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【北朝鮮問題】

北、拉致再調査を約束 よど号犯引き渡しに協力

2008年6月14日

外務省の説明を受け、厳しい表情で会見する拉致被害者家族会の飯塚繁雄さん(左)ら=13日夜、東京都港区芝の友愛会館で(梅津忠之撮影)

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 政府は13日午後、北京で行われた日朝実務者協議で、北朝鮮が安否不明の日本人拉致被害者の再調査を約束し、1970年の日航機「よど号」乗っ取り犯関係者の引き渡しにも協力することを表明したと発表した。北朝鮮が「『拉致』は解決済み」としてきた立場を転換したと、政府は評価。この見返りとして対北朝鮮経済制裁の一部解除を決めた。

 会見で町村信孝官房長官は「北朝鮮は拉致問題の解決に向けた具体的行動を取るための再調査の実施を約束した」と述べ、協議結果を「一定の前進」と評価した。6カ国協議で決まった北朝鮮へのエネルギー支援には「直ちに参加する環境が整ったと言えるほどの進展ではない」と述べた。

 拉致事件の再調査に日本側が加わるかどうかなど具体的方法は両国間で協議する。ただ、町村氏は「再調査は生存者を帰国させるために必要であり、(北朝鮮も)認めた」と指摘した。

 解除される制裁措置については(1)貨客船「万景峰(マンギョンボン)92」を含め、人道支援物資の積み込みに限って北朝鮮船舶の入港を認める(2)北朝鮮の国籍を持つ者の入国など人的往来を認める(3)チャーター便の乗り入れを認める−を挙げた。

 政府が引き渡しを北朝鮮に要求しているのは、よど号実行犯の魚本(旧姓安部)公博(60)、小西隆裕(63)、赤木志郎(60)、若林盛亮(61)の4容疑者に加え、故田宮高麿・元赤軍派幹部の妻森順子容疑者(55)、若林容疑者の妻佐喜子容疑者(53)の計6人。警察庁は魚本、森、若林佐喜子の3容疑者を拉致事件の実行犯として国際手配している。政府は引き渡しの方法を北朝鮮と詰める。

 

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