出産時の医療ミスで重度の障害を負ったとして、岩国市内の女児(8)と両親が、同市内で産婦人科医院などを経営する医療法人と担当医師に計約一億八百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、山口地裁岩国支部で三日までにあった。大島雅弘裁判官は、医療法人側の過失を認め、計約八千六百万円の支払いを命じた。
判決理由では、「過失がなければ、原告の低酸素状態の継続とこれに基づく脳障害・脳性まひの発症を回避できた」とし、障害との因果関係を認めた。
判決によると、女児の母親は一九九九年十月、妊娠中の異常出血で医院を受診。担当医師は、胎児の仮死状態の兆候を見落とし、帝王切開などの適切な処置をせず、陣痛促進剤を投与し分娩(ぶんべん)。出産後、女児は脳性まひのため重度の障害を負った。
|