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【コラム】主客が逆転した日本社会(上)

 米国人であれ韓国人であれ、日本に来て驚くのは高速道路の通行料だろう。路面に大理石を敷き詰めているわけでもないのに、ソウルから釜山までに相当する距離を走ると8万ウォン(約8100円)もかかる。2年前、事情を知らずに東京から北海道まで車で行ったところ、100万ウォン(約10万1000円)を超える通行料を支払う羽目になり、後悔している。飛行機で北海道へ移動し、道内はレンタカーで移動するようにした方がむしろ経済的だった。

 日本の高速道路の通行料がべらぼうに高いのはよく分かっていたが、なぜ高いのかについては知らなかった。ただ、「道路を建設するのに必要な土地の値段が高いからでは」と思っていた。

 だが、少し前、日本道路公団(2005年民営化)が02年に公開した資料を見て、新たな事実が分かった。日本で韓国の京釜高速道路に相当する「産業の動脈」の役割を果たしているのは、東京と名古屋を結ぶ東名高速道路だ。東京と大阪を最短距離で結ぶ道路であるため、東京の人たちがよく利用する高速道路だが、公団の資料によると、かなり前に利用者から徴収した通行料ですでに建設費の償還を終えているというのだ。

 日本は高速道路を、税金ではなく借金で造っている。その借金を通行料で全額返済するのだ。このため、税金が投入される韓国に比べ通行料は高いものの、建設費の償還が終われば無料で開放するというのが基本原則となっている。

 その原則に従えば、東名高速道路はとっくに無料開放されるか、通行料が韓国並みに値下げされていなければならない。通行料の収入が建設費の3倍を上回っているからだ。だが、それにもかかわらず、高い通行料を徴収している。これでは元金の3倍以上の利息を払っても、まだ返済を要求してくる「高利貸し業者」と変わらない。

東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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