ホントにお札の肖像で成人と認められるのか? たばこ自販機に成人識別機能を備えることが法律で義務付けられた7月1日、サンケイスポーツ取材班が都内で実験した。まずは1万円札でトライ。福沢諭吉さんの肖像を自販機の鏡にかざすと成人識別されて購入OKの表示が出た。1000円札の野口英世さんでも同じ結果。そのまま札を自販機に入れればたばこが買えた。
顔認証型は購入者の顔のしわやたるみなどで成人識別する。取材班は先月、雑誌の顔写真が成人識別されることを大阪市内で実験確認済みだ。
今回の実験結果に、財務省のたばこ塩事業室は「初めて聞いた。事実なら大問題だと思う」と声のトーンを変えてビックリ。早速、開発したフジタカ(京都府長岡京市)に伝えたところ「その問題を含め顔写真対策はすでに講じてある」との報告を受けたという。
サンケイスポーツもフジタカに対し自販機での事実確認を求めると、同社は「確認していないが、開発済みの新バージョンなら写真、ポスターは100%排除するので大丈夫です。お札も同様」と自信の弁。全国で約4800台が稼働しているが「あとはバージョンアップさせるだけ」と既に一部地域で着手していると強調した。
財務省は顔認証型を成人識別装置付き自販機としてまだ認めておらず、4800台はいわば“テスト”期間中のようなもの。「これらの問題点がクリアできなければ認められない。メーカーとしても取り組んでもらうのは当然」としている。