4次元エコウォッチング(安井至) メーカーの「省エネ」情報は正しいか(08/07/02)
ここまで地球温暖化がメディアに取り上げられるようになって、家庭やオフィスにおける温室効果ガスの排出がさっぱり減らないことが問題にされると、個人のエコ意識を変え、エコ行動、特に省エネを「おすすめする記事」が増えてくる。企業も省エネを売り物にして自社製品の売上拡大を狙っている。はたして省エネに関する記述はどのぐらい正確なのか。検証してみたい。 ■粗大ゴミと二酸化炭素ゴミ、どちらが「もったいない」?
6月28日付の日本経済新聞夕刊で特定非営利活動法人気候ネットワーク(京都市)の平田仁子東京事務所所長が解説している記事「省エネラベル 上手に活用・家電選び、環境に優しく」である。 内容を要約すると以下のようなものである。
こんな趣旨の説明であった。たしかに、その通り。冷蔵庫、エアコンはそうかもしれない。したがって、10年前の機種なら買い替えることが温暖化防止には効果的だということになる。 平田さんは、以下のように述べている。
この最後のところは議論があるところである。筆者も、家電リサイクル法が運用される以前は、全く同じ意見だった。最近、家電リサイクルによるリサイクル率は、こちらのページで公表されている。平成19年にはエアコンだと87%、冷蔵庫だと73%である。以前と異なり、最近のリサイクル率には、熱回収分を含んでいる。しかし、それにしても、かなり高いリサイクル率である。エアコンの場合には、特にそうだが、少なくとも資源の有効活用はなされていると理解した方が良い時代になったのではないだろうか。 環境負荷と言えば、なんでも二酸化炭素排出量で評価できると考えるのは間違いではあるが、二酸化炭素も結局はゴミである。となると、普通のゴミを出すからもったいないということも一概には言えないということにならないだろうか。二酸化炭素ゴミを出すことももったいないことなのではないだろうか。 もう一つこの記事で不足していることは、現時点でもっとも重要なテレビに関する記述が無いことである。2011年にアナログ地上波が止まるため、多くのテレビは買い替えられるだろう。すなわち、省エネが極めて重要な製品である。06年以前の冷蔵庫の場合のような誤魔化しは無いのだろうか。 ※ ご意見・ご感想はこちらのリンク先からお送りください。ご氏名やメールアドレスを公表することはありません。 「4次元エコウォッチング(安井至)」最新記事
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