|
4次元エコウォッチング(安井至) メーカーの「省エネ」情報は正しいか(08/07/02)■古紙偽装、そしてトップ企業の責任 消費電力の問題は、古紙偽装のように、最初からできもしないことをできると偽ったこととは違うだろう。言い訳が全くあり得ない古紙偽装の場合でも、最新の個人HPに書いたように、比較的良心的な企業と、確信犯的に偽装をしていた企業は、さまざまな状況から区別ができるのだ。 シャープにとってみれば、量販店で売れるような製品を作っているだけで、平成18年に最終的に決まっている省エネ法が不備だからダメなのであって、広告に偽りは無いと言うだろう。 しかし、4年前の32V型を持っている人が、この広告を見て「消費電力が増えないなら大きい画面が良い」と52V型のテレビを買う場合もあるだろう。そして、結果的には、2倍程度の電気代を払うことになる。それは、この広告が偽りの情報を与えたからではないだろうか。 この程度の偽りの情報に対して、自社の広報部の態度に責任を感じるような企業は、あまりにも正直すぎるのだろうか。そんな企業は、現代の市場主義の中での争いには勝てない弱い企業なのだろうか。 2007年に国際政治の流れは変わった。温室効果ガス排出削減のために個人が努力をしなければならない、という認識を持つ人々が増えている。読売新聞の世論調査によれば、1992年1月に将来の地球環境に「大いに」不安を感じていた割合37%が、2008年6月の調査では、64%まで増えている。 シャープの広告を見て、4年前の32V型をもっている良心的な消費者が、消費電力が半分になるのなら、ということで新型の32V型を買ったとする。しかし、実は15%しか減らない製品だった。しかも、その事実すら分からないままに永遠に放置されたとしたら、その消費者は単なる愚か者ではないか。それでもシャープの広告によって裏切られたことにならないのだろうか。罪深い環境偽装の一種だと言われても、仕方のない行為なのではないか。 環境に良い商品だという主張は、完璧な性善説に則って行うべきだと思う次第である。 シャープの広告、製品について反論があるようならば、ぜひ下のリンクから意見をお送りいただきたい。 [2008年7月2日/Ecolomy] ※ ご意見・ご感想はこちらのリンク先からお送りください。ご氏名やメールアドレスを公表することはありません。 「4次元エコウォッチング(安井至)」最新記事
その他の新着コラム
|
エコ特集写真特集 |