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抗菌剤ウナギ、魚秀の親会社が輸入 昨年も検出

2008年7月4日

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 産地偽装された中国産ウナギのかば焼きから使用が禁止されている合成抗菌剤「マラカイトグリーン」が検出された問題で、このかば焼きは、ウナギ輸入販売会社「魚秀(うおひで)」(大阪市)の親会社にあたる水産物卸売会社「徳島魚市場」(徳島市)が輸入していたことがわかった。同社は1年前にも、出荷したかば焼きから抗菌剤が生体内で代謝してできる物質が見つかっており、安全対策を講じていなかった疑いが出てきた。

 農林水産省の調べなどによると、偽装されたかば焼きは徳島魚市場が中国から輸入し、魚秀が購入。高松市内で愛知県の「三河一色産」と偽装され、3〜4月に約256トンが水産卸売会社「神港魚類」(神戸市)に出荷された。3日、同社の自主検査で、回収された一部の商品から抗菌剤が検出されたことが明らかになった。

 また、徳島魚市場は昨年7月、出荷したかば焼きから抗菌剤の代謝物が検出したことから徳島保健所に販売自粛を指導された。このかば焼きは昨年2月、約20トンが検疫を通過し、魚秀を通じて関東を中心に販売された。徳島魚市場は、昨年7〜9月末に約4トンを自主回収。10月末に焼却処分するとしていたが、県が先月26日に立ち入り調査したところ、倉庫内に置かれたままだった。吉本隆一社長は「県が立ち会いの上で、処分するように言われていたので、県の指示を待っていた。回収したウナギは再出荷していない」という。

 関係者によると、魚秀の中谷彰宏社長が、偽装が発覚した先月25日まで徳島魚市場の商事課長も兼任しており、両社のかば焼きの仕入れや販売を任されていた。中谷社長は昨年7月、徳島県の聞き取り調査に対し、抗菌剤の検出について「中国で契約している養殖池にほかの池から水が流れこんだか、中国の加工業者がこちらの指定したウナギ以外を使った可能性がある」と報告したという。

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