【北京・浦松丈二】3日の新華社通信によると、中国共産党でチベットを担当する統一戦線工作部トップの杜青林部長は北京で、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世側近で外交担当のロディ・ギャリ氏らと会談。ダライ・ラマに北京五輪の妨害・破壊活動を支持せず、急進独立派の青年組織「チベット青年会議」の暴力を取り締まるよう要求した。
杜部長はダライ・ラマ本人とチベット青年会議を区別しており、ダライ・ラマの再評価に含みを持たせている模様だ。これまで中国当局はダライ・ラマを「祖国分裂主義者」と非難してきたが、国内には「穏健派のダライ・ラマと急進派を分けて考えるべきだ」という意見がある。
一方、北京で1、2の両日開かれたダライ・ラマ側と中国側の非公式協議で、朱維群・統一戦線工作部副部長ら中国側は「ダライ・ラマ側が前向きな態度をみせれば、年末までに次回協議を開くことができる」と表明した。
毎日新聞 2008年7月3日 20時33分