疲れきった医療関係者の顔が映す「医者不足」

救急病院で実感した大問題

山口 大介(2008-07-04 11:30)
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 今年に入って付き添いも含めて、3度も救急医療にお世話になっている。1度はほぼ動けない状態になり、救急車を呼ぶことなった。その時は丁寧な処置をしていただき本当に助かった。

 このように命を救っていただけることもあり、とても心強い救急医療だが、その3回で思うところが数点あった。

 第1。救急で病院に電話をしたのだが、2回ほど、専門医がいない、担当の医師が処置で忙しいとのことで診察を断られた。東京に住んでいるため、ほかの救急病院に電話をすれば何とかなるのだが、救急病院が1つしかない地域などに住んでいたらと考えるととても怖い話である。

 第2。いざ病院に行ってみると人が多い。よって待ち時間も長い。電話をした際も受付から救急に転送されるまで時間がかかっていた。別に医師や看護師が怠けているということはない。次から次へと座ることもなく働いている。どう見ても需要と供給があってない。

 第3。最も驚いたことだが、医師、看護師、受付の方も含めて疲労がにじみ出ている。しゃべっていても覇気が感じられない。正直この方たちが診察を受けた方が良いのではないかと思ったぐらいだ。どれだけキツイ状況で働いているのだろうか?

 医者不足に関する報道を見かけることも多い。特にキツイ小児科と産婦人科は深刻のようである。通常の時間帯では混雑しているからわざと時間外に来たり、救急車をタクシーのように使ったり、といった問題も発生していると報道されている。

 要するに、悪循環である。それが余計に、キツイ労働環境を作り上げてしまっているようだ。最近は聞かなくなったが、医療ミスの事件もそういった環境から生まれているようにも思える。マクロ的にも、国の医療費の問題も含めて明るい話題は少ない。明るい話題よりも暗い話題を好んで、批判的に報道したがるマスメディアの問題もあるのだろうが、そんなキツさ、暗さを肌で感じてしまったようである。

 その疲労困憊(こんぱい)な医療関係の方を見て、子供たちはあこがれをもつのだろうか? あこがれを持たれず、労働のきつさばかりが前面に出れば、それは長期的に、医者不足に拍車をかけてしまうことに加担しているのかもしれない。

 医師は世の中になくてはならない職業である。必死に働いている人も多いにも関わらず、こんな状況を生み出しているのは、正直気の毒に思った。人材不足なんて、どんな仕事をしていても思うことだと思うが、少しでも人材が集まりやすいような魅力的な仕事になって欲しいと願う。

 その前にお医者さんに迷惑をかけないよう、少しでも健康に気を使わなければと思った。

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