ずっと作曲やレコーディング、それに週末のDJなんかがあって、眠る時間がメチャクチャになって、しばらく慢性的な睡眠不足になっていたのですが、ゆうべは早寝して、きょうはうまく朝早く起きることが出来ました。ミルクティーを淹れて、先月、福岡で買ったリヴィングストン・テイラーのファースト・アルバムを聴いていたら、とても気分が良い。とても音楽が響く、朝のひととき。いかにもブログ、って感じの文章だにゃ。

シンガー・ソングライターのレコードをよく聴いていたのは中学生から高校生にかけて。レコードを集める、ということの楽しみを教えてくれた音楽。そして何より、もしかしたら自分も人前で演奏してみたり、歌を作ってみたりすることが出来るかもしれない、と、ホンの少し、夢を見せてくれた音楽でもありました。

まあ、世界中にそんなことを考えた若者はたくさんいて。比較的、低予算でアルバムを作ることが出来る、ライヴも気軽に行うことの出来る、ということもあって、メイジャーのレコード・カンパニーもまた、この音楽トレンドには飛びつきました。

何といってもスター、というか、この音楽ブームの立役者はジェイムズ・テイラー。この人の兄弟は、兄のアレックス・テイラーも、妹のケイト・テイラーも、いちばん下の弟のリヴィングストン・テイラーもレコーディング・アーティストとしてデビューしました。いま考えると驚くべきおハナシですが、みんな、どれもそれぞれに悪くないレコードなのが、もっと驚くべきこと、なのかも。

そしてジェイムズ・テイラーはフライング・マシーン、という売れなかったバンド出身でしたから、60年代後半の、ビートルズに刺激を受けてバンド・デビューしたようなミュージシャンたちも、ソロ・アーティストとなって、このムーブメントに参入してきました。

あらゆる全ての音楽の流行がそうであるように、たくさんの似たようなレコードが出て、やがてブームは終わる。その中で、ひと握りの才能あるミュージシャンが世に出たり、何枚か素晴らしいアルバムが残されたりするとしたら、そんな流行にも意義があります。いっぽうレコードを1枚か2枚、つまり契約枚数分だけリリースして活動を辞めてしまう、消えてしまう音楽家も、たくさんいる。オレはむかしロック・ミュージシャンだった。わたしは子供の頃、アイドルでした。ぼくはシンガー・ソングライターだった。成功したミュージシャンの自伝、伝記も大好きですけど、うまくいかなかった人の話ばかり集めたインタヴューの本があってもいい、と思います。ぼくは読んでみたい。

さてと。本日の「レコード手帖。」は福岡から、K-POP番長まつもとたくおさんのご寄稿。ウッス。今回もオカシナお話で最高っス。さて、執筆者の皆様。。

ビーチェさん、アルバムのプロモーションで忙しそうです。彼女も、レコード会社のスタッフの方々も。

申し訳ないが気分がいい。という、タイトルの歌があったっけ。では、きょうも。

(小西康陽)