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こども病院どこへ:福岡市説明会を前に/3 利便性 /福岡

 ◇道路整備、バス増便……交通対策はこれから

 「1分1秒を争う患者搬送に時間がかかる」「3本の橋でしか結ばれていない人工島で大地震が起きたらどうなるのか。液状化現象も発生するのではないか」--。東区のアイランドシティ(人工島)へのこども病院移転に反対する患者の家族や市民団体が最も問題視する点だ。

 福岡市はこうした声にどう応えるのか。まず交通アクセス。市は昨年12月の検証・検討報告書に自動車専用道路の導入検討を盛り込んだ。現在の都市高速道路1号線香椎浜ランプ付近から人工島までの約2キロを結ぶ構想。「市としては早くお願いしたいが、国や県との協議が必要」(住宅都市局)であり、事業手法や完成時期など課題は多い。

 夏の行楽シーズンなどに人工島の北側の雁ノ巣レクリエーションセンター前交差点を先頭に、人工島から香椎まで3~4キロの渋滞になる。市は今年度から交差点の改良と、海の中道大橋を含む2・3キロを2車線から4車線にする検討を始めた。

 さらにバスの増便に向け西鉄との協議を進める。今年3月のダイヤ改正で、天神・博多方面と人工島を結ぶバス路線が13便増え、往復150便になった。さらに増便を目指すと共に東区の千早駅からのシャトル便についても検討するという。鉄道敷設は、地下鉄と西鉄貝塚線との直通運転化など課題が多く、事業化のめどは立っていない。

 次に地震対策。人工島の3本の橋について市は「阪神大震災規模(震度7程度)の地震を想定して96年に改訂された技術基準で設計されている」。液状化現象も「粒子が細かい粘土などを用い、水分を抜き取る地盤改良をしており、3年前の県西方沖地震でも地盤改良をした分譲地では液状化現象は起きなかった」と説明する。市側は「人工島が影響を受ければ、市中心部は軒並み大被害が出るだろう」と予測する。

 交通アクセス向上に向けた対策はまだ緒についたばかり。市民の理解を得られるかどうかは定かではない。

〔福岡都市圏版〕

毎日新聞 2008年6月30日 地方版

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