一昨日の午後、福井県美浜町で防災行政無線から緊急放送が流れた。「ミサイルが着弾する恐れがあります」と言うのだから町民は驚いた 美浜町は若狭湾に面して原発三基を抱え、北朝鮮工作員の遺体と船が漂着したこともある。ミサイルやテロという言葉には敏感な土地柄で、折しも洞爺湖サミットが目前。原発関係者の驚きは大きかったろう 消防庁が人工衛星経由で各自治体に地震や津波などの災害情報のほかにミサイルやゲリラの攻撃を直接伝える「全国瞬時警報システム」と呼ばれる最新装置である。これを町の職員が誤って流したのだった。実は今年の春にも岐阜県の町で同様のミスがおきている 同システムを備えているのは石川、富山両県では上市町だけ。両県庁には受信装置があるが、住民に伝える機能はない。高額のため自治体の導入が足踏み状態の中、美浜町は先行導入していたのである 同じミスが続くと、せっかくの最新装置がオオカミ少年になってしまう。いたずらに危機感をあおるわけではない。どの地方も世界情勢と無縁ではないとの「警報」だったと受けとめておこう。
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