額では、皮膚科の12万4089円を最高に、耳鼻咽喉科(148施設)の8万1952円、内科(1878施設)の7万8907円などが大きかった。
また、地域別では、北信越(新潟、富山、石川、福井、長野県)の小児科で、今年3月に89%だった算定割合が4月には47%と、42ポイントも落ち込んでいた。
病院も診療所と同様の傾向を示し、昨年3月に59%だった算定割合が、今年4月には46%と、13ポイント減少した。
減収額では、青森県で、1か月約96万円、年間ベースで1千万円を超える公的病院があった。
“5分ルール”については、診療所と病院を合わせ、「反対」が87.5%を占め、「賛成」はわずか3.4%にすぎなかった。
外来管理加算の5分ルール
今年4月の診療報酬改定で、外来管理加算の算定要件として「おおむね5分を超える」診察が加わった。同加算(52点、1点は10円)は、診療所と200床未満の病院で、外来での再診の際、処置や検査、リハビリ、精神科療法などがなく、診察、指導、投薬のみであった場合、医師が再診料(診療所71点、病院60点)に加えて算定できる診療報酬。
更新:2008/07/04 15:41 キャリアブレイン
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