婦日の寝不足日記

僕の身の回りでは毎日のようにテレビドラマさながらの出来事が起きます。
その全てを記す事はもちろん出来ませんが、どうしても漏れ出してしまう僕の心の声を聞いて下さい。
僕には語りたいことがあまりにもたくさんあるのです。

                              
2008年07月01日
ヘリコプターの燃費とか
 昨夜は夜中に呼ばれる事も無くきちんと朝まで眠れた。運動不足で仕事によるストレス疲ればかりが貯まっているから、気持ち良い熟睡感が得れたというほどではないが、まあぐっすり眠れたから文句は無い。
 今日も一日中の外来と、その合間に入ってくる各種処置、小手術で忙しい。とはいえこれも何時もの事だと言えば其の通りだ。

 さて今日からまたガソリンの値段が上がるらしい。ここの所月初めのニュースは全てガソリンの値段から始まっている気がするが、それほどガソリンの値段というのは生活に直結しているのだろう。
 一方ガソリン値上げのお陰で車の交通量は減少しているという話も聞く。二酸化炭素排出削減にはガソリンの値上げは役立っているに違いない。かく言う僕もそれなりにエコドライブを心がけ、更に一層のガソリンを節約しないといけないと思っている。

 なお僕の家にはFFのイプサムと4WDで軽のテリオスキッドという車がある。イプサムの方が排気量3倍あるのだが、どういう訳か燃費はイプサムの方がちょっと良い。この差は高速道路を走ると更にはっきりと出る。たまたまイプサムのエンジンの出来が良かったような気もするが、4駆というのはパワーはあっても環境にはあまり優しくないに違いない。

 さてさてここまで書いて、ふとヘリコプターの燃費が気になった。というのは僕はたまに高山から都市部病院まで母体搬送を依頼する事がある。時にその移送手段が問題になるのだ。
 前にも書いたが妊婦さん搬送の場合、その移送手段はヘリコプターよりも救急車の方が色々な意味で優れている。

 手配の時間、乗り降りの手間、ヘリポートから病院窓口までの移動、高度による気圧変化、揺れ、音、更には移動途中で何かあった場合の妊婦さんの不安感など、総合的に考慮すると、ヘリの飛べない夜間や悪天時を除いたとしても、ほとんどのケースで救急車の方がヘリより望ましい。

 しかし県としてはせっかくのヘリコプターをもっと利用してもらいたいという思惑もあるらしい。高価なヘリだ。もしもの災害時や山岳遭難以外にも、普段から出動機会があった方が良いのだろう。台数の足りない救急車を地域に確保しておくという意味もある。

 そこでヘリの燃費がどんなものだか、ちょっとネットで調べてみた。なお県の防災ヘリがレギュラーガソリンで動いている訳は無いだろうが、おそらく似たような燃料で動いているものとは思われる。
 調べたらやはり想像に違わず、車と比べ約10倍強の燃費がかかるらしい。つまり高山から岐阜までヘリコプターを1往復させる燃料があれば、救急車を10往復させる事が出来るのだ。もちろん排出CO2の量も10倍(多分それ以上)という事なのだろう。

 僕は山に行く時に何時も車を使う。時には富士山とか新潟県の県境とか遠くまで走る事もある。しかしそれを補ってあまりある二酸化炭素の排出を、ヘリでなく救急車を選択することで節約できるのだ。先日僕は岐阜までの母体搬送をヘリでなく救急車でお願いしたのだが、其の判断は正しかったとますます確信を強めた。
 そして環境の為にも山岳で遭難しないよう気をつけなければならないと、更に肝に命じるのでした。

昨夜のGSでは、少しでも安いガソリンに行列が出来ていました
 
2008年06月30日
子供のサッカー、大人のサッカー
 昨夜は飲み会にも行かず、計画的に睡眠時間も確保できた。今日も様々な事がある外来と急患、どんなに減らしても必ず入る手術で大忙しだ。とはいえ寝不足感は無いから何とかこなす事はできる。

 代務の先生が来てくれているとやはり計画的に生活する事ができる。昨夜は早めに寝床に入り、早朝未明に目覚ましで起きて、ユーロサッカーを子供達と共にテレビ観戦できた。
 スペイン対ドイツの試合なんて何処か遠くの異星人同士の戦いの様に思えなくもないが、それでも世界最高峰の戦いを見るのは楽しい。おそらく世界中で何億人という人が、僕の様にテレビの前に座ってサッカー観戦を楽しんだに違いない。

 さて雪の季節と猛暑の季節の合間で、雨さえ降らなければ運動にちょうど良い季節となっている。今は高山でもサッカーシーズンの真っ最中だ。
 家の子供は三人ともサッカーをしている。長男の東山中学サッカー部では来月の中体連に備え、毎週の様に大垣や富山方面に遠征に出かけている。
 次男、三男も、東小サッカーチームで、水野旗やフジパン杯など各種大会及びその他練習試合で大忙しだ。三男は更に高山選抜チームの練習も入ってくる。お陰で家は日々サッカー漬けの毎日だ。

 僕はそれほど準備や会合に参加して無いので、偉そうな事は全く言えないのだが、それでもやはり好きで無いと、これだけ毎日子供のサッカーに付き合うのは大変だと思う。
 日々自分の仕事や健康、家庭の事情を差し置いて少年サッカー運営の為に奔走する育成会役員の方々には、全く申し訳なくて足を向けて寝れない様な思いだ。

 親さんの負担をできるだけ減らすには、子供達に自主的に練習や試合の準備をしてもらわなければならないと思う。
 とはいえ夜間の送り迎えや設営業務などは、どうしても親さんがしないといけない。ゴールポストの準備やライン引きなども、子供に任せるとかえって時間がかるし、大会の時などは特にどうしても大人がやらないと上手く出来なかったりする。
 子供達で何でもできるよう教育するのが大事なのだろうが、教育に手間をかけるのならば、とっとこ親さん同士で各種準備をしてしまった方が早いとなるのだ。

 長男にも昼食のおにぎりくらい自分で作って練習に行けと言いたい所だが、まずおにぎりの握り方を教えるのが面倒だったりする。
 下手に任せるととんでもない変なお握りを作りそうだ。
 だからついついコンビニのお握りを買って済ませろという話になる。育児教育というのは全く難しい。親の価値観が常に問われている。
 選抜チームの監督の好きな言葉は「サッカーは子供を大人にして、大人を紳士にする」というものらしいが、多分子供が大人になるよりも、大人が紳士になる方がずっと難しいに違いないと思えたりもする。
2008年06月29日
霜降りにはならないように
 昨晩は飛騨古川の産婦人科K先生の開院2周年の会に招待され、古川のステーキレストランまで出かけてきた。
 高山にいる5人の産科医のうち3人も珍しく古川に集まる。あまり無い機会なのでこの時とばかりに各種情報交換に励んだ。

 なおK先生は親の跡の産婦人科医院を継ぎ、2年前に東京から故郷の古川まで出てきてくれた方だ。ただ残念な事にK医院では分娩は取り扱って無い。
 まだ身体は動きそうな年齢なので、なぜ分娩はやらないのかと以前K先生に聞いた事があるが、分娩なんて怖い事はもう勘弁してもらいたいと話されていた。流産処置の麻酔も誰か外科系の医師を頼んでかけて行うという。

 田舎で一人で開業するとなると、この感覚は全く正しいのだろう。分娩はおろか、麻酔手術までほとんど一人で数多く行う僕の方が、よほどの変わり者なのだと思う。

 さて今日は高山の少年サッカー大会水野旗杯が中山グランドで開かれた。朝起きたら土砂降りの雨だったので、大会は中止になるんじゃないかと思ったが、そこはサッカーで大雨の中でも大会は開かれ、今日も激しい試合が繰り広げられたのでした。準備係りの親さんや、監督コーチは雨の中大変な事だと思う。ご苦労様でした。
 僕は試合の時と最後のお片付けの時のみ少し顔を出し、後は様々な自分の雑用で一日を過ごさせていただく。

 試合の方は、次男三男のいる東小サッカーチーム1勝2引き分け(1PK戦負け)で、参加6チーム中4位と言うやや残念な結果に終わった。しかし東小チームは例年この時期弱く、後半で力が出てくるチームなので、こんなものかなとも思う。

 お父さんらは例の如く、残念会と言う名の飲み会(これが本当の目的という話もあり)を、これから夜に開こうと話していたが、僕は今日は遠慮させていただく。夜中のユーロも見たいし、明日の仕事も忙しい。
 しかし最大の理由は、やはり毎日飲んで食べてばかりいると、自分が昨日の飛騨牛霜降りみたいな身体になるんじゃないかと心配だからという事にもあったりする。

焼く前に霜降り具合を見せていただく


美味しく頂きました。牛さんにもK先生にも感謝
2008年06月28日
がんばるのは子供ですけど
 昨夜は仕事が終わると、病院から宮川沿いの散歩道をてくてく歩き、サッカー選抜チームの親さんらによる総会兼飲み会に出席してきた。
 小学サッカーにおける監督コーチの指導の熱心さは半端でない。ただひたすら頭が下がる思いだ。選抜チームの監督は来年度の高山選抜の目標を、全国ベスト8進出においている。
 岐阜県代表として全国大会出場するだけでも大変な事なのに、雪のため冬には練習できない高山のサッカーチームとしてはそれは無謀ともいえる大きな目標だ。とはいえそういう奇跡的なことが起こりうるのもサッカーの魅力らしい。

 サッカーするのは子供であって、親ではないわけだが、大きな目標に向かって僕も子供をしっかりサポートしないといけないと思う。とはいえ一方自分自身の大きな目標も近づいてきており、何ともいえない複雑な気持ちもある。
 とにもかくにもそんなこんなで、昨日もまた飲み過ぎてしまった。二日酔いの頭で色々な事を反省している。

