館長私的記録(Chief Librarian's Personal Log)館長はただ自閉連邦市民として生きているだけではありません。体内にADHD共生体を共生させている「ホスト生物」でもあり、二重国籍者として地球に生きる地球市民でもあり、地球人の男性と結婚生活を送る猫妻でもあります。また、連邦市民としては当館の館長を務めるかたわら、生まれ育った地球に恩返しをしながら地球での滞在費を稼ぐため、おもしろそうな原書を発掘しては日本の出版社に紹介し、翻訳することを生業としています。そして、おいしい食べ物とコーヒー、花と香水、レトロな建物、軌道のある乗り物(特にモノレールとトラム)が大好きです。この記録は、そんな館長の地球生活の記録です。一人の自閉者としてだけでなく、ADHD的特性をかかえて生きる者として、出版業界に生きる者として、一読書人として、ただの食いしん坊として、贅沢者としての毎日を記録していきます。
■4月1日。■
気分も体調ももう一つだし、部屋の掃除もはかどらないので、とうとうこれまでの禁を破って壁紙貼ってしまった。どうも私は、元気がないときは黄色のギンガムを求めるらしい。読みにくいという方、申し訳ない(付記 2003年8月6日、壁紙を削除しました)。
掃除は続くよいつまでも。実は、26日の夜に一人がけソファを5つも捨てたのは、リビングダイニング兼用ソファというやつと買い替えるつもりだったのだ。リビングダイニング兼用ソファってのは、ソファのくせに座面が高くて(食卓椅子や事務椅子くらいの高さ)、やや固めであまり沈まないやつ。ファミレスのベンチみたいな方式ですね。それにしたら、食べて即そのままだらだらできるという計算だったんだが、古いソファを捨てたのになぜか部屋が広くならなかった。これでは新しいソファを置く場所がない! 注文ハガキを出そうとして、途中で思いとどまって良かった。
新しいソファを注文できるのはいつのことやら。
■4月1日午後。■
引き続き、大掃除中。
夫もいるので、一人でやってるよりずっとマシ。なのになぜか広くならない。昨日までで45リットルのゴミ袋を16杯出したし、今日もまだ運びだしてないけど4杯が玄関に積み上げてあるのに、有効床面積が広くならないのはなぜだろう? 確かに、床面積の拡大につながらないような作業もしているんだけど(布団カバーを洗って掛け替えたりとか)。
私たち夫婦が住んでいるマンションは、いわゆる「ファミリー向け」とかいう物件で、子どもが二人、三人いる夫婦とか、三世代同居の家族とかが多い。そんな所に子なしの夫婦二人で住んでいて、なぜこんなに狭いのか。そして私は、いつになったら仕事に戻れるのだ?
あ、後書き書かなきゃ。
■4月1日夜。■
掃除は終わらない。夕方、玄関に積み上げてあると書いていた4杯の他に、さらに5杯を運び出した。今も、もう1杯玄関に積んである。ってことは26杯。なぜ広くならない?!
