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エビ養殖詐欺、多額の現金も集める 管理パソコンは破壊

2008年7月4日7時51分

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 ワールドオーシャンファーム(WOF)のエビ養殖投資詐欺事件で、同社が銀行口座の入金分約849億円のほかに、出資者に持ち込ませる形でも多額の現金を集めていたことが警視庁などの合同捜査本部の調べでわかった。入金を記録したパソコンを壊すなど証拠隠滅工作をしていたという。

 WOF会長の黒岩勇容疑者(59)や関連会社などの名義も含む計9口座には、約3万5千人から848億5404万円が振り込まれていたことが調べで確認された。

 WOFは「代理店」の名称で出資者をピラミッド型にランク付けし、上位により高率の紹介料が入る仕組みの組織を構築。多数のネットワーカーと呼ばれる多額出資者は勧誘した出資者からの金を、口座振り込みではなく現金で東京都台東区のビル内の本社や各地の支社に持参することが多かったという。摘発を逃れる意図もあったとみられる。

 調べでは、同社は口座の出入金だけでなく、持参の現金についても本社のパソコンで管理。しかし、警視庁が昨年7月31日に捜索に入った際には、パソコンはハンマーのようなもので壊されたり撤去されたりしていたという。

 一方、振り込まれた848億5404万円について分析したところ、約744億円は出資者側に戻されていた。内訳は元本約429億円、配当や紹介料など約315億円。返還されていない元本は約419億円となり、これが実質的な被害額という。

 集金額と出資者への返還分の差額、100億円超が使途不明にあたる。黒岩容疑者は旅券法違反の公判で「米国やフィリピンで約90億円の投資活動をした」「香港の投資ファンドに約26億円を送った」と述べている。

 捜査本部は、こうした海外への送金や現金隠しは犯罪収益隠匿に該当する疑いもあるとみて捜査を進める。

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