 さて今週末は代務の先生が高山に来てくれている貴重な週末だ。残り僅かな雪を求めてスキーにという気持ちも無い訳ではない。しかし各種用事や雪が有る所までの長いアプローチを考えると、重い腰は上がらなかった。
 ちと心残りもあるが、今季の山スキーは富士山吉田大沢がラストとしよう。スキー板はつい先ほどチューンアップに出した。

 これから先はスキー以外の楽しみを見出していきたい。
 やはり今後の最大の楽しみは子供だろう。先日見たNHKの英語番組のインタビューで、子育てのコツはEnjoy Your Son だとジョージルーカスが答えていた。ジョージルーカスが良い父親なのかは知らないが、僕も子供を楽しみたいと思う。

今日の午前中は、次男の親友K君が先発する試合を応援


親さんらは別の事にがんばっているという説もあり(機嫌を害されるようならご連絡下さい。すぐ削除します)
 
2008年06月27日
テレビにまつわるエトセトラ
 深夜の間に2件の経産婦さん分娩があり、今朝も分娩室からの呼び出し電話で僕の一日は始まった。
 僕の所では特別な理由が無い限り、深夜の経産婦さん分娩はまとめて翌朝の外来開始前に縫合する決まりにしている。これはもちろん僕の睡眠時間を確保する事が目的だ。

 というわけで僕の朝は慌しい事が多い。それでもこのシステムに変えてから夜中に急に呼び出される回数は減ったから随分とマシだ。もしこれで昨日深夜に2回も呼び出されていたら、僕は今日一日辛くかつ危険な寝不足業務で過ごす事となる。
 もちろん今日の外来も猛烈に混むし、午後には手術が2件ある。2件共にとある理由で油断ならない手術だ。寝不足というのは目や指にまず出てくる。当たり前だが寝不足手術は危険を伴うものなのだ。だから僕の睡眠時間を確保する事は、安全な産婦人科医療の維持のためにとても重要だ。

 なおついでに書くと、深夜にユーロをテレビ観戦するのと、深夜にいきなり起こされて分娩室に出動するのと比べると、後者の方がずっとダメージは大きい。
 予定された計算上の早起きと比べ、いきなり予測不可能に急に起こされる時のダメージはずっと大きいのだ。だから朝まで縫合を待たされる妊婦さんは、どうか待たされる事を勘弁していただきたいと思う。

 さて話はいきなり変わり、昨日は珍しく比較的早く帰宅ができた。こういう時とばかりに、午後9時までやっている家電量販店に行き、今流行り?の新型薄型テレビを見て回る。なお話では3年後の7月には今のアナログテレビは全く視聴できなくなるらしい。
 引越しに際してリビングに素敵?な地デジ薄型テレビの一つでも買おうかというのは家族の共通の思いでもあるのだ。しかし中々値段の張るものでそう簡単にテレビ購入は決めれない。その最大の理由は地デジアンテナ工事の段取りだった。

 僕の家のテレビは皆普通のアナログテレビである。当然新しいテレビは地デジに変えないといけない。
 しかし地デジを視聴するにはアンテナも新しくしないといけないとは、不覚にも僕は知らなかった。
 アンテナ工事のほうが地デジチューナーを購入するより値段もかかるし、手間もかかる。アンテナ工事の前には担当者に家を下見に来てもらう必要もある。

 予定では3年後には今のアナログテレビはただの箱になるらしい。その後テレビを見るには地デジチューナーのみならずアンテナ工事まで必要だ。その事をもっと総務省は宣伝しなければならないのじゃなかろうか。
 後期高齢者医療制度導入と同様に、他人事でなく政府の宣伝不足はいかんと思った。
 このままでは後期高齢者の悶着と同様に、地デジ移管も予定通りには行かないぞ。3年後にはまたテレビで色々あるんじゃないか。

 さてさてアンテナの件は置いといて、薄型テレビは今やもっとも高価な家電製品となった。
 録画が出来る、画質が綺麗、壁にかけれる(これが意外に手間)、電気代が節約できる、インターネットが出来る、それぞれ機種で売りがあり、値段も大分異なる。 これは賢い選択をするのは予想以上に大変だ。

 今、僕は一台をテレビ付きパソコンにして、一台は録画のできる節電プラズマにしようかと考えているが、それが賢いのかは良く分からない。
 とはいえ基本的には、こういう買い物を考えるというのは楽しい事だ(財布は傷むけどね)。これも娯楽の一つだと捉えて、時間のある時の贅沢な過ごし方だと思うようにはしておこう。
2008年06月26日
山と仕事と脂肪
 昨日の手術は、殊の外困難だった。
 腹腔内に入るまでに分厚い皮下脂肪を掻き分けなければならない。垂れ下がった脂肪が視野を妨げる。しかも骨盤腔内に張り付いた脂肪で術野も制限された。
 更に子宮動脈の周囲の脂肪がリンパ節と一塊となり、通常なら問題ないはずの子宮動脈剥離操作も上手く出来ない。経験ある婦人科医なら直ぐに分かるだろうが、これは大変な事なのだ。

 これでマンパワーに余裕の有る病院ならば、数人の助手にコウを引いてもらい対応できるかもしれない。しかし僕のところには婦人科医は僕しかいない。どんな困難な手術でも麻酔兼務の外科医と二人でこなさなければならない。
 どんな苦境に陥っても自分が最後のリーサルウェポンなのだという気迫をもって挑んでいかなければ、この手の手術はできないのだ。

 という訳で昨日の手術も大いに苦労して、それでも何とか何時もの様にこなした。
 その後は大急ぎで友人との約束の飲み会に出かける。友人は高山で最も高級な和食店に僕を招待してくれていた。
 遠慮なく海鼠腸や飛騨牛、鮎の塩焼きなど美酒と共に頂く。幸運にも分娩経過中の方もおらず、手術患者さんも落ち着いてくれていた。日頃のストレスもあるのだろう。話も弾んでついつい飲みすぎてしまう。
 そんなこんなで今日は少し二日酔い気味だ。しかし仕事は当たり前だがきちんとこなす。

 僕は昔からイライラするとつい食べ過ぎるため、ストレスで太る体質だ。それでも山に行けてるとカロリーを消費するため、さすがにメタボの心配は無い。僕は山好きで本当に良かった。山のお陰で健康にも恵まれ、仕事もたくさんできる。メタボにも今のところはなる心配はない。
 しかし最近は色々忙しくて山に行けない。雪も溶けてしまって山スキーの楽しみも減った。これで美食のみに走ると肥満一直線間違い無しだ。こんな事ではいけないと、昨日の手術の場面を思い出していたりする。

 本来なら平日に仕事をたくさんして、美食も楽しみ、休日には山にいく時間を作れれば理想的だ。
 ところが僕の場合平日に仕事を散々しても、休日の自由時間が増える訳ではない。
 まともな仕事をすればするほど、患者さんが増えるので、ますます仕事が増え自分の首を締める事となる。そしてそのために食べ過ぎていると、太ってしまいますます山に行けなくなる。これでは負のメタボスパイラルだ。

 自分のためにも、どこかで何かを思い切って断ち切らないといけないと思う。それにはまず自分の中の義理人情といった情を断ち切るのがまず一番重要なのだと、気づかないといけない時が近づいているのかもしれないと思う。

飛騨牛の刺身は最高に美味い


新鮮鮎も絶品でした
2008年06月25日
僕は自分を安売りしすぎか
 昨夜は親も参加できる三男のサッカー練習日だった。大急ぎで仕事をまとめ時間を作り出し、最後の30分だけ練習に参加できた。最近仕事ばかりで汗を流して、運動で汗を流す機会がほとんど無い。サッカー自体はなかなか上達しないが、短い時間でもせっせと動いて運動不足を少しでも何とかしたい。

 その後はビールを飲んで風呂に入って寝ればOKのはずであったが、ビール缶を開ける至上の瞬間に狙いを定めたかの様に分娩室から呼び出し電話が入った。 
 このままビールを飲んでから仕事に行こうかと思ったが、そうすると歩いて病院まで行かなければならなくなる。ここはちょっとの我慢だと、まずは分娩室に出動した。

 その後一仕事済ましてから、とある新築家屋の方に行き、エコキュート風呂に入ろうとする。そしたら今度は初期不良の為か上手くお湯が溜まらない。これは無いよと思う。仕方が無いからシャワーだけ浴びてビール飲んで、夜中に起こされない事を願いつつ眠りに付いた。

 さて今日は午後から大きな手術が組んである。手術に間に合わせるために、何時もなら一日かけて行う仕事を手術の始まる午後1時半までに済ませたおかないといけない。ひたすら時計を睨みながら書類の山と格闘する。何とか手術時刻には間に合わせたが、手術の始まる頃には、疲れて指が痺れてきた。

 手術は予定通りタフなものとなったが、外科の先生の助けを得て何とかこなす。
 今週もまた分娩を始めとしてたくさんの仕事に追われている。昨日のニュースで、静岡県富士市では分娩一件に付き3万円を産科医に支給する事に決めたそうだ。
 そうなるともし僕が富士市にいたら、僕は毎月100万円は市から貰える事になる。
 実際毎月の売り上げを計算したら、僕の場合それくらい貰っても何の問題は無いだろうと思う。
 