広さにつながらない作業としては、洋服だんすの防虫剤と乾燥剤を入れ替えました。まあ、買い置きで放置されていた防虫剤と乾燥剤の占めていた場所が空いたけどね。
もう一つ、広さにつながらない作業をしたぞ。お茶っ葉を、「お茶パック」とかいうやつに1回分ずつにして詰めた。急須の茶がらを捨てるのが楽になるとかいうやつ。本当はこんな作業、ティーバッグを使えば、あるいは夏だったらペットボトルで買って来れば必要ない作業なんだけど。お茶の葉って、一度も買ったことがないのに、お通夜だとかで夫がもらってくるので、いつもあるんだよね。これを使い切ったらティーバッグだ! といつも思うのに、一度も実現したことがない。
■4月1日深夜。■
終わらないけど嫌になったので掃除はやめた。まあ、ソファくらい置けるだろうから、明日、注文書は出してしまうことにする。ちょうど、郵便局に行く用事もいくつかあるところだから。M先生、お借りした本、お返しします。T先生、フロッピー送ります。あと誰だっけ。あ、おかるの試用期間が過ぎそうなので、それも払わねば。
明日は月曜で図書館が休みなので、明後日の火曜までには、本を少しやっつけるぞ。隣町の図書館には、入口の外に「市民の本だな」とかいうのがあって、不要の本を置いていったら、ほしい人がもらっていくシステムになっている。欧米系の在日外国人が比較的目立つ地域で、そのせいか、洋書も置いておくとけっこうなくなっていく。火曜日は生協の配達なので、それが終わって一服したら持って行こう。そして、帰りに、図書館の近くのファミレスで、一人でお昼食べるんだ(まあ、食べられそうなら、だけどね)。
それにしても、お腹の風邪からもうすぐ1週間たつというのに、まだ熱が下がらない。これを書いている今は、37度6分。まったく〜。首やら背中やらが凝って、頭痛の元になっているみたいだ。お腹もなかなかスッキリとはいかない。どうしてこう、いつまでもだるいんだろう? やっぱり、1日くらい、おとなしく寝ているべきだったんだろうか。金曜日からは東京へ行こうと思っているので、それまでにはしっかり治しておかないと。月曜は郵便局、火曜は生協と図書館、水曜は病院だから、うーん、休養するとしたら木曜か。その間も仕事を進め、後書きを書き、これでは掃除の続きはいつになるのやら。
■4月2日■
昨夜はあまりのダルさに早々と寝てしまった。朝、夫が出ていったのにも気づかず眠り続け、玄関のインターホンの空耳で目を覚ます。まあ、確実に空耳という証拠はないけどね、押し逃げってこともあるから。
T先生にフロッピーを送り、M先生に返す本を送り、おかるの使用料を払ったのはいいが、ソファーの注文書を忘れてた。まあいいや。明日、図書館に行くときにでも出そう。帰り、市場で花を買ってきた。白いカラーとオレンジのガーベラ、マーガレットとかすみ草少々のアレンジ(というかお買い得セット)、それに単品で黄色のフリージア。
ああ、今年もフリージアの季節に行けなかったなあ、八丈島にも沖永良部島にも(こう書くと行ったことがあるかのように聞こえるかもしれないが、フリージアの季節以外にも、どちらも行ったことはない)。私はフリージアが大好きで、その上、花はちまちました植え込みよりも、単品がバルクで植わってるのが好きなので、見渡すかぎりのフリージアなんて光景には憧れがあるのだ。見渡すかぎりのハナビシソウとか、見渡すかぎりのラッセルルピナスとか、見渡すかぎりの梨とか、見渡すかぎりのシバザクラとか、見渡すかぎ……いや。もうやめよう。
私は日本庭園もイングリッシュガーデンも好きじゃない。先にも書いたとおりのバルク派なので、見渡すかぎり単品ってのが好きなのだ。でも、マンションのベランダでそんなことはかなわないし、そもそも植物の手入れなどできるような柄ではない(ポトス以外は何でも枯らす)。前に住んでいた社宅では、前の住人が残して行ったとおぼしきキショウブ(その名のとおり黄色いショウブ)やラッパ水仙、ハナニラ、果てはチューリップまでが時期になるとにょきにょきと勝手に生えてきては花を咲かせていたけれど。ラッパ水仙なんか、知らずに踏んづけてたのに、ある日突然立ち上がったものなあ。だから宿根草なら望みはあるのかもしれないが、それも地植えだったからこそで、プランターで水をやらなければいくら宿根でも無理だろうね。だから、花はよそで見るに限るのだ。自分では世話をせずに、盛りのときだけ花の名所に行って、金を払って、そのときだけ見物するってわけさ。
単品バルク派といえば、これは母の影響なのかも。私は子どものとき、大阪市中心部のビジネス街のマンションに住んでいたけど、そのころ母は、狭いベランダに白いプラスチックのプランターをぎっしり並べて、単品バルク栽培をやってたもんだ。決まってパンジーかサルビアかペチュニア。それ以外は見たことがない。田舎の庭つきに引っ越してからは多品種少量栽培に切り替えたらしいので、あれが母の本来の好みなのかもしれないが。
明日から、生協の配送の時間が変わる。もうずっと前から予告されていたことなので驚きはしないけど、やっぱりその日が近づいてくると緊張する。うちは配送が火曜日の班なのだが、このごろときどき、月曜の朝に、「実は今日、火曜だったかもしれない!」と慌てて暴れるという発作様のものが起きる。そんなにストレスになってんのか?
