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田んぼアート、広告いらない 地権者抗議で苗抜き取り

2008年7月4日15時0分

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写真地権者からの抗議を受け、広告部分を抜き取る作業が進む「田んぼアート」=4日午前10時、青森県田舎館村、米沢信義撮影

 青森県田舎館(いなかだて)村の名物「田んぼアート」が今年から採り入れたスポンサーの広告に、田んぼの地権者からクレームがつき、主催する同村むらおこし推進協議会(会長・鈴木孝雄村長)は4日午前、企業のロゴなどの部分の苗を抜き取った。

 田んぼアートは紫や緑など葉や茎の色の異なる稲を植えてつくり、田植えから1カ月半ほどで見頃を迎える。今年で16回目で、昨年は24万人が見学に訪れた。しかし、運営費がかさむため増収策を検討。地元新聞社の東奥日報社が創刊120周年記念の事業として、田んぼへの「広告掲載」を申し入れ、4月に同協議会で正式に決定した。広告料は200万円という。6月1日に田植えを終え、大黒様の図柄の下に、日本航空の「JAL」と「東奥日報120周年」のロゴを入れた。

 しかし、田んぼの地権者の佐藤隆司・前村長が6月下旬、広告掲載について「事前に知らせがない。企業の宣伝は許されない」と抗議。同協議会は3日、広告部分の苗の抜き取りを決めた。

 同協議会の事務局が置かれた同村産業課の太田信吾課長は「地権者への連絡が不十分だった。残念なことをした」と話す。

 抜き取り作業が行われた田んぼ周辺には、田植えを手伝った地元住民らも集まった。「せっかく植えたのに、抜かないでほしい」と納得のいかない様子の人もいた。

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