 若い頃とある登山関係の仕事を一日1万円で引き受けた事がある。その時自分を安売りしてはいけないよと、後からマスコミ関係者に諭されたものだ。
 特殊技能を売るのならもっと高く売れという訳だ。今の僕は自分を安売りしすぎなのかと思えなくも無い。
 色々な交錯する思いもあるのだが、とにかく自分の価値を決めるのは、自分自身では無く周囲や社会なのだろうとは思う。
2008年06月24日
肉の味と医療の味は、分かりずらいものです
 今日も朝一番は分娩室からの呼び出し電話で始まった。朝の医局会がある日で、まず医局会に出席しそれが終わった後にそそくさと縫合は済ます。
 今日は外来がひたすら続く火曜日。外来のまっ最中に更に分娩がもう一件入り、ちと外来のペースは崩された。

 何とか午前の外来が終わり僅かな昼休みを取っていたら、その最中にもまたもう一件別の分娩が入る。その後に手術室で簡単な手術を済まし、息つく暇無く午後の予約診察に入る。
 先ほど更にまた別の分娩入院が入ったという連絡が来たから、後ほどその出動も要するのだろう。次々と波状攻撃の様に仕事が続いているが、とりあえず寝不足は無いから今の所心身はまだきちんと動いている。

 さて話は変わり、昨晩のテレ朝ニュースステーションのトップニュースは、牛肉業者丸明による飛騨牛偽装事件であった。飛騨の出来事(本社は養老にあるらしいですが)が全国ニュースでトップネタになる事は、僕の記憶には無い珍しい事だ。丹生川の死体遺棄事件や飛騨大鍾乳洞の金塊強奪事件もトップニュースまでにはならなかったはずだ。

 その他の全国に流れないローカル大事件も僕は幾つか知っているが、それはおいといて、冴えない事件で飛騨がトップニュースになるのはやはり嬉しく無い。飛騨牛ブランドのイメージもそれなりに損なわれるだろう。それだけ日本では食の安全に対する関心が高いのだと思う。

 しかし良く考えてみれば今回は食の安全に関する問題とはちと違う。
 あくまでも肉の等級のごまかしだから、雪印の集団胃腸炎や赤福の賞味期間偽造事件とは趣が異なる。食の安全問題というよりは、ブランドを利用し安易に利益を求める企業モラルがきっと問題なのだろう。

 さてさて実は丸明の肉は、少なくとも僕の家庭では高山で一番美味しい肉だとされている。
 育ち盛りの子供が居る事もあって、僕の家でもたまにすき焼きを食べる事があるが、その際は必ず本町の丸明で買った飛騨牛の安売りバラ肉を使うのが決まりだった。
 丸明の飛騨牛は値段の割りに美味いというのは、僕の舌の認識であったのだ(あくまでも食にこだわり少なく、何でも食べちゃう僕の味覚ですから念のため)。
 だから丸明が等級偽装してたのは何だか少し不思議な気がする。要するに肉の等級の違いは、食べてしまえばそうはなかなか分からないのだろう。

 さてさて肉の等級と同様に、医療材料や薬の等級も一般には良く分からない事だと言える。
 今病院ではDPCというマルメ診療導入と共に、医療材料や薬の種類の見直しが盛んに行われている。今日の医局会でも少し話題になったが、同じ効果のものなら出来るだけ安い方を使うのが、病院の利益が上がる様になったのだ(これって当然かもしれませんが)。なおもちろん病院ができるだけ安い材料や薬を使うのは悪い事でない。医療費抑制は国是だし、病院経営も楽でないのだ。

 と言いながら、僕の産婦人科では長年の黒字からか経営努力が足らず、ほとんど高い医薬品や材料をそのまま使っている。
 縫合糸も最高の品?だし、薬もゾロ品はほとんど無い。しかしこれからはそうは言っていられなくなるかもしれない。
 なぜか肉の等級偽装と病院の材料医薬品費抑制と、モラルの点で何処か似ている気がしたが、それは丸明に甘くて病院に厳しい感想ではあるだろうか。
2008年06月23日
雨の日曜はDIYで
 日曜の朝もまた分娩室からの呼び出し電話で始まった。せっかくの休日に寝坊できないのは嬉しくないが、深夜のユーロサッカー観戦で不規則な生活になるのを防ぐという意味では良いかと思う。何事も考えようだ。さくさくと起きて仕事はこなした。

 さて朝から断続的に大雨が降り続く日曜日となった。こういう時は家の中でやれる事をやらないといけない。
 ちょうど新居の子供部屋に置く机とベットを組み立てるという大?仕事が僕には残っていた。通販で購入したお買い得家具なのだが、そういう商品の常で組み立ては自分でやらなければならない。

 というわけで昨日は日曜大工さながらに、机3つと衣装棚付きベットを組み立てるのに汗を流す事となる。日曜大工と言っても既に出来上がったものをネジで留めるだけの作業だから、大きなプラモデルを組み立てる様なものだ。

 しかしこれが案外大仕事だった。巨大なダンボールから部品を取り出すだけでも結構大変だ。組み立ては比較的簡単だったが、ネジをひたすら回すのと、出来てた梱包資材のダンボールを壊して、丸めてリサイクル廃品回収に回すのに一番苦労した。

 見たらこれらの製品は全てインドネシア製か中国製だ。おそらく船でまとめて輸入されるのだろう。途中破損を防ぐためにも厳重な梱包が必要なのだと思う。
 実際に運ばれてきた机の一部に破損箇所もあった(トンカチと木工ボンドで直ぐ治りましたが)し、厳重な梱包は仕方が無いと言える。とはいえそんなこんなで日曜日は一日中梱包資材のダンボールと格闘していた気がする。
 それ以外にもやる事が多く、結局これら子供家具を一日で全て完成させるには至らなかった。これは意外な強敵だったという感じだ。

 これもモノは考えようで、日曜大工?を一日楽しんだと考えれば、どうという事は無い。
 ただ机3つとベット一つ分で、車3台分にもなった梱包資材で使われた紙資源が、インドネシアや中国の自然破壊とリンクしている様で、それが何だか勿体無いなあとは思っていたりする。
2008年06月21日
野球とサッカー
 今週末も代わりの医者は来てくれていない。大人しく病院の傍で過ごすしかない週末だ。
 まあ予報では雨の週末となるらしいし、色々やる事は多いし各種雑用で過ごすには良い週末だろう。
 というわけで早速土曜日の朝も病院分娩室からの呼び出し電話で始まった。何時もの様にそそくさと出動してさくさくと仕事はこなす。

 さてうちの子供たちは皆サッカーをやっている。とはいえ何故か子供たちの一番のお気に入りコミックはメジャーという野球漫画であ、お小遣いを貯めては兄弟で分担して漫画本を購入しているらしい。
 サッカー漫画は家に一冊もおいて無いのに、メジャーは全60数冊の漫画本がほぼ全て揃っているから不思議だ。多分野球というスポーツは今も昔も漫画には向いているのだろう。試合の合間に適度な間があるので、サッカーよりドラマを作り易いのだ。

 だからかどうか知らないが、今でも小学校で一番人気のスポーツはやはり野球らしい。
 次男のクラスメートで無二の親友K君も高山東小野球部でエースをしている。そこで土曜の空いてる時間に、K君の大事な試合を子供達と応援兼観戦に出かけてみた。
 小学サッカーもなかなかハイレベルだが、小学野球も予想以上に皆確実なプレーをするので驚く。ピッチャーの投げる球も結構速いし、良いコースをついている。
 
 K君も次男の応援する前でタイムリーや盗塁を決め大活躍していた。その事もあり久しぶりに野球の試合を見て結構楽しかったりする。次男希太もK君に負けない様にサッカーで活躍してもらいたいものだ。

 さてさて野球とサッカーはどちらも見ていて面白いが、全く趣が異なるスポーツだ。
 野球は監督の指示に従って動く決まり?だが、基本的に個人プレーの連続である。個人の成果が直接得点に繋がる。
 一方サッカーは監督の指示にいちいち従って動きを決める訳ではない。とはいえサッカーの方が個人技より集団の動きで得点が決まる事が多い気がする。この差はかなり大きい。

 今週末は土曜に野球の試合、日曜にサッカーの試合を見た。サポートする親の手間は大変だが、兄弟の誰か一人くらいは野球をしていても、結構楽しかったかもしれないなと、ちょっと思ったりもする。

K君タイムリーヒットを飛ばす(勝手にHPに載せて御免ね)


盗塁も決めました


希太も負けずにがんばってね
 
2008年06月20日
医療費が無料だと・・・
 昨日は外来を実質休診にしたお陰でまあまあ早めに仕事が終わった。早く仕事が終われば終わったでまたいろいろやる事がある。昨日は帰宅すると大急ぎで次男を眼科医に連れて行った。
 現在小学6年生の次男は兄弟の中で一際視力が弱い。にもかかわらず本人はどうしてもサッカーを続けたいという意向を持っている。
 もちろん彼が将来プロサッカーを目指すなんて事は決して無いと思う。とはいえたかが小学生サッカーの世界と言っても馬鹿には出来ない。視力が弱い様では小学サッカーの世界でも、とても活躍なんてできない。

 という訳で昨日は次男がこのままサッカーを続けるため、コンタクトレンズを使わせる事とし、まずはその為に眼科医に連れて行ったのだ。
 まず最初に視力検査をしたら、裸眼視力が0.2(左目は0,1)と出た。更に昨年作った眼鏡による矯正視力でも0,3しか無いと言う。
 こんなんで良く今まで平気でサッカーをし、学校の授業を受けていたと思う。やはり次男が最近動きに精彩を欠けていた理由はどうも視力にありそうだ(それだけじゃない運動神経の鈍さもあるでしょうが・・)。