明日は生協、それから隣町の図書館に本を捨てに行って、帰りにファミレスだぞー。わかってるのか? 大丈夫か?>自分
■4月2日夕方■
今日は、後書きをひねりながら、善意の本だなに置きに行く本を選んだ。どうやら旅行かばん一杯分では収まらないらしく、2往復しなければならないらしいことがわかった。まあいいさ、少しずつ持って行けば。ファミレスで外食も2回になることだし。
続いてもう二度と着ないであろう冬物のコートやジャケットを捨て、ビールのケースとおしょうゆのストックを流し台の下に移動させ(二度と使わないであろう調理器具を捨てたら流し台の下が広くなったので)、100本以上あったビデオテープを箱に詰めて押し入れに入れた。これだけやったのになぜ家は広くならないんだろう? 結局、鼻がかゆくなっただけじゃないか、全く。
そういえば、もうすぐ10回めの結婚記念日を迎える。ってことは、親が持たせてくれた嫁入り道具も10歳ってわけね。うちはたまたま子どもがいないけど、子どもがいてふだんに使ってたら、食器なんて今ごろばんばん割れてるころだと思うぞ。まあ、うちは私がかんしゃく起こして割ることもあるけどね。あまりにも使わない食器は、あげるなり売るなり捨てるなり、処分しちゃおうかな。時効だってことでさ。
そうそう、出したゴミはこれまでで29杯になりました。5000円、じゃなかった、御声援ありがとうございます。
■4月2日深夜■
ところで、昨日の記述の内容は、全部本当。残念なことだが、私にはセンスの良いウソを考える才能がない。ウソといえば、「部屋がすっきり片づいた!」くらいしか思いつかない。これはこれでADD仲間には受けるかもしれないが、後が空しくなるからな。
注文していた耳栓が届いた。嬉しいが、また郵便局へ支払いに行かねば。午前中に届いてくれてたら、他の支払いといっしょにできたのにな。
明日から生協の時間が早くなる。ついでに、担当者も変わる。慣れるまで大変だ。心してかからねば。明日は筍入りがんもどきと、マグロの角切りと、さつま揚げが届くのが楽しみ。
久々に、花のある食卓は嬉しい。花瓶の横に輪ゴムやらクリップやら何かの袋を開封したときに出たとおぼしき三角のビニールのクズやら判読不能のメモやら判読可能なるも意味不明のメモやら大事な領収書やらミイラになりかけたミカンやらギョウザのたれの小袋やら七味唐がらしの小袋やら爪楊枝やら誰のかわからない携帯の番号やらがあふれているのはご愛敬ってことで。
冷凍庫は予定通りの場所に置けたものの、電源を入れるには至っていない。電源を入れるには、まだまだコンセントの前に積み上げた段ボールをやっつけなくてはならない。ここで自分にプレッシャーをかけるため、e-shopの冷凍便を注文してしまうべきだろうか?
