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【明解要解】ロシアで日本ブーム、なぜ? 経済好転での消費社会到来が要因 (1/2ページ)
高度経済成長を遂げるロシアに空前の日本ブームが訪れている。2000年ごろから始まった「メード・イン・ジャパン」への人気は、日本車とすしが牽引(けんいん)役となっているが、最近ではアニメゲーム、映画、インテリア、美容などの分野にも広がりを見せている。なぜ、ロシアで「日本」が受けるのか。(外信部 佐々木正明)
6月に開催された第30回モスクワ国際映画祭で特別功労賞を受賞した北野武監督(61)。初の訪露となったが、現地での盛大なもてなしぶりに思わずこんな感想をもらした。
「巨匠扱いで困ったよ。日本でもこれくらい人気があるといいのに…」
ロシアでは北野作品への熱狂的なファンが多く、昨年、松下電器がその知名度に目をつけ、同国限定のCMモデルに採用。クレムリン近くにお目見えした長さ400メートルの巨大“タケシ”広告は近年の日本人気を象徴する存在となった。
大都市では、日本風の店構えをしたレストランの出店ラッシュが続く。店は高級感が漂う凝った内装で、すしや刺し身、焼き鳥が人気メニューだ。カリフォルニア巻きやカプチーノなどもあり、店の由来が欧米経由であることがわかる。
健康志向の高まりで、長寿国・日本から来た梅酒は女性を中心に大人気。資生堂の美容化粧品はブランド力があり、贈り物として喜ばれる。富裕層は畳や掛け軸を取り寄せて家に和室をつくり、最近では別荘に日本風のお風呂を作る人たちのために、ひのき造りの浴槽や風呂おけを取り扱う業者も現れた。