 という訳でコンタクトに慣れなければサッカーはもう終わりだと脅しをかけ、ワンデーソフトコンタクトのお試しコースをお願いした。
 今高山市では学童の医療費は全て無料だ。検査やお試し全て無料で1週間分のコンタクトレンズを処方してくれた。有難い事だと思う。それから苦闘約1時間。次男は涙をポロポロ流しながら、サッカーの為にと必死の思いでコンタクトレンズ脱着の練習をしていた。

 さてさて今日も仕事は忙しい。外来休診とした昨日のしわ寄せも有る。今日はたまたまあちこちの病院で未収金があまりに多く、他院で分娩を断られた方が10ヶ月で受診してきた。
 僕は何時でも誰にでも同じ様な医療を提供するのを由としている。たとえ身近な知り合いだろうが身障者だろうが貧乏人だろうが誰にでも同じ態度を取っているつもりだ。これはそうしないと短時間に均質な医療を大量提供できないからだ。人によりきめ細かい変化をつけていたら安全に数はこなせない。

 あともちろん僕は病院経営にそれほど関与していないという事もあるだろう。今時まともに分娩を扱っている限り、必ず産科は黒字となる様にできている。そういう事もあり、僕は今までお金を払えないという理由で分娩を断った事は一度も無い。しかしそのためか、僕の病院で分娩された方でお金を払ってない方は今現在でも多数いる。

 これは多分何処の産科病院でもある事だろう。未集金が全く無い病院なんて今時何処にも無い。医療機関というのは取立てが大抵甘いのだ。
 だからお金を払わないのに、同じ病院に何度も受診するという方がたくさん見えるようになる。そんな未収の方の中には高級外車に乗っていたり、ヘビースモーカーだったりする方も良くいるから、面白くないと思える事もある。

 さて多くの方がご存知の様に、分娩には一時金というのがある。まともに健康保険や税金を払っている人ならば、分娩は実質無料に近いのが現状だ(特に少子化著しい地域では)。
 それでも分娩にかかる費用を踏み倒す人は後を絶たない。せっかくの一時金をパチンコを始めとした各種ギャンブルや酒タバコその他生活費に回してしまうという話は時々聞く事だ。

 医療費というのは何処か中途半端だ。安いと思える事もあるし高額だと思える事もある。
 しかし思うに医療というのは本質は贅沢品なんじゃなかろうか。衣食住が成り立って始めて医療も成り立つ。サッカーをするためのコンタクトレンズが無料というのも贅沢と言えるだろう(最初だけだけどね・・)。
 無料より高い物は無いという言葉もあるが、医療を無料と考えると、結局は巡り巡って社会保障の崩壊につながる。かえって将来高くつく事になるのだ。そんな事をここに書いてもなにか虚しく思えるのだが、とにかくは今日はここまでは書いておこう。

コンタクトレンズでサッカーを続けれるなんて贅沢と思え、なんて言ったり・・・
2008年06月19日
こんな仕事はあまり無い
 昨日の午後、何時もの様に忙しく病院で仕事していたら、珍しく自宅から電話が入った。仕事中に家から電話がかかってくるなんて事は滅多に無いので、何事が起きたかと思う。
 話を聞くと、とある新築住宅のエコキュート室外機が何物かに壊されていたという連絡である。何の目的かはさっぱり分からないが、室外機の一部が荒らされてその部品が持っていかれたらしい。

 こそ泥によるものなのか、僕の家と知っての悪戯なのか良く分からない。
 ただ怨恨関係の犯罪だったら繰り返されると困るので、警察はきちんと呼ぶ。住宅メーカーの担当者にも来ていただいて証言してもらった。
 修理にそれほどの費用や時間はかからないらしいが、警察は「多分犯人は見つからないでしょうねー」と言って去っていったという。入居前に全く面白くない話だと思う。

 さて話は変わり、今日も朝一番は分娩室からの不穏な連絡で一日が始まった。経過中の方の心拍が落ちると言う。
 何時もの様に緊急手術の準備を指示して病院に出勤、まずは多くの人が列をなして待っている外来業務に入った。
 ところが外来を始めて15分ほどしてから、再び分娩室より連絡が入った。担当助産師さんは「これは今から緊急手術せんといかんでしょう」と言う。

 ただ陣痛開始当初、やや過強気味になると一時的に心拍が下がるのは良くある事だ。そういう時は経過を見てるだけで回復する事も多い。今の時間に緊急手術を入れると外来を一時的にかなりの時間中止しなければならないのだ。
 抗がん剤副作用チェックを始め、どうしてもこの日に受診しなければならない患者さん方も多い。

 更に助手を務める外科医の都合もあるし、手術室の看護師さんらにも緊急招集をかけなければならない。
 手術患者本人や外で仕事している手術患者家族の気持ちもあるだろう。この時間の緊急手術は、そう簡単に判断できる事ではないのだ。

 しかしこういう事は即断即決するしかない。やっぱり今日の外来は途中休診だ。15分後に執刀開始と指示する。もちろん手術はそつなくこなした。
 しかしその陰で、多くの外来患者さんが不満そう?に帰ったらしい。いきなり呼び出された妊婦さん家族の方々も「何が起きたのか」という顔をしている。

 この手術により新生児も母体も両方とも救われたのだが、そういう事は一般人にはなかなか良く分からない。説明する時間もろくに無い以上、最初から分かろうとしなければ分からないとも言える。

 僕はこれが自分の仕事だと割り切っているから、多くの患者さんが雨の中診察無しで帰ったと聞いても何とも思わない。緊急手術を受ける妊婦さんもそれは仕方が無いことだ。僕の仕事は、全ての人に満足を提供する事が元々不可能な仕事なのだ。
 しかし世の中には変な事から逆恨みしてきたり、因縁をつけてきたりするモンスターペイシェントと言われる患者さんも確かにいる。

 昨日のエコキュート室外機破損事件?が、まさか怨恨関係でないとは思っているが、どちらにせよこんな割に合わない仕事は他に無いだろうなあという気持ちも、心の片隅で持っていたりする。
2008年06月18日
PCも自分もメモリ不足です
 富士山から帰宅後も続けざまに手術や分娩が続き、何が何だか目の前に現れた仕事をひたすらこなすばかりの時間が続いている。昨日の午後も僅かな時間に寝不足日記を書いている間から、午後の予約診察が始まった。
 僕の予約診察には何時も15分に3人ずつ患者さんを入れている。つまり一人につき5分だ。

 悪名高い3分診療よりはちょっとマシに設定してあるが、実際はその合間に急患さんも入るし、病棟診察も入る。
 更に患者さんが入れ替わる時間や下着を着たり脱いだりする時間というのも必要だ。

 同時に数人を診察する様に心がけていても、実際は一人一人が僕の前に座っていられる時間というのは1分もあれば良い方だろう。つまりたとえ予約が入っていても僕の診察は秒単位なのだ。
 もちろんこんな診察だから予約の時間通りに診察が進まない事が普通だ。
 1分で済ます患者さんに2分かけてしまうと、次の患者さんから一斉に予約時間が少しづつずれていく事となる。時間は有限だ。当たり前の事である。

 しかも昨日は予約診察真っ最中に、これまた難産の分娩が入り込んだ。そんなこんなで最後の患者さん数組は、家族と一緒にどうやら2時間近く余分に待合室で待っていたらしい。
 本人はともかく、説明を聞くためだけに2時間も余分に待たされた家族は面白く無い様子?だ。しかしこれが今の産婦人科医療の現実なのだ。僕はひたすら一人でも多くの患者さんを診察しようと働き続けている。仕方が無いだろう。
 
 さて今日は検診と書類業務で固めた水曜日。ちょっとは楽できるつもりの日だ。しかしそんな時でも分娩は入る。ちょうどドック検診でまだ何十人と患者さんが列をなして待っている間に、また分娩が入った。
 僕としては分娩業務をしてようが検診業務をしてようが忙しく働いているのには同じ事だ。どうなってようが構わない。
 しかしドックで待たされている多くの方たちはそうは思わない。しかしそれも仕方が無いだろう。産婦人科医はここには一人しかいないのだ。
 
 入院中の担当患者さんも25人はいて、もう一人一人を把握なんてとてもできない。何時誰にどんな手術したのかも忘れてしまうくらいだ。看護師さんは「誰々さんがどういう状態です」と良く僕に問い合わせ連絡をしてくるが、誰々さんと言われても誰が誰だが僕には分からない。その辺は良く考えて問い合わせてもらいたいと思っていたりする。

 さて昨日今日と富士山の記録をHPにUPしようとしているのだが、ついにPCもパンクしてきたか「メモリ不足」という表示が出て中々スムーズにHPを更新できない。
 多分僕のHPも内容が随分と充実してきて、PCも簡単に処理できなくなってきたのだろう。
 「メモリ不足」でロックしてしまったPCを見ながら、僕も何時の日かもうメモリ不足ですと表示を出し、突然仕事をロックしてやろうかと、半分悲しく思っていたりする。
2008年06月17日
仕事でも同時多発テロがあります
 手術もあれば入院患者さんも多い。昨夜の仕事も当然の如く遅くなった。
 仕事からの帰宅後は、まず大急ぎで三男のサッカーナイター練習のお迎えに行く。
 ちょうどサッカーチームの親さんどうしの話し合いが行われている最中に、長男の学習塾のお迎えの時間が来た。話し合いはそこそこに今度は長男及びその塾友?のお迎えだ。

 急いで移動している最中に、分娩室から緊急呼び出し電話が入った。昨夜もまた要注意分娩が遅くまで残ってしまっていたのだ。慌てて各種段取りを任せると、僕は行き先を変更分娩室に直行した。