■4月3日■
なんだか、先の見えない家事に、やる気がなくなってきた。やればやることはいくらでもあるのだが、「だから何なの?」という気になってくるのだ。やりたい仕事はたくさんあるし、時間は有限だし。物を減らしてすっきり片づければ、引っ越すときに小さな家しか見つからなくても大丈夫だし、家賃も安くあがるのかもしれないけど。でも、そんなことより、私はもっとがんがん仕事したいや。必要な本はまだまだ、山ほどあるのだから。
この先の夫の転勤も、転居も、確かに不安ではあるけれど、もう、それもどうでもいい。机の前に座ってしまえば同じではないか。同じ机があり、同じパソコンがあり、同じ椅子があり、同じソファがあるならば。
■4月4日■
大掃除に意欲を失ってからというもの、何となく優先順位がつかなくなってしまった。やっぱり私はこれまで、イベント中心にスケジュールを立てていたんだろう。イベント中心も悪くはないけど、途中で飽きたときにいきなりペースが崩れるのはつらい。昨日は善意の本だなに本を置きに行くと決めていたのに、やる気をなくして、行かなかったのだ。いや、行かなかった理由は、もしかしたら半分使い残した豆腐と、進みすぎたキムチを食べてしまいたいから、炒り豆腐にしようと思ったせいで、ファミレスで外食っていう計画が崩れてしまったせいかもしれない。
まあとにかく、今日は病院で、明日はe-shopの冷凍便が届いて、明後日からは3日間、東京&横浜。東京にも横浜にも、温泉や鉱泉の銭湯がたくさんあるようなので、銭湯めぐりが楽しみ(何しに行くのやら)。名古屋のクラウンホテルや関空周辺のガーデンパレスのように、温泉つきのビジネスホテルってあればいいのにな(川崎の向河原に一軒あるとか聞いているが、未確認なり)。
病院に行く途中で、今日こそはソファーの注文書を出すぞ。あ、耳栓の代金も払わなくては。
善意の本だなへ持って行くつもりの本をキャスター付きのカバンに詰めてしまったので、病院には別のカバンで行かなくてはならないことになってしまった。どれ持って行こう? ああ、東京にはこのカバンで行くんだから、やはり明日には図書館に行くしかないなー。e-shopの冷凍便は午前中指定にしたので、昼からですね。
予定というのは、一つ崩れるとこのとおり、将棋倒しになるものなんだ。だから私の中のPDDの部分はそれをひどく不安がるのだが、私の中のADHDっぽい部分は、せっかく決めた予定を守ってくれず、PDDの部分に多大な迷惑をかけてくださる。ありがたいありがたい(皮)。
私のネット仲間に、母親が(たぶん)ADHDで子どもがアスペルガーっていう親子がいるのだが、その子育てエピソードを聞いていると、私が一人でやってることとそっくりだ。計画を守る能力の弱い母親が、娘のこだわりに助けられながらも、娘のこだわりを踏みにじってパニックを起こさせつつ、結果的には娘の経験の幅を広げているという、同時に損にもなり得にもなるという組み合わせである。
あーあ。私には雑務の才能ない。単調な仕事に追われてる方がよっぽどマシだ。
■4月4日午後〜夜■
今日は何だかサプライズの多い日だった。は〜。
昼間書いたような事情で、いつもと違うカバンを持って病院に行ったら、待合室のBGMが変わっていた。ずっとオルゴールだったのに、ピアノ曲になっている。私が違うカバン持ってきたせいか?! とあわててしまったじゃないか(関係ないって)。
帰ってきて、「にんげんゆうゆう」でアスペルガーの話があるというので見ていたら、いきなり杉山先生が出てきてびっくり。「先生ー、タレントでもおすもうさんでもないのに、何でテレビ出てるのー」という感じ(テレビに出るのは、タレントとおすもうさんだけなのか? そろばんの先生も出るし、気象予報士も出るぞ)。夫に「ふえ〜ん、びっくりしたよー」と泣きついたら、「そんなん、アスペを良く知ってる専門家なんて数が少ないんやから、確率から言うて驚くことないやん」と言われてしまった。でもねぇ、ちょうど別件で先生にメール書いていた途中だったので、何かよけいに気持ち悪かったです。
