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日雇い派遣を原則禁止 臨時国会に改正案 与党合意

2008年7月2日3時1分

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 自民、公明両党の「新雇用対策に関するプロジェクトチーム(PT)」(座長・川崎二郎・元厚生労働相)は1日、日雇い派遣を原則的に禁止する案をまとめた。与党案をもとに厚労省が労働者派遣法改正案を秋の臨時国会に提出する。86年に労働者派遣法が施行されて以来、規制緩和の流れが続いてきた派遣制度は、規制強化に向けて転換点を迎える。

 この日のPTの幹部会合で、(1)日雇い派遣については、通訳など専門性の高い業務を除いて原則的に禁止(2)派遣会社に手数料(マージン)の開示を義務化(3)特定企業だけに労働者を派遣する「専ら派遣」についての規制強化、などについて合意した。この合意をもとに、与党案を正式決定する。

 派遣の中でも特に雇用が不安定で、「ワーキングプア」(働く貧困層)の温床との指摘が多い日雇い派遣については、全面的に禁止すれば雇用機会が減る可能性があるため、具体的な例外対象業務は、厚労省の研究会の論議や経済界の意向をふまえて決めるよう求める。与党には「例外として認める業務は、専門性が高く、現在、派遣期間の制限がない26業務よりも限定すべきだ」との意向が強く、研究会でも例外対象は限定的になる公算が大きい。

 また、「低賃金の原因」と指摘される、派遣会社が手にする手数料(マージン)については上限設定の導入は見送るが、開示を義務づける。

 本来、正社員などで雇うべき人を不安定な派遣労働者として働かせるおそれがあるとして禁止されている「専ら派遣」については、企業グループ内での派遣事業について規制を強める。

 労働者派遣は86年の制度発足当初は通訳など専門性の高い業務に限られていたが、99年に対象業務が原則自由化され、04年には製造業派遣も認められるなど、一貫して規制緩和が続いてきた。

 格差問題への批判などを受け、厚労省は今春の派遣法改正をめざし、労働政策審議会の部会で改正案を論議したが、日雇い派遣の是非をめぐり労使の溝が埋まらず、07年12月に議論は中断した。

 しかし野党だけでなく、与党の公明党からも日雇い派遣の原則禁止を求める声が高まり、自民、公明両党は今春、PTをつくって派遣法改正の検討を始めていた。

 舛添厚労相は6月13日、日雇い派遣の原則禁止を視野に、08年秋の臨時国会での法改正をめざす意向を表明。福田首相も6月23日、「日雇い派遣の問題など、派遣労働者を守る制度が空洞化することのないよう、法改正を含めしっかりとした対策を講じていく」と述べ、舛添厚労相に早急な対策強化を指示していた。(小室浩幸、高橋福子)

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