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低成長・物価高、韓国に迫り来る経済危機(中)

 スタグフレーションとは成長率が2期連続でマイナスを記録し、さらに物価が政府の管理目標値(現在韓国は年間3.0±0.5%)を超えた場合のことを指すとされている。この基準を適用した場合、韓国経済は現時点ではまだスタグフレーションといえる状況ではない。しかし成熟段階に入った先進諸国とは異なり、韓国の場合は成長率が2%から3%台へと落ち込み、さらにインフレ率が6%から7%の状況が続けば、スタグフレーションと規定すべきという見方もある。韓国経済研究院のハン・サンワン本部長は「現在の韓国経済はスタグフレーションの初期段階にある」との見解を示している。

 しかし韓国銀行の金在天(キム・ジェチョン)調査局長は「現在の状況が“低成長・物価高”であるのは確かだが、スタグフレーションにあるとするのは時期尚早だ」と指摘する。

 韓国経済が現時点でスタグフレーションに向かっているという見方については見解が分かれるが、スタグフレーションを警戒すべきほど深刻な状況にあるという点に関しては、専門家の見方は一致している。韓国開発研究院(KDI)の林敬黙(イム・ギョンモク)博士は「今年は内需部門の成長率が2%台にまで落ち込み、国民実質所得の増加率はマイナスとなる可能性が高い。そのため国民が肌で感じる体感景気はここ10年で最悪となるだろう」と予想した。

◆原油価格のさらなる上昇は韓国経済に致命的

 最近の急激な物価上昇の主な原因は原油価格の高騰にある。国際原油価格は今年に入ってから6カ月で40%も上昇し、韓国経済の足かせとなっている。ある研究機関では国際原油価格について、今後1年か2年で1バレル=200ドル前後にまで上昇するだろうと予想している。

 現代経済研究院の分析によると、米西部テキサス産原油を基準とした場合に現在1バレル=140ドル前後のレベルにある国際原油価格が、今後200ドル前後にまで上昇を続けた場合には、韓国の経済成長率は2.5%にまで落ち込み、インフレ率は9%にまで急激に上昇すると予測している。1970年代の石油ショックと同じレベルの衝撃を受けるということだ。

金洪秀(キム・ホンス)記者

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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