そうそう、その「にんげんゆうゆう」のテーマ音楽も変わっていた。まったく。まだ始まってないつもりでぼーっと聞いていたら、いきなり郭アナウンサーに挨拶されて不意打ち食らってしまったのだ。
で、このごろマメに見に行っているとあるサイトのトップのデザインまで変わっていた。まあ、こちらは前兆が見えていたので、覚悟していたけどね。一部のページでスタイルシートを導入していたので、やるんじゃないかなという気はしていたから、ぎりぎりセーフだった。でも、なにも病院のBGM、ゆうゆうのテーマ音楽、杉山先生と同じ日に続かなくてもなあ。
■4月4日夜、付記■
杉山先生をテレビで見て驚いた理由に気がついた。
私は、「スギヤマセンセー」という音列を一セットで覚えていた。ところが、番組のアナウンサーは「スギヤマサン」と発音したんだな。だから、それに続いて杉山先生の声が流れてくるという心の準備ができていなかったのかもしれない(私は杉山先生の顔は――というよりホッペタの下部とあごのつなぎ目の線と、白目と黒目のコントラストは――まあ一応知っているつもりだが、私は一般に人の顔の認知が当てにならないので、当てにする習慣がついていない。だから顔はそもそもあまり見ない)。私にとって、「スギヤマサン」と「スギヤマセンセー」は別人なのだ。だから、「ふーんスギヤマサンという人が出るんだなー」と思ってぼうっと番組を眺めていたら、いきなりスギヤマセンセーの声がしたので慌てふためいたのだ。
先生、タレントでもおすもうでもないのにー。ああ怖かった。この世は全く、油断ならん場所である。
そういえば、職業は教員や医師であっても、最初に出会ったときの状況しだいで、「○○サン」でインプットされてる名前もあるなあ。そういう人も、場所によっては、誰か別の人に「○○先生」と呼ばれている場面を耳にする機会があるかもしれないってわけだな。うーん、この世はますます、油断ならん場所である。
自分はたくさん名前使い分けてるくせにー。自分はどうなんだよー。F8さんと呼ばれようが、ニキさんと呼ばれようが、リンコさんと呼ばれようが、マルハナバチさんと呼ばれようが、BLTさんと呼ばれようが、全部自分のことだと思い、平然と返事をしているではないか。これを他人の呼称にも応用することで、解決はできないものだろうか? この方法は工夫の余地がありそうな気はする。
■4月5日■
昨夜は夜更かししたので、今日は朝寝坊と決めていた。朝、冷凍食品が届いて起きる。とうとう冷凍庫のデビュー。電源を入れ、ぎっしり詰め込む。おおー、なんか結構音が大きいではないか。大丈夫なのか、私。とは思ったが、あんまり気にしないことにして再び寝る。廊下には空き箱が山になったが、これも先送りを決め込んで、さっさと二度寝。
再び目をさまして、冷凍庫を見に行く。全部ひよひよに融けてたらどうしよう〜と思ったが、ちゃんと冷えてた。良かったー。しかも、心配だった音も、もう一度行ってみたらウソのように静かになっているではないか。そうか、音がするのは、ときどき「冷やすとき」だけで、維持に入ってるときは静かなのね。ということは、開閉を少なくした方が、音のする頻度は少なくなるのかな。
鼻が痒い、目も痒い。今ごろ花粉症デビューか? と言われそうだが、たぶん、あちこちホコリが舞うようなことばかりしてたせいだと思う。そう、ホコリがつもり放題になってた所を引っかき回してばかりいたので。私が体調崩す引き金はたいてい、睡眠不足、ホコリ(あるいはカビ)、そして食べ過ぎなのだ。特に、この3つのうちの2つ以上が同時に重なったときが危ない。最近は食欲が落ちているので食べ過ぎの心配は少ないけれど。睡眠不足も、2つ目の薬を足してから、わりと早めに寝ることが多くなったので最近は大丈夫だったんだがなー。昨日は薬を休んだせいもあってか、だらだらと夜更かししてしまった(まあ、遊んでたんだけど、偶然ながら収穫の多かった日で、夜更かしした甲斐はあったので後悔はしてないが)。しかし、なぜ、「よくある副作用」に「不眠」と書かれている薬で良く眠れるんだ、私は。そして、なぜこの薬を休むと夜更かしするんだ、全く。
明日からは東京行きなのだから、気をつけなくては〜。というわけで、もう少しだけ三度寝をすることにしました。いやこの時間なら昼寝か。夕方には今度こそ図書館へ行ってきます。でないと明日のカバンが空けられない。オヤスミナサイ。
