2008年07月03日
めっきり その２
さびしさのあまり、情けない泣き言のブログを書いたものである。反省している。
しかし、そのような中、友希さん、おつるさん、そして、Ｐａｓさんから温かいコメントを頂くことができた。本当にありがとうございます。
ところで、みなさんは、「スチュワーデス殺人事件」をご存じなかったのですね。「２ちゃんねる」さんの掲示板でも触れられていたけれど……。
結局、この事件を知った信徒の多くは教会を離れ、知っている人は教会に近づかなかった。そして、何も知らない信徒だけが残ったということなのであろうか？
昭和３４年に起きた事件であるから「風化」してしまうのも仕方のないことかもしれない。
しかし、松本サリン事件、坂本弁護士拉致殺人事件、地下鉄サリン事件などオウム真理教が起こした事件については、みなさんの記憶にまだ残っているはずである。
教祖である「麻原彰晃」こと松本智津夫をはじめ、幹部や多くの信者に死刑などの厳しい判決が下されている。
一方、「スチュワーデス殺人事件」については、一人の逮捕者も出していない。しかも、容疑者として取り調べを受けていたドン・ボスコ社副社長を務める神父は「死刑」どころか、逮捕されることもなく、本国に出国しているのである。
そして、この事件を通して、カトリックにとって致命的であったのは、次のような事実である。
「この事件は、容疑者が外国人であることと、カソリックの神父であったことが厚い壁となった。カソリック団体から「神父が罪を犯すはずがない」として猛烈な圧力を捜査当局にかけたり、またカソリックの信者である某高官から「取り調べに手心を加えるよう」に申し入れがあったと言われている。まさに厚い壁と圧力がかかった事件であった。」（http://gonta13.at.infoseek.co.jp/newpage28.htm）
実際、ひとりの女性信徒が殺害されたのである。そして、その容疑者として、外国人神父が挙がった。そのような中、カトリックでは、殺された信徒の苦しみや悔しさに思いをはせるのではなく、容疑者逃亡に手を貸してしまったのである。
これは、「一人の破戒神父の犯罪」に止まらず、カトリックの「犯罪的行為」である。我々カトリック信徒としては決して忘れてはならない一つの、そして、大きな汚点である。
一昨年、我が教会では有志を募って「東京大司教区３教会バス巡礼」を企画した。このとき訪問した教会が、カトリック神田教会、カトリック高輪教会、そして、カトリック碑文谷教会である。
当時の巡礼パンフレットを拝見すると、カトリック碑文谷教会は、次のように説明されている。
「カトリック碑文谷教会・通称サレジオ教会堂は、江戸のサンタ・マリア聖堂と呼ばれている。
この聖堂は、１９４７年（昭和２２年）に目黒碑文谷に創設されたサレジオ修道会によって、１９５４年（昭和２９年）５月２２日に落成。当時ヴァチカン大使であったマクシミリアノ・デ・フルステンベルク大司教の手によって荘厳な献堂式が挙行された。
江戸のサンタ・マリア聖堂の名前の由来は、１７１５年（正徳５年）布教のために来日されていたイタリア人宣教師シドッチ師がキリシタン屋敷で死去され、そのとき師が所持されていたドルチ作の悲しみの聖母をしのび、江戸のサンタ・マリア聖堂と名称された。現在はこの聖堂を創設した修道会サレジオ会の名前からサレジオ教会として親しまれている。
建築様式はロマネスク式で、奥行き４７ｍ、幅１６ｍ、高さ２３ｍ、塔の高さ３６。美しいステンドグラスと壁画、そしてパイプオルガンの音。荘厳ですばらしい所です。」
そして、「おまけ」として、
「碑文谷教会で結婚式を挙げた有名人
松田聖子・神田正輝、古田敦也（プロ野球）・中井美穂、三浦和良（Ｊリーグ）・設楽りさ子」
とあり、つづく「おまけ２」では、次のように「スチュワーデス殺人事件」に触れている。
「当該サレジオ修道院は、松本清張が『黒い福音』−「救援物資の横流し、麻薬の密輸から殺人事件まで、“神の名”のもとに行われた恐るべき犯罪の数々。日本の国際的な立場が弱かったために、事件の核心に迫りながらキリスト教団の閉鎖的権威主義に屈せざるを得なかった警視庁−。現実に起こった外人神父による日本人スチュワーデス殺人事件の顛末に強い疑問と怒りをいだいた著者が綿密な調査を重ね、推理と解決を提示した問題作。」の素材とした「スチュワーデス怪死事件」の舞台。１９５９年（昭和３４年）の事件であり、作家松本清張はこの「スチュワーデス怪死事件」を国際的に立場がきわめて弱かった警視庁がベルギー人神父を逃がしてしまったこととカトリック教会が進んで疑惑を晴らそうとしない閉鎖権威主義という２つの点をテーマとした。」
この巡礼用パンフレットは非常にきれいに仕上がり、多くの参加者が喜んで手にしたものである。
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この記事へのコメント
（正）ダルクマン神父は三年前に帰天
の間違いですね。訂正します。繰り返しになりますが「間違えてはいけないのは、この事件において実際にベルメルシュ・ルイズが犯人であったかどうかは分かっていない」のです。ある人々は犯人と推理し、当時の教会は潔白だと判断したのです。「ベルメルシュを犯人に違いないなどと言ったり、《サレジオ教会》がこの組織的に事件に関与していると言ったりするのは、本来なら名誉毀損に当たる」のですが、松本清張氏は言論人としての自己責任で自身の推理に基づき、あえて『黒い福音』を発表しました。しかし教会は松本清張氏とは別の結論を出しました。当時大きく報道されたので高齢の信徒の方々はたぶん皆ご存知の話でしょうが、あえて口にしないその心情をお察しください。
物的証拠はなし、アリバイ有りで、状況証拠も甘いし、結局、悪い癖の長時間の取調べによる自白に持っていこうとした感が強いような…
アリバイについては、偽証してはならないを守っているであろう他の聖職者を信じ得るかどうか。
被害者の方とご遺族には気の毒なんだけど、今となっては神のみぞ知る。裁きは神にとしか…
現在サレジオ会が、多くの良い実を結んでいるところを見れば、私的には信じたいけど。
もし、釈然としないなら、やはり、今の管区長か溝部司教様に尋ねては？
おそらく、不適切な関係については、修道会で何らかの処分を受けていると思うけど。