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更新:2月19日 17:58デジタル家電&エンタメ:最新ニュース

「苦渋の決断」・東芝の西田社長、HD−DVD撤退を発表

 東芝の西田厚聡社長は19日、東京・港の本社で会見し、新世代DVD規格「HD−DVD」に対応する商品の新規開発および生産を停止すると発表した。新世代DVDではソニーや松下電器産業が推進する規格「ブルーレイ・ディスク(BD)」と競合していたが、米映画会社のワーナーブラザーズが年初にブルーレイ支持に回ったことが決定打となり撤退に追い込まれた。撤退に伴う業績への影響はまだ確定していないという。フラッシュメモリーの新工場建設も併せて発表、競争力のある分野への投資を集中させていく。

 東芝はHD−DVD対応のプレーヤーやレコーダーの開発と生産を停止し、3月末までに機器の出荷を停止する。パソコンやゲーム向けのHD−DVDドライブについても量産を停止する。HD−DVD機器の購入者へのサポートは、コールセンターの維持や修理用部品の8年間保有などで対応する。記録用のHD−DVDディスクについても利用者が入手できるように、ディスクメーカーと協議するという。

 西田社長は会見で「ワーナーブラザーズが方針変更したことで環境が大きく変化した。技術面の優位性は変わってないが、市場環境を直視して考えた。苦渋の決断ではあるが、これ以上継続すると市場や消費者に大きな影響を残してしまう」と撤退の理由について話した。

 フラッシュメモリー新工場は岩手県北上市と三重県四日市市の2カ所に建設する。今春に着工し、2010年の竣工を計画している。

 会見での主な一問一答は以下の通り。

――HD−DVDの機器は何台売れたのか。

 国内ではプレーヤーを約1万台、レコーダーを約2万台販売した。全世界ではプレーヤーが70万台で、うち米国が60万台、欧州が10万台。マイクロソフトのゲーム機向けの外付けドライブについては正確にはつかんでないが30万台ぐらいだと推測している。

 HD−DVDドライブ搭載のパソコンは国内では約2万台、世界では約30万台販売している。内訳は北米が14万台、欧州が13万台だ。ドライブそのものとしては200万台販売した。

――ディスクの製造をメーカーと協議していくということだが。

 ディスクメーカーとの協議を続けていく。協議した結果、将来的に手に入らないという可能性がある場合は、東芝が将来分を見越してメーカーから買い取り、ウェブのオンラインのルートで販売することなどを検討していく。

――HD−DVDのみを支持した映画スタジオの反応は。

 ユニバーサルやパラマウントには説明をしたが、今後どうするかはわれわれがコメントする立場にない。

――撤退によってHD−DVDを支持していた映画会社が不利益をこうむる。

 HD−DVDはワーナーなどの映画会社の意見を入れて、規格を作り上げた。ブルーレイを策定したときに、映画会社はその規格作りに参加してなかった。自分たちが入って、作り上げたものを方針変更した。メーカー側がすべてを保証するのはできないだろう。

――ワーナーとの契約は昨年末までだったという話がある。油断があったのか。

 油断といえば油断かもしれない。契約関係は昨年末までではなくもう少し長かった。契約が切れる前にああいうことになった。

――今後ブルーレイを手がける予定はあるか。

 現時点で、ブルーレイをベースにしたプレーヤーやレコーダーを開発する計画はまったくない。

――技術者を含めた社員の処遇はどうするのか。

 HD−DVDに関わっていた技術者がたくさんいる。高い技術力を持っているので今後の映像事業で活用していきたい。

――撤退によって米国市場の消費者からの訴訟リスクはないのか。

 米国は訴訟社会で訴訟のリスクは常にある。ハードを販売してきたが、ソフトは映画会社であり、全部の責任を持って商品を提供してきたわけではない。リスクは比較的低いのではないか。

[2008年2月19日/IT PLUS]

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