■4月5日、その後■
結局、昼にいっぱい寝たせいか、夜、寝られなくてチャットで徹夜してしまった。何でこう、明日出発という日に〜。今日の議題(?)は、日本の賃貸住宅事情(笑)。私と同じように、がら〜んとした部屋の好きな人といっしょになったので、いかにして狭い部屋を広く見せるかなんて話もしていた。どうして狭い物件なのにわざわざ壁をいっぱいこさえて部屋数を多くするんだろうー、四畳半って息が詰まりそうで苦手だー、狭いんだからせめて、床の色くらい統一してくれーなんて話で盛り上がる。そう、二人とも、天井が高くて見晴らしもよくてひたすら広い空間にでかくて大味な家具をどでーんと置いてへらへらと暮らしたい派なのだ。
こういう点で趣味の合う人がいると、なんだか嬉しい。もちろん現実はなかなかそうはいかないんだけど。特に彼女など、「ひたすら広い空間」という部分が実現していないのに、「でかくて大味な家具」という部分だけが実現しちゃってるようで、これじゃ悪いとこ取りになってしまうんで話を聞いてると何だかずいぶん狭そうである。
それにしても心配なのは、秋の転勤後の住まいで、私なんかの気に入るような物件が見つかるかどうかである。今の部屋は奇跡的に見つかったと言っていいような大型の物件で(床面積が大きいが、部屋数は普通だし、設備も特に豪華ではない。だから家賃は高めではあるものの、構造も設備も並みなので、法外に高くはない)、それでもなお、全体の床面積には満足しているものの、一部屋が狭いなーと感じている私なのだ。これと同じ広さでこれ以上部屋数の少ない家はもちろんのこと、これと同じ広さの家なんてまず見つかりそうにないと思う。あったとしてもムダに豪華で家賃がとんでもなく高いか、部屋数が一つ多いか、どちらか(あるいはその両方)だろう。やっぱり2軒借りるのが一番現実的かなあ、なんて思いながらも、そうそう都合よく隣接する2軒が見つかるだろうかと考えると気が重い。
ちょうど運良く、住まいについての趣味の一致する人と二人きりになったので、チャットしながら転勤先の近所の不動産屋さんのサイトで物件を検索してはURLを貼り、「これなんかどー思う〜?」「おおー、ここならふすまをはずしたら二間続きの和室が一見12畳のように見えるよ〜」などと品定めをして遊ぶ。「洋室も和室も床の色が揃ってる方が広そうだよね」「和室の畳に絨毯敷くのって貧乏くさいから、いっそ洋室にゴザを敷いた方がいいんじゃない?」「畳がヘリなしの琉球畳だともっと広そうに見えるよ」「それは無理でも、せめて、ヘリの色は濃色はやめてほしいよねえ」「カラシ色とか、薄茶色とかなら目立たないのにねえ」などと、今から言っても詮ない事ばかり語り合う。こうして見つけた1軒がちょっと気に入ってしまった(現物を見てもいないくせに! まるで見合い写真に惚れる小娘だぁ)。だけど転勤が今から半年先じゃあどうせそれまでに埋まってしまうに決まっているので、これもやはり、今から言ったって詮ないことばかり。「きっと、現物を見たら気に入らない点が見つかるにちがいない」と自分に言い聞かせて心をなだめる(笑)。
あと、二人ともハウステンボス好きだけに、情報交換なども。実は、一度でいいから、チューリップの時期に行ってみたいなあなんて思っているのだ。
■4月6日■
徹夜しても、昼寝せずにさっさと荷造り。図書館の入口外に要らない本を置きに行くという計画は、どう考えても東京出発前の優先順位を考えたらかなり下位にくることに気がついたので、旅行カバンに入ってた本はあっさり出してしまう。
