西北五地域の自治体病院機能再編成で事業主体となるつがる西北広域連合(連合長・平山誠敏五所川原市長)は2日、五所川原市で正副広域連合長会議を開き、懸案となっていた二つのサテライト医療機関のうち、一つは公立金木病院に決定した。残る一つのサテライト医療機関として、つがる市成人病センターと鯵ケ沢中央病院をめぐり、自治体間で綱引きが続いており、今年中に決定したいとしている。しかし、つがる市と鯵ケ沢町の調整によっては、自治体病院機能再編成が白紙になる可能性もはらんでいる。
 会議は非公開で行われ案件として自治体病院機能再編計画見直しの基本方向とサテライト医療機関の設置場所の2件が出された。
 サテライト医療機関の設置場所では、中核病院の西側と北側にすることを会議で了承。しかし、出席者から病院の名称などは一切出ず、総合的に判断した結果、中核病院の北側に設置されるサテライト医療機関は金木病院しかなく、地域バランスなどから鶴田中央病院が無床診療所になるという。
 一方、中核病院の西側はつがる市成人病センターと鯵ケ沢中央病院で、二自治体がサテライト医療機関の設置を求めて、どちらも譲らず、同日の会議では、中核病院から見て、西側に設置したいとする方向性だけにとどまった。
 会議終了後、連合長の平山五所川原市長と同連合の棟方昭博顧問は「サテライトをめぐり、自治体病院機能再編成が頓挫している。サテライト(医療機関)に関しては北側一つ、西側一つに設置することで会議で了承した西側は今後設置に向けた落としどころを考えていかなければならない。せっかく今ある病院をなくするのは大変なこと。最悪の事態にならないよう、いい方向でまとめていきたい」と語った。
 今回の会議では、サテライト医療機関設置に賛成した自治体から、県が2004年に示したアクションプランにある中核病院と二つのサテライト医療機関、二つの無床診療所に対して賛意が示されておりつがる市鯵ケ沢町の調整の中で有床診療所とするなどの措置が取られた場合は、自治体病院機能再編成を白紙に戻すという意見も経営管理等検討委員会で出されている。