 分娩はやや難産となり、出血も多い。珍しく僕も身体に血を浴びてしまった。
 とはいえ助産師さんは更に運悪く顔に混濁羊水を浴びていた。それよりは随分とマシだと思う。それでもめげずに働く助産師さんに「助産師さんは大変だねー」と僕の方から労いの言葉をかけたりする(もっとも一番大変なのは新生児と分娩したお母さんでしょうが・・・)。

 さてさてナニハトモアレ、昨日もそんなこんなで仕事は遅くなり睡眠時間はちと削られた。
 今日の仕事も朝から秒単位外来で忙しい。ちょうど初診ガン患者(多分)さんが二人重なった所で、緊急対応を要する早産妊婦さんが来院された。これは大病院に至急母体搬送しないといけない。

 同時に数人の重症患者さんを診察しながら、県立岐阜病院の産科医に連絡を取り搬送受け入れを依頼する。相手先の産科医は直ぐに受け入れを快諾してくれたので助かった。

 続いて消防署に救急車出動を依頼した。ところがこちらがちとスムーズでない。
 消防車を岐阜まで走らせるという簡単な要請を救急隊員は避けたいらしい。理由はある程度分かっているが、長くなるのでまた別の機会に書こう。産科医の同乗が必要とか、できたらヘリコプターにして欲しいとかおっしゃてる御様子である。

 電話連絡を看護師さんにお願いしていたら、ラチが空かないので僕が電話口に出たら、消防署員はいきなり「指示ですか?」と聞いてきた。
 今まで仕事柄消防署に電話して「救急ですか消防ですか?」という質問は何回か受けた事がある。しかし「指示ですか?」という意味不明の質問を受けた事は一度も無い。意図が分からなくてこちらからもう一度聞き返したが、やはり「指示ですか?」と聞いてくる。

 これじゃあ看護師さんが連絡を取ってもラチがあかん訳だと思う。僕は他に多くの患者さんを診察している。しかも分娩室には経過中の妊婦さんもいる。消防からの質問は分かりやすくかつ常識をわきまえてもらいたいと思う。
 ちと切れそうになったが、そこは我慢してその後の対応は外来婦長と事務方さんに任せた。ただでも僕は忙しいのだ。
 その後の経緯は省くが、救急車には助産師さんが同乗し、約30分後無事岐阜に向かった。とりあえずホッとする。

 僕は何時でも忙しい。その中でも特に様々な非常事態が同時に重なる事がある。
 こういう時に僕は山をやっていて良かったと思う。どんな非常事態でもパニックにはならない性格だ。それにしても今日は消防署の対応が良くわからなかった。
 言っちゃあ悪いが、やはりお役人というのは普段本当に厳しい世界に身をおいてないのだろう。僕から言わせれば仕事に対する覚悟が足りないとしか思えなかったりもするのだ。
2008年06月16日
富士山の色々な側面
 昨日は疲れて帰宅すると、後片付けだけさっさと済まし、ビール飲んでとっとこ寝てしまった。今日月曜からまた厳しい仕事が始まる。身体を休める事は重要だ。
 
 さて僕が高山を離れてる間にも、病院や家族関係では様々な事があったらしい。
 三男は高山の陸上大会5年生の部で100m、幅跳び、リレーで3冠王となったと言う。僕は子供のころ実はそれほど足が速くなかったのだが、どこからこの遺伝子が来たのだろうかと少し不思議に思う。
 長男も白鳥でのサッカー遠征で快勝したとの事だ。長男は中学生サッカーの最後の大きな大会である中体連が近づいている。これを弾みに少しでも勝ち上がって欲しいと思う。

 一方病院では分娩が重なり代務の先生は大変だったようだ。
 今日は午前中の忙しい外来の後に、午後から手術が2件あった。手術中助手を務めてくれる代務の先生の顔を見ると、ちとお疲れモードののご様子だ。もし代務の先生が来てくれてなかったら、これら週末の仕事は全て僕がやる事となっていた訳で心から有難く思う。

 さてさて話はがらりと変わり、昨日の富士登山では多くの外国人や素人の無謀登山者?としか思えない人たちを見た。
 外国人登山者の多くはアイゼンはおろか登山靴すら履いてない。
 またこれは外国人ではなかったが、いかにも登山ド素人で何処かで拾った(勝手に持ってった??)鉄くいとトラロープを使って何とか転び転び山を降りている人たちもいた。他人事ながら危ないなあと思う。

 富士山は日本で一番有名な山だ。誰もが一度は登りたいと思うのだろう。それにしてももっと安全な時期を選んで登れば良いのにと思う。
 またやっぱり登山道に落ちているゴミも相変わらず多かった。更に山頂にある観測所も何だか廃墟みたいなで、日本最高点にしてはあまりに見栄えが悪いんじゃないか?
 こんな事では、やはり富士山が世界自然遺産に登録されるなんて事は、とんでもないなあと改めて思ったりもしている。

富士山頂のレーダードーム跡は巨大な空き家みたい。これも一つの文化遺産ですか?


こんな雪山を普通の靴で登るのは止めましょう


富士登山道は小屋だらけですが、何でこんなに必要なのか誰か教えて
 
2008年06月15日
酸素を吸って大滑降
 土曜日夜の岐阜での学会は、何とか上手く途中退出できた。
 高山に戻る事無く東名高速を飛ばして一路東へ向かう。目指すは富士山吉田大沢だ。
 岐阜のMisao先生とは午前5時までに富士スバルライン新5号目到着の約束をしてある。途中仮眠休憩を入れて何とか予定の時刻に間に合わした。

 吉田大沢は雪が大分減ったこの時期でも、大滑降が約束されている日本有数の大雪渓だ。ただ標高が高いためか好コンディションを当てるのは難しいらしい。

 さくさくと吉田口登山道を登り、吉田大沢のエントリーポイントに着いた。風が強く斜面はウィンドクラストしてやや堅かった。
 お鉢めぐりをしてしっかり剣が峰の日本最高点は押さえておく。ただ当初狙っていた火口への滑降は時間的に辛くて割愛した。時刻が遅くなり斜面が凍ると、吉田大沢の滑降は危険なものとなる。

 さてお鉢を巡っても、吉田大沢エントリーポイントの斜面は、残念ながらそれほど緩んでくれてなかった。
 ここは僕は悪い癖の弱気が出て、一段下がった場所までアイゼンで降り、雪が緩んだ地点からの滑降としてしまった。
 しかし一方強力パートナーMisao先生は、滑降になると携帯酸素を吸いまくり、俄然元気な山岳スキーヤーとなり、きちんとエントリーから堅い斜面を滑降していった。
 酸素を吸って富士山滑降するなんて、何処かのプロスキーヤーみたいだ。さすがだと思う。

 エントリーポイントこそ堅かったものの、吉田大沢は綺麗な斜面が延々と続き、予想を裏切らない快適大斜面だった。わざわざ遠くまで車を飛ばしてやってきた甲斐があった。富士山みたいな山が日本にあるのは、やはりとっても嬉しい事だと改めて思う。

もうすぐ日本最高点ですよー


酸素を吸って


標高差1000m超。大滑降の始まりだ
2008年06月14日
今日は学会ダブルヘッダー
 予想通りの事ではあるが、金曜日の仕事はタフで帰りも遅くなった。
 予報ではこの週末は梅雨前線も南下し好天となるらしい。代務の先生も名古屋からお留守番に来ていただいているし、何とかして残り少ない雪を求めて山スキーに出動したい。
 
 しかし金曜の仕事がしんどすぎて、とても土曜に出動は出来ない。身も心も磨り減っている状態で山スキーに行っても眠たいだけで楽しくは無いだろう。
 という訳で当初からの予定通り、土曜は名古屋と岐阜で各々行われる学会に午後から参加、一日で2枚の学会シールをゲットしてきた(しつこい様だけど、勉強を一日でたくさんしてきたという方が正しい表現です)。
 せっかく都会?まで出かけるのだから、電気屋や本屋、登山用品店なども回りたい。翌日日曜日の山スキーの事を考えると、これまた時間的にかなりタイトな土曜日であった。

 というわけで、学会は途中から参加し、シールを貰い、その肝だけを聴講すると、すぐさま途中退出する。
 こういうやり方は学生時代から、僕のお手の物だ。もはや習慣化しているとも言える。
 目立たないように学会会場を去るコツみたいなものも会得しているが、それはここには書かないでおこう。自分では目立たない様に退出しているつもりでも、意外にそうでない時もある。

 質問や発表する立場で無い時の学会はやはり気楽だ。そんなこんなで名古屋や岐阜であちこち動き回り、疲れた身体を癒すのに、良い気分転換の一日になった。
2008年06月13日
ちょっと遊んで、たくさん働く
 外来も混むし、入院患者さんも多いし、昨日も何だかんだと忙しかった。それでも仕事が終わると夕食もそこそこにして、ビックアリーナで行われいてる病院有志のフットサル練習に少しだが参加できた。
 とはいえ疲れが溜まっているためか動きはさえず、昨日も決定的なチャンスを逃してしまった。いつまで経っても上手くならないのが悲しい。

 その後、夜は安くなる日帰り温泉施設に行き、汗を流して露天風呂でまったりする。後は家に帰ってビール飲んで寝ればそれでまあOKだ。
 ところが例によってそうは問屋は卸さない。家で缶ビールを開ける寸前に、病院から呼び出し電話が入った。またまた分娩室に出動だ。お陰で昨夜の就寝時刻はまた遅くなる。

 更に悪い事に、今日の明け方にも別の分娩が入り、急遽出動を要した。というわけで今日もしっかり寝不足となる。
 朝から我慢の寝不足外来が続く。しかも今日の午後には手術が3件入っている。ガン手術もあれば、麻酔に注意を要するものもある。とある理由でタフな手術ばかりだ。
 寝不足の連続手術で息も絶え絶えである。それでも逃げる事はできない。今日も死ぬ思いで手術をこなすしかない。
 もちろん失敗は許されないわけで、自分で言うのもなんだがこれは相当過酷な業務だと思う。僕の状態が特別なのだとは思うが、楽が少なく苦ばかり多い。

 今日の午後から久しぶりに代務の先生が来ている。明日からの土日は3週間ぶりにやっとまともな休みだ。ワークばかりに偏っているワークライフバランスを何とかこの週末で少しは是正したいと思っているが、果たしてどうなるだろうか。

せめてフットサルで活躍できればいいんだけど・・
2008年06月12日
お父さんも練習します
 昨夜は無事に朝まで起こされる事無く眠る事が出来た。夢もしっかり見る事が出来て嬉しい。
 夢というのは重要な睡眠のエッセンスだ。夢の最中に起こされる事が続くと、昼間イライラしてとても落ち着かない気分となる。夢というのには、何らかの心のバランスを取る機能があるのは間違い無い。

 しかし一方で、夢というのは睡眠が浅くなった時に見るものなので、夢を見ている最中に起こされた場合の覚醒は早い。
 つまりタイミングさえ上手く合うと、夢の途中で起こされた方が熟睡感は損なわれずにすむ。つまりタイミング的には、夢が終わり何らかのカタルシスを得た直後に起きるのが、一番目覚めさわやかという事になる。

 時にあまり良くない夢を見て、その直後に目が覚めると、「ああこれは夢だったのか、良かったなあ」と思う訳だが、そういう起き方は多分一番心に良い起き方だ。
 「不思議の国のアリス」とか「青い鳥」とかその他各種空想SF映画などの最後の場面でも、そういう状況は良く使われている。これは気持ち良い睡眠の特徴を捉えての事であるのは間違いない。そういう夢を見ることで人間の心はバランスが取れるのである。

 さてさて話はまた変わり、昨日の夜は高山選抜少年サッカーチームの練習があった。監督の好意で水曜日だけは親さん兄弟を含めた自由参加のサッカー練習という事となっている。
 良い年をした親さんとしては、今更子供と一緒にサッカーが上手くなろうと考えている人はいない訳だが、子供の目の前でカッコ良いところを見せようと考える親さんはたくさんいる。

 かく言う僕もその一人で、素人ながら経験者に負けない姿を子供に見せてやろうと密かに?鍛錬を積んでいるつもりだ。
 何時か子供の目の前で、素敵な足技で敵選手を抜き鮮やかなゴールを決めたろうと思っている。そしてその為に昨夜も子供達と一緒に地道なサッカー練習に励んだ。

 もちろんこの年だから今更てきめんにサッカーが上手くなる事は無い。心の片隅には何でこの年でこんな事をしているのという思いも抱いている。しかし自分にとって新しい事に挑戦する事が、きっと脳や身体に良い刺激になるのは間違いないだろう。

子供に混じって親さんも地道に練習
2008年06月11日
サマータイムで睡眠障害ですか
 昨日に引き続き今日も深夜未明に分娩室からの電話で起こされた。昨日は心拍が落ちるという連絡電話だったが、今日は初産分娩だったので早朝未明に出動を要する。
 とはいえ今日の分娩では珍しく適切な会陰切開が入れられていたので、縫合は容易に済み上手く眠気を維持する事が出来た。お陰で2度寝にも短い時間だったが成功する。
 
 昨日未明の分娩では出動こそ要さなかったが、何時緊急手術で起こされるか分からない状況での2度寝だったので、熟睡には失敗し寝不足感が残った。その結果昨日は一日中眠たかった。
 一方今日は未明出動を要したものの眠気の維持に成功したので、それほどの寝不足感は無い。

 睡眠とは難しい。大事なのは睡眠時間ではなくて熟睡感なのだ。これはかれこれ10年以上夜中に突然起こされ続けてきた僕だからこそ、はっきり断言できる事実だと思う。

 さてさて今地球温暖化問題と絡んで、サマータイム導入が永田町周辺で盛んに議論されている。今朝も突然分娩室から起こされたのは午前4時頃だったのだが、既に空は随分と明るかった。
 確かにこの明るい時間を殆どの人が寝て過ごすなんて随分勿体無いと思う。 

 しかし一方日本睡眠学界では、このサマータイム導入は睡眠障害を多くの人に引き起こす可能性があるとして反対しているらしい。確かに1時間生活の時間がずれると、睡眠に支障を来たす人も多くいるだろう。
 ただ年がら年中、滅茶苦茶の時間に突然起こされ続けてきた僕としては、それくらいでごちゃごちゃ言うなんて随分と贅沢な話だなあと思う。はっきり言って僕にはサマータイムごときの睡眠障害なんて問題視する気も起きない。

 それよりも僕みたいな暮らしを仕事柄、嫌でも長い事続けている人間には、何がおきても無条件で労災認定とすべきという様なアクションの一つでも、睡眠学会には起こしてこしてもらいたい。寝ないで運転して交通事故するなんて事はきっと良くある事でしょう。

 さてさていきなり話は変わり、今朝分娩室での一仕事を終えて午前5時に自宅に戻ると、既に次男と三男と配偶者は起きだして、何やら外に出かけ様としていた。何でも今日から朝早くにサッカー練習をしようと決めたらしい。
 以前は家の前の駐車場の明かりの下で、夜でもサッカー練習できたのだが、近所の人の車をサッカーボールで傷つけて以来、それは絶対禁止となったのだ。

 そこで朝早くに起きて、朝の明るい時間に公園でサッカー練習しようと、妻子は一念発起したらしい。何時まで続くかは分からないが、これは家族内の自主的サマータイムとして喜ばしいことかもしれない。

 うちの子供は親が夜中に突然呼ばれて仕事に行く姿を、きっと生まれてからずっと見続けている。
 その僕の後姿を見ていてくれるのは悪い気持ちではないが、まだ小学生のうちから睡眠不足にならないかと、そんな事を僕は心配したりもしている。
2008年06月10日
月曜の夜と火曜の朝
 昨夜も昼間からの分娩が残り、やや落ち着かない夜となった。
 僕の家では今、比較的月曜夜は忙しい。長男が通う進学塾への送り迎え、それに伴う中学校へのお迎え、次男三男の通う公文式学習塾へのお迎え、そして三男の選抜サッカーナイター練習の送り迎えがほぼ同じ時刻に重なるからだ。上手く段取りあわせて車を回さないと、誰かが寂しい?思いをしたり、夜道を泣きながら?帰る事となる。

 僕としてはこの手の事は自分で何とかしてくれないかと言いたい面もあるが、他の親さん等との各種協定もあるらしく、必ず都合をつけないといけないものらしい。だから僕は何時も月曜は早く帰ってきてねと念を押されている。

 しかし昨日は悪い事に分娩時刻とこれら送り迎えが、全く同時に重なってしまった。しかもまたまた裂傷は爆発型で縫合に時間がかかる。
 と言う訳で昨夜は兄弟のうち誰かが何処かで寂しい思いをしなければならないはずだった。とはいえ心配して帰宅したら、三男のサッカー練習が運良く曜日変更となり、何とか送り迎え業務はクリアできたらしい。大した事ではないが、家庭内ではこの辺は大問題だったりする。

 さてさてそんなこんなで眠りに付いたら、また深夜未明に分娩室から闇をつんざく電話が入った。
 深夜新たに入院してきた破水妊婦さんの心拍が落ちるから見に来て欲しいと言う。しかしここで僕が心拍を見るためだけに病院まで出動したら、火曜日の僕の仕事に差障りが出る。火曜の外来は混むし、僕もそれなりに疲れているのだ。

 僕が出動するのは分娩時か緊急手術を判断した時だけだと念を押し、緊急手術の準備と各種注意点の指示を出し再度眠りに付いた。しかしこういうパターンでは大抵また直ぐに起こされる事が多い。助産師さんとしては医師が近くにいないとやはり不安なのだ。
 今度起こされる時は深夜緊急手術で出動となるかもしれない。そう思うと2度目の眠りは浅くなり、昨夜の睡眠は失敗した。ここでしっかり眠れるのが産科医には大事なのだが、僕はまだ修行が足りない。

 そんなこんなで今日は久しぶりのうすら眠たい寝不足外来となった。結果的に緊急手術は避けれたが、分娩は外来の真っ最中の時刻となり、切迫仮死で吸引を要する。
 深夜にならなかった分はマシだが、多くの外来患者さんはその間僕を待ち続ける事となる。例によって裂傷も大きく縫合には時間がかかった。
 一仕事終えて外来に戻ると、一斉に待合室の患者さんから振り向かれて視線を強く感じたりする。だけどこういう時にはただ待っていてもらうしか他に手は無いでしょう。

 そんなこんなで僕の身の周りでは、何時も誰かが僕をイライラ?して待っている。そういう状況に慣れてはいるが、そんないつもの月曜夜と火曜の朝の事を今日は書いてみました。
2008年06月09日
産科医の仕事は?
 子供のサッカーの引率が終わり、昨夜は久しぶりに美味しい和食を食べに出かけた。この点高山は人口の割りに上手い料理店が多い。食事に満足して帰りに朝日町をブラブラしていたら、大勢のツアー観光客がホテルのツアコンに連れられて、高山のネオン街観光?に来ていた。海外でのパックツアーならともかく、国内でこういうのも珍しいと思う。
 彼らからみたら酔っ払いでネオン街を歩く僕なんて、ケニアのサファリ観光でサバンナに寝そべるカバかワニ見たいなものなのかなあと思えたりする。だからどうという訳ではもちろん無いが、ちと複雑な気分だ。

 さて今日は、予約診察の患者さんのみで、外来があふれ出す月曜日。
 名古屋に行きたいとか、沖縄に行きたいとか、柔軟体操したいとか、マタニティビクスしたいとか、おたふく風邪にかかった事が無いのが心配とか、軟膏塗ったとか、飛行機乗りたいとか、手足口病が心配とか、ジュクジュクとかチクチクとか、もろもろの臨床的にほとんど意味の無い質問を軽く受け流し、今日も数をこなす。

 妊婦さん一人一人にかけられる時間と言うのは、時間割る人数の簡単な割り算で分かる。まともな質問タイムが外来の最中に無いのはもう仕方が無いのだ。
 しかも外来の最中にやや手間かかる分娩も入った。傷も複雑で出血も多めだ。更にこの後もまた別の分娩が控えている。

 はっきり言って忙しい産科医の仕事は、傷口からの出血を止めたり、死にそうな胎児を救ったり、癌患者さんの治療に当たる事が主にならざる終えない。マタニティビクスの内容や柔軟体操の仕方を聞いたり指導したりする方が、仕事としてはずっと楽だろうが、そんな暇は僕には無いのだ。

 分娩というのは基本的に健康な人間が行うものだ。だからだと思うが今も昔も産科医には健康相談的な仕事がどうしても付きまとう。
 しかし僕にはゆっくり妊婦さんの質問に答える時間も無いし能力も無い。この手の質問には助産師外来やインターネットや雑誌を活用して欲しいと僕は考える。
 僕はもうあまりに深刻な症例をたくさん見すぎているのか、この手の健康相談的質問にはもうまともに答える気も失っている。それでなくても、僕にはまだこれからも次から次へと油断できない仕事が目白押しで待っているのです。

せめて美食で、気を紛らわそうと思う時もあります
2008年06月08日
山スキーでも仕事、サッカーしてても仕事
 土曜日の釜谷山はこの時期貴重な黒部側の大斜面を滑降できて、まあ満足行く結果だった。ただ数年来?の課題とも言える毛勝頂上よりのルンゼ急斜面滑降にはまた失敗する。
 雪面のコンディションは申し分なかったので、もう30分早く南峯まで登り返していれば晴れ間があり斜面も見えたのにという思いもある。睡眠時間を削って30分早くスタートしていれば良かったのだろう。
 とはいえ仕事で身体は疲れているし、睡眠時間は確保したい。結局は斜面が僕を呼んでくれてなかったのだ。急斜面滑降はまたの楽しみに残ったと思えばそれほどの悔いは無い。

 土曜日夕方の高山帰宅後も急患さん入院や、病棟回診など仕事が残り各種雑用に追われた。その合間には山行記録のUPもしたい。
 年一度のこの時期の毛勝山登山は何時も慌しい記憶ばかりが残っている。たまにはのんびり山行も楽しみたいが、性分の問題もあるから仕方が無い。僕はきっと忙しいのが好きなのだ(多分)。

 さて今日の日曜日は子供のサッカーのお付き合いが最大の僕の仕事だ。早朝の積み込みから始まって、萩原の飛騨川グラウンドまで出かける。ただあろう事か、また子供を乗せて車の運転をしてる最中に分娩室から電話が入った。
 引率しているのは自分の子供だけではないので途中から引き返す訳にもいかない。
 まずは状況を判断し子供達をグラウンドまで送り届けると、大急ぎで病院まで引き返す。こういう時に分娩は早く進み、裂傷も爆発型で大きかった。もちろん縫合はそつなくこなしたが、再びグラウンドに戻ったのは大分遅くなってしまった。

 分娩制限が終わった途端に忙しい日々が戻ってきた。その合間に如何に遊びを入れていくかこれがこの時期最大の僕のテーマだったりする。

最近太り気味の次男は動きが鈍い?


期待の3男の動きも今ひとつ?子供に期待をかけすぎと言う話もあり

 
2008年06月07日
今日の釜谷山周回山スキーの地図です。青線が中谷からの登り返し


釜谷山の黒部側はまだ雪がたくさん


登り返しがしんどい


毛勝南峯はガスで斜面が見えず。ルンゼ滑降はあきらめた。何もかも上手くは行きません


今日の板菱付近の状況です
2008年06月06日
診療にも優先順序があります
 要注意分娩が昨夜から進行停止と成り、やや落ち着かない夜となった。更に新たな別の分娩入院も入る。
 今日の外来ももちろん混むだろう。その他の検査もあるし上手く段取りつけないと、今日は仕事が回らなくなる可能性がある。
 ここで下手に仕事を残すと、僕にはまた週末がなくなってしまう。睡眠時間も削られるかもしれない。ここは今日は慎重に計画的に事を進めなければならない。

 まず朝一番で、妊婦さんの希望と状況の切迫度を判断し、要注意分娩の方は午後から緊急手術とする事に決めた。夜中から残った経産婦さんには陣痛促進の指示を出す。
 まず第一に外来を少しでも早く終了させる事が大事だ。深刻なガン患者さんからトホホ膣炎まで片っ端から秒単位外来でこなし、何とか昼過ぎには外来が一段落した。
 
 続いて計算どおりの時刻に経産婦さんの分娩が済んだ。これは大きい。お陰でその後に上手く段取りした緊急手術を入れる事が出来た。
 更に続いて別の緊急手術となりそうな急患診察をうっちゃり?、更に残った検査を間に済ませた。後は何とか残りの病棟回診を済ませれば今日の仕事も一段落できる。
 分娩制限が終わりまた何時もの忙しい日々が戻ってきたという事だろう。慣れていはいるが、楽ではない時間がひたすら続く。

 さてさて医師には診察応召義務があるとされている。どんな忙しい時でも、求めて受診してきた患者さんを診察するのは、医師の使命と多くの人が考えるのだろう。しかし一方世の中には労働基準法というのもある。
 苦しんでいる人がいれば救いたいのは人間の性だ。とはいえひたすら寝食忘れ仕事し続ける事は、一時的にはともかく何年もとなると、どんなスーパーマンにも不可能だ。

 医師の時間だって有限だ。一人の患者さんを余分に診察しようと思えば、どこかで別の患者さんの診察を拒否しなければならない。医師の診察応召義務と言うのは、忙しい医師には明らかな矛盾を含んでいる。
 重要なのは優先順序だ。命に関わる事項を優先し、どうでも良い診察は出来るだけ避ける。それが僕のような立場の医者には大事な事とだと言える。

 それにしても外来と言うのは色々な患者さんが来院する。どうでも良い診察の中にはトホホ膣炎というのがある。
 陰核をこすってヒリヒリするとか、膣前壁膀胱部を指で押して何かあるとか、膣粘膜襞が性交の邪魔になるとかだ。これは誰でもある当たり前のモノで、もちろん病気ではない。しかしこの手の主訴で受診される方の人数は徐々に増えている気はする。多分独身の高齢女性が世間に少しづつ増えてきているからだろう。
 一方で今か今かと緊急手術を待っている人がいるのに、これらトホホ膣炎で時間を取られたりすると、「そりゃ無いぜ」と思う時も現場では多かったりする。
2008年06月05日
営業さんも大変なのは分かりますが・・
 昨夜は早く仕事が終わったので、次男、三男のナイターサッカー練習に飛び入り参加し親子サッカーも楽しめた。
 もう2週間以上山にも行かず、かと言って他に何かトレーニングをしている訳でも無いので、運動不足が著しい。
 せめて子供たちの間で走り回り、何とかカッコ良いシュートを決めたいと思ったが、そうは上手く行かず昨日もノーゴールで終わった。

 足技も決まらないし、どうも僕はサッカーの様な瞬発力系スポーツはあまり向いてない気がする。
 昨夜子供や配偶者と一緒に行った縄跳びでも、子供達の半分も飛べずにばてた。そういえばスキーでもジャンプターンすると直ぐに息が続かなくなる。やはり僕の足の筋肉には白筋より赤筋の方が多いのだろう。
 となるとここはせめてピッチを走り回って運動量で勝りたいと思うが、あまりグラウンドを走ると今度は関節や肉離れが心配だ。色々と難しい年頃?だと思う。

 さて2ヶ月間の分娩制限が終わり、今朝も分娩室からの報告電話で一日が始まった。早速とある理由の要注意分娩が入ったと言う連絡だ。朝から少し気が重い。今日の外来もしっかり混むし、仕事はじわりと忙しい。
 山の雪ももうほとんど溶けてしまった様だし、これからまた忙しくて蒸し暑い梅雨から夏の季節がやってくると思うと、暗い気持ちになったりする。

 さてさて話はまた変わり、ここの所仕事の合間を縫って、各社MRさん(MRという言葉の意味は省略。要するに薬屋さんの飛び込み営業?みたいなものですけど・・・)がとっても良く僕のところを訪ねてくる。理由はとある新薬のPRだ。 

 この春から夏にかけて婦人科の分野では2つの大型ホルモン系新薬が発売される事となった。一つは生理を来させなくする微量黄体ホルモン剤で、もう一つは保険収載される事が決まった低用量ピルである。
 共に子宮内膜症による月経困難に使われる事となっている。定用量ピルの方では2つのメーカーが同じ薬を同時発売するらしい。つまり似たような?薬が一気に3つのメーカーからこの春夏の新薬として発売されるのだ。

 この3つの薬は似たような症状で使われるため、はっきり言って競合する。
 つまりこの3社は今しのぎを削って新薬のシェア争いを繰り広げようとしている。競争が悪いとは言わないがご苦労な事だと思う。営業の仕事は大変だ。僕にはとてもこの手の仕事は出来ないだろう。

 もちろん僕はわざわざ岐阜もしくは名古屋から、はるばる電車もしくは車でやって来るMRさんを、邪険に扱うなんて事はしない。
 しかし高山のような田舎でさえ、多くのMRさんが訪ねてくるのだから、都市部ではもっと多くの方が営業?に走り回っているに違いない。この3社のシェア争いは今おそらく日本全国の婦人科病院で繰り広げられているのだ。

 とは言ってこの3つの新薬に何か特別なか決め手があるわけでは無い。だからどうも僕にはこのシェア争いはあまり建設的なものとは思えなかったりする。 
 別にMRさんの営業努力を悪いとは言わない。MRというのも、それで食べていける立派な職業だ。
 しかし何だかあまりに不毛な競争をしていたりすると、その彼らの労働力が勿体無いと思える時も、実はかなりあったりする。
2008年06月04日
延べ500人は無いでしょう
 分娩を制限していた2ヶ月間がついに過ぎてしまった。6月からの分娩予約数は通常と変わらぬ数字だ。
 具体的にはこれから1日に1人の割合で分娩が入る事となる。分娩は24時間何時でもあるからこれからまた不規則勤務の寝不足の日々が始まる訳だ。
 とは言うものの昨日今日とあった分娩は全て運良く昼間であったから、今のところ寝不足業務は無く済んでいる。このまま深夜業務無い日々がずっと続いてくれたら良いとも思うが、もちろんそんな甘い事は決して無いだろう。

 さてさて昨日テレビを見ていたら、四川大地震で派遣された国際緊急援助隊の医療チームが中国から帰国したというニュースが流れていた。さぞかし多くの人を救うために懸命の努力をしたのだろう。とりあえずは比較的明るい方のニュースだと思う。
 だが次の瞬間、緊急援助隊チームは延べで約500人を診察しましたとキャスターがコメントした。それを聞いて僕は思わず椅子から転げ落ちそうになった。これはちと桁が少なすぎるんじゃないかと思ったのだ。

 ちなみに僕ですら昨日一人で100人近くの方を診察している。ドック検診や入院患者さんも含めると僕一人で週に500人くらい診察する事もある。
 500人と言うのはわざわざ選りすぐりの方?数十名が、国を背負って飛行機飛ばして出かけていった割には随分と少ないんじゃないか。

 そこでちと気になって調べてみた。
 そうするとどうも、今回の派遣医療チームは被災地に直接入る事ができず、主に成都の大病院で診療に当たったらしい。
 成都から被災地まではまだかなりの距離がある。また成都は僕も20年ほど前にいった事があるが、四川省中心の大都市だ。
 つまり日本の国際緊急援助隊チームは、阪神淡路大震災で喩えると、神戸に入る事が許されず大阪の大病院で、ほとんど通常に近い業務に少しずつあたった様なものなのだろう。
 
 ニュースでは盛んに中国人の感謝の声が流れ、感謝の大弾幕や旗が掲げられていた。しかしこれも申し訳ないが500人診ただけの割には大げさじゃないかというのが僕の印象である。
 僕のいる小さな田舎の病院だけでも普段一日で500人以上の外来患者さんが受診する。
 感謝されるのは悪く無いが、どうもあまり実際的で効率的な活動はこの医療チームは出来なかった気がする。
 
 日中友好は良い事だ。しかし今回の派遣はあくまでも人道的な緊急援助である。残念ながら日中友好は目的ではない。中国の思いと日本の思いは今回きっと噛み合わなかったに違いない。
 なかなか緊急の人道援助と言うのは、ミャンマーでも中国でも難しいのだろう。これはニュースで端々に感じられるが、本当に苦しんでいる人たちの思いを他所に、他国の人の親切の多くは空回りしているのじゃないか。こういう事は今回にみならず、きっと多くの他の日本の海外援助活動にも当てはまる気がする。

 今回の事はもちろん派遣された医療チームが悪い訳ではない。彼らは善意の塊で普段の自分の仕事を差し置いて中国まで出かけたのだ。しかし日本でそのまま働いていた方が、のべ500人よりもっと多くの人数の患者さんを同じ時間で診察できたのじゃないかと思えたりもする。こう書くとあまりに酷いニュースの読み方かもしれないが、果たして真実はどうなのだろうか? 
2008年06月03日
研修医先生のお仕事はなに
 昨日は一通りの仕事を終えてから、新たに研修医として高山にに来てくれる事となった新米先生に、産科救急に関する講義を行うという機会があった。

 医学部卒業生が自分で研修先を選べるという新臨床研修医制度が厚生省主導で導入され、高山の様な地方に研修に来てくれる研修医先生の人数は格段に減ってしまった。しかしそれでも2年に一人くらいの割合で、高山に研修に来てくれる変わり者?ドクター(多分僕もその一人でしょうが)もいる。
 今年は、都会の大病院での研修に馴染めず、6月より飛び入り?で高山に来てくれた2年目研修医先生も見えるので、今病院には1年目1人、2年目1人と2人の研修医先生がいる。これは久美愛病院では比較的恵まれた年だろう。

 実は研修医先生の最大の仕事は、夜間の救急外来における当直業務である。多くの若手新米医師というのは、夜間の救急外来でその最初のキャリアを積む。
 世の中には、救急外来を受診して、研修医にしか診て貰えない事に不満を持つ患者さんも多くいる訳だが、それは仕方が無いことだ。ただでさえ少ない医療マンパワーを効率より提供するには、1次的な夜間救急を研修医先生に診て貰うのは、もう仕方が無い事と言える。

 研修医先生の方としても、救急外来と言うのは医療の基本を学ぶ場としてうってつけの現場だ。寝ずにがんばれる若さのパワーも有る。おそらく1次の深夜救急は若手新米医師がまず受け持つと言うのは世界中何処でも共通の事だと思う。
 しかし幾らなんでも、卒業したばかりの1年目に救急外来の全てをいきなり任す訳には行かない。何かもし特別なトラブルがあったら、患者さんも医師も病院も不幸な事となるからだ。

 そんなこんなで、昨日は研修医先生相手に、とりあえず産婦人科救急をソツなく無難にこなすための即席かつ実戦的講義を行った。その主目的はもちろん研修医先生の教育なのだが、もう一つの隠れた目的はできるだけ産科医の深夜呼び出しを減らす事でもあったりする。毎晩毎晩電話が救急からかかってくると、それもなかなか大変で僕の身体が続かない。

 さてさてとは言うものの医療はマニュアル化が難しいものだ。現実の臨床の場では例外がとても多い。昨日も即席医師養成講義を行いながら、例外的な事態が起きたら、彼らもきっと大変な思いをするだろうなあという思いを持った。

 杏林大学の割り箸片見逃し事故のような症例がもし救急に来たら、ベテラン医師でもきっと見逃す事はあるだろう。
 一人前の医師になるには、実力や経験のみならず運も必要かもしれないと内心思いながら、それでもまずは即席マニュアル講義を行う僕なのでした。 
2008年06月02日
交通事故より危険なものは
 昨日は子供たちのサッカーやら、小学校文化の日、茨城の実家から両親が訪ねてきたりと、何だかんだと盛りだくさんな一日であった。とはいえ病院は落ち着いている有難い日曜日で、割と行動も自由にできた。

 そんなこんなで、昨日の僕の主な仕事は、子供や両親の送迎業務であった。
 僕のくたびれ愛車イプサムであちこちと走り回る。さてニュースでは昨日より法律が改正されて、自動車の後部座席でもシートベルト着用が義務化されたらしい。
 送り迎えは僕の家庭での主要業務の一つだが、これからは後部座席に乗る者にシートベルト着用を促さなければならなくなった。主な僕の後部座席利用者である子供達は、きっと面倒に思うだろうが、自分のためだから我慢させよう。 

 更に昨日より自転車は車道を走るのが原則化されたらしい。僕は雪の無い時期は何時も病院まで自転車通勤で、何時も車道でなく歩道を走って通勤している。
 僕の通勤時間帯では歩行者は少ないし、車道を走ると自動車との衝突が危険だ。僕の知り合いの医者にも自転車で走ってる最中に自動車に轢かれ亡くなった方もいる。

 とはいえ全国的には自転車は被害者となるより加害者となる率が圧倒的に高いという。仕方が無い改正ではあるののだろうが、とはいえあまり嬉しい道交法改正とは思えない感じだ。
 まあこれからは通勤時に、車に気をつけて車道を走ろうかなあ・・・。多分すぐ横を自転車に走られる自動車運転手は、あまり嬉しく思わないだろうなあ・・・。

 さてさて道交法の改正はともかくとして、現実には世の中に交通事故よりずっと数が多くて危険なものがあるのをご存知だろうか。それは医療関係者なら直ぐにピンと来るだろうが、自殺である。
 日本の交通事故死者数はここ数年急速に減っており、多分去年は年間6000人位だと思う。
 一方自殺者数は35000人を越えている。原因不明でうやむやになっている方の人数を入れると、実際には毎年4〜5万人くらいの方が国内で自殺で亡くなっているのではないか。つまり何と交通事故の7〜8倍だ。これは大変な数字だと思う。

 つまり交通事故を減らす努力をするよりも、自殺を減らす努力をする方が、国の喫緊の課題であるというのが僕の考えだ。
 僕の周囲でも、交通事故で亡くなられた妊婦さんはいないが、自殺で亡くなられた妊婦さんはいる。交通事故死の方より自殺された方より遥かにあきらかに多いのだ。

 道交法改正が悪いとは言わないが、まずは各種メディアによる自殺幇助禁止の法律を作っていただきたい。。
 交通事故を減らすための努力は世間で散々行われている訳だが、それにひきかえ自殺を減らす努力が少なすぎる。その事を僕は今日書いておきたいと思いました。
 
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