朝、待っていたメールが来る。嬉しい、あと数時間遅かったら、すべての連絡が3日遅れになるところだった。しかも良い知らせ。急いで返事を書き、別の関係者にも、うまく行った旨を報告する。留守中でも機械は動いてくれるのだから、洗濯機をセットし、食器洗い機をセットする。そうしているところに、通販で頼んでいたインスタントコーヒー(笑)が届いたので、これも荷物に入れる。東京行きに必要な書類もプリントアウトし、あまり必要のない書類もプリントアウトし、向こうで人に見せびらかす原書も選んで、元気に出発。出がけにポストを覗いたら、以前シンガポールに住んでいたことのあるネット仲間から、くれるという約束だったシンガポールの1ドルコインが届いているのを見つける。シンガポールの1ドルコインは、形こそ丸いけど、円の内側に八角形が描いてあるので、八角形の大好きな私は前からほしくてほしくてたまらなかったものである。と、このように、なぜかこの日は、何から何まで幸先良く進んだ。夫との待ち合わせは、いつもと違う場所だったけど、間違えていつもの場所に行ってしまうこともなかったし。
それにしても、東京って遠いねえ。新幹線の中って、本当に飽きてしまうよ。まあ、仕事してればいいんだけど。飛行機の方が、乗っている時間が短いので体は楽だなあと思う。切符をあらかじめ用意しないといけないのと、早く行かなくてはならないのが難だけど。
仕事に疲れたので、途中からうつらうつら。東京に近づいたところで目が覚める。少し寝たせいか、起きたらいきなり気分が高揚していた。
今回はノートパソコンを持ってこなかったのだが、なにしろ荷物のほとんどが本なので、重くてたまらない。今回の宿は、夫の都合で西新宿のリーズナブルなホテル。気分は高揚していても、体は疲れていた(そりゃそうだ、睡眠不足は自業自得)ので、食べに行く店を探すのが面倒で、ホテルのレストランで食べたらショボかった。でも、移動の時間と店を探すストレスを節約してその分、本が読めたと思ったら、あんまり腹も立たなかった。読みかけの本が面白かったのだ(何という本かは、書きたいんだけどここでは書けない。もしかしたらどこかへ企画として売り込むかもしれないので)。
■4月7日■
今日は、面白そうな原書をどっさりキャスターつきの旅行カバンに詰め込んで、人に会いに行く。本を見せびらかしながら作戦会議というか、企画の前段階に当たるブレーンストーミングというか、そんな感じのもの。
確かに仕事でもあるし、ここから仕事に結びついたらいいなと思ってやっていることだけど、正直に言っちゃえば、見せびらかすこと自体が楽しくもあるのだ。日ごろは、面白い本を見つけても、いつ後で仕事のネタになるかわからないと思うと人に言うわけにいかず、ウェブに書くわけにもいかず、じっと黙ってがまんしているので、それがよほどのストレスになっているらしい。私は読書好きだが、読書以上に本自体が好きで、本以上に本屋や本屋の棚や出版目録や出版社の広告が好きで本のデータベースを検索することが好きという積ん読コレクターなわけで、コレクターにとって、仲間やライバルのコレクターにコレクションを見せびらかすことができないというのは、かなりつらい状態なのである。まあ、趣味を仕事にするからこそこういう目にあうのであって、この「腹ふくるる思い」は日ごろ幸せな仕事をしている代償だと思っているから文句を言う気はないけれど。
そんなわけで、こういう場は、「あわよくば仕事に結びつかないかな」という思い以前に、日ごろのストレスを発散し、「いやー実はねー、最近こんなもの見つけちゃったんですよーうひひひひ」をやるための機会になっているのである。この日はたまった思いを吐き出したことで、ずいぶんスッキリ。収穫もあったんだけど、収穫以前に、健康維持に必要な作業が済んだという感じ(笑)。
そして、スッキリしただけじゃなく、ふだんは目の前の作業に集中するために、あえて考えないように棚上げしている「中期目標」を思い出せる良い機会でもある。そうかー、そういえばあれもやりたかったし、これもやりたかったんだった。でも身体は一つだし、作業効率から言っても私は超優秀でもないんだよなー、もしも私が天才だったらきっと能率よくて便利だろうなーなんて思うと、ちょっぴり気分は仕事中毒モードに。
本当は、東京と横浜には鉱泉を使った銭湯が多いとのことで、銭湯めぐり観光をしようと、大阪からマイ洗面器やバスタオルに背中ブラシまで携えてきていたのに、コレクション自慢タイムブレーンストーミングが終わると、何だか観光してる時間が惜しく思えてしまって、銭湯に興味をなくしてしまった。
