館長人事ファイル

本名 F8
自閉連邦での名称。純粋文字言語であるため、正式な発音は存在しない。発音する必要がある場合は、そのときの会話で使われている言語の発音に合わせるものとする。

通称 ニキ リンコ(NIKI Lingko)
地球人としての名称。地球で自閉文化の啓蒙・普及を図るにあたって、地球人らしく、発音可能な名前をもつ必要に迫られたので。LingkoはLingo(宇宙語)とLink(閉じた環)との合成。

別名 マルハナバチ
地球でネット社会に登場するにあたって、あまり深く考えずにつけたハンドル。ところが、スペースもナカグロもなく、カナばかり6文字も続けた単語は非常に読みづらいことに気づき、しだいに使われなくなった。

出生地 地球
そのため、故郷の星は未だ見たことがない。ただし、頭の中にポータブル故郷を持っている。

種族 共生生物と思われるが、未確認。
ホスト(本体) 混血らしい。先祖の大部分はアスペルガー星系のMクラス惑星に分布するヒューマノイド諸種族であると思われるが、カナー星系に分布するヒューマノイド諸種族、地球人などとの雑婚の可能性も否定できない。

共生体 体内に、連邦の友好星であるADD惑星原産のADD共生体が共生しているのではないかと思われるが、20世紀の地球の技術では確実に確認する方法がないので、推測でしかない。

ADD生物は地球人にも共生することがあり、地球人の数%がホストとなっていると言われる。地球人の場合、ADD共生体が共生すると行動特性に明らかな変化が現れるため区別しやすい。ところが、自閉連邦を構成する諸惑星に分布するヒューマノイド諸種族の中には、共生体を持っていなくても、ホストそのものが、共生体をもつ地球人と類似の行動パターンを示す種族がいることが確認されている。

そのため、地球の地球外生物研究者の中には、連邦諸種族のADD的行動はすべてホストの資質によるものであるとか、連邦諸種族の身体はADD共生体のホストになり得ないなどと短絡する者もいる。館長の場合、体内に共生体の存在を感じているため、そのような決めつけは、自分の中に住む共生体に対して失礼ではないかと不満を持っているのだが、現代の地球の技術では確認する方法がなく、連邦の領域へ帰還する道も閉ざされている以上、地球人の研究者に協力し、時に激励することによって、技術が追いつく可能性に期待するしかない。

なお、トリル族の場合と違い、この共生体はホストを乗りかえることはなく、ホストと生死を共にする。また、独自の記憶や思考は持たず、気分、気性、気風のみに影響する。

経歴(地球歴の西暦による)
1965年出生。
1966年ごろより、地球人とはちがった生理的・心理的特徴を示しはじめる。
1968年ごろより、地球人幼生集団での不適応が明らかになるが、本人に自覚はなし。
1973年、自分が居住しているのが地球であることに気づく。
1975年ごろより、地球人としての不適応を自覚する。
1995年秋、ある地球人より、聴力の特徴が連邦市民のそれと類似していることを指摘される。
1996年、連邦市民の筆になる文献とファースト・コンタクト。
1998年2月ごろ、自分が純粋地球人ではない可能性に気づく。共生体の存在を確信。
1998年5月、本体が連邦出身種族であること、連邦の市民権回復資格があることを知る。
1998年8月ニューヨーク州キャナンデイグヮで開かれた在地球連邦市民の集会に参加。
1998年9月、連邦の市民権回復。二重市民権を持って地球に永住することを決意。
1999年12月、連邦在地球領事館の附属図書館を開設、館長に就任。

ただし、20世紀の日本政府は自閉連邦を承認していないため、地球での公的立場は、日本国民ということになるらしい。

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