「解除」発効まで45日、日本の対北朝鮮カード狭まる
2008年6月27日(金)01:54日本政府は、米国が26日に北朝鮮のテロ支援国指定解除に着手したことを受け、指定解除が発効するまでの45日間に、北朝鮮の核計画申告の厳密な検証を進め、拉致問題で具体的な進展を図ることに全力を注ぐ方針だ。
しかし、米国が、北朝鮮に対する有力な外交カードだった「指定解除」を手放し、一段と対北融和姿勢を見せていることで、日本が取れる選択の幅は狭まっている。
町村官房長官は26日夕の記者会見で、「北朝鮮は日本の資金や技術を必要としている」と述べ、日本の経済、エネルギー支援が今後、「外交カード」として力を増すとの考えを示した。
北朝鮮の核問題を巡る6か国協議では、北朝鮮が「核放棄」を約束した2005年9月の共同声明で、協議が進展した場合、周辺国が経済協力やエネルギー支援を行うとした。しかし、最大の資金供出国となる見通しの日本は、拉致問題の進展抜きでは支援に参加しない方針を明確にしてきた。今後の対北交渉では、この点が最大の切り札となる見通しだ。
日本にとって、交渉の大きな節目は、テロ支援国の指定が解除される45日後の8月11日となる。それまでに6か国協議や日朝協議などを通じ、米国などと連携して拉致問題で具体的な進展を得たい考えだ。
ただ、日本側が再三反対してきた拉致問題の進展抜きでのテロ支援国指定解除が、今回あっさり行われたことで、日本側には「日米同盟よりも、北朝鮮との関係を優先した」(首相経験者)との不満が募る。
さらに、北朝鮮の核申告には、日本が求めてきた核兵器関連情報はなかった。
日本側は表向きは、「日米に亀裂が生じたと受け止められれば北朝鮮を利する」(外務省幹部)として冷静さを保ち、米国との連携を維持・強化する方針だ。
町村官房長官は26日夜、米国のハドリー大統領補佐官(国家安全保障担当)と電話で会談し、指定解除の着手について、「決められたコースに沿ったものとはいえ、日本国民はショックを受けている。そこに留意して北朝鮮の核や拉致の問題に対処してもらいたい」と求めた。ハドリー氏は「ブッシュ大統領が(米国時間26日朝に)記者会見したのは、主に日本国民に向かって日米が連携することを訴えたかったからだ」と強調したという。
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北朝鮮の核問題 外務省
- 北朝鮮による日本人拉致問題 政府拉致問題対策本部
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