横浜から新宿のホテルへ帰る途中も、行きに持って来た読みかけの本を読み続け、東横線の渋谷駅のホームに立ち尽くしたまま、柱にもたれて最後まで読み終わってしまった。JRに乗り換えようと思ったら、いったんは本を閉じてカバンにしまわないと、人にぶつからずに歩くこともできないし、自動改札機に切符を入れることもできないから。でも、本を閉じたくなかったから。そんなわけで、銭湯ばかりか、今月後半の週末、連休前に考えていた夫婦旅行の計画にもあんまり夢中になれなくなってしまった。いや、旅行に行きたい気持ちはまだあるんだけど、あそこ行きたいとかあれ見たいとか、そういうことを考えるのが億劫になったというのか。旅行のことも、引っ越しのことも、大掃除のことも、模様替えのことも、家財道具の買い替えのことも、なーんか「時間かかるなー」という気持ちになってしまうのだ。まあ、要するに、もっと仕事がしたいという気になってしまったのだ。
ああ、これからはもっと効率良く暮らそうなんて気分になる。もちろん、こういう気分は休みの日に特有のもので、通常業務に戻ったとたん、「早く休みにならないかなあ〜、休みになったら○○へ行くのになあ〜」が始まるのはわかっているんだけど(笑)。それに第一、仕事が取れなければ、いくら時間を空けても仕事がたくさんできるというわけにはいかないのだった。あわわわ。がんばっていいシノプシスたくさん書かなきゃ。
ところで、鉱泉の銭湯は省略した私だが、地下街の輸入食料品店は省略しなかった。旅行カバン一杯の原書に、マイ洗面器やかえのぱんつまで持って来ておきながら、さらにこんなところでワゴンに山積みで安売りされているスペイン産のチョコレートを大量に買ってしまう私。だって容器が八角形だったし、ヘーゼルナッツが入っていると書いてあったんだもの! さらに、牛乳で作るらしいイタリアの箱入りプリンミックスと、いんげん豆の缶詰まで買ってしまう。どうしてこんな出先で、豆の缶詰なんか買ってしまうかなー。この病気は治らんなー私も。
■4月8日■
昨日あんなに「引っ越しも模様替えもどうでもよくなった、そんな時間あったら仕事したい」などと言ってた割に、もう気が変わったのかしら? 午前中は、ウィンドウショッピングを楽しんでしまった。何てったって、久しぶりの外出、久しぶりの街、デパートだって久しぶりなんだもの。家庭用品売り場とか旅行用品売り場とかを見て、何かいろいろ参考になった。
いやあ、実は、食器買い替えたいなあーと思っているのだ。今度買うなら、四角だな。皿も鉢も。正方形で、白の洋食器が欲しいんです。洋食器は和食器より糸底が浅いから、重なりの良いのが多くて、収納場所取らないし。で、普通の洋食器に和食を盛りつけると、何だかいかにも間に合わせって感じがしてわびしくなりそうだけど、洋皿でも形が正方形だと、けっこう和洋兼用に使えそうな気がするのだ。
それと、私は煮物やサラダを大皿盛りにするのが好きなのだが、深鉢や丼ってのは、取りにくくこぼしやすいのだ(こぼすのは私だけじゃない。夫もけっこうこぼしているぞ)。今は、丼がたまたまたくさんあるので、丼に盛りつけることが多いのだけど、できたら、深鉢や丼はやめて、浅鉢と深皿の中間くらいのにしたらどうだろう、なんて考えている。やっぱり、糸底が薄くて重なりの良いのがいいなあ。
まあ、そのうち、また次の仕事が一段落したときにでも、がーっと勢いでやってしまうことにしよう。あるいは、古いのを何らかの形で処分するなら、引っ越しの前にまとめて処分して、引っ越しが済んでから少しずつ買うのも、引っ越し荷物が少なくなって良いかも。
というようなこと考えながらウィンドウショッピングを楽しんでから、窓ぎわの「休憩コーナー」に座り込んで、ちまちまと一仕事。
午後、仕事が終わった夫とは小田急ハルクの家具売り場で待ち合わせ。デパートだったら地上だから地下街ほど迷いにくいと思うし、家具売り場なんかは空いてそうな気がしたから。夫を待ちながら、食器棚やら机やらをなでさすり、いろんな事務椅子にふんぞり返っては、座りごこちを味わって遊んだ。
無事夫と会えて、二人で大阪方面へと去る。それにしてもやっぱり、東京から大阪は遠いな。飲み食いしたり仕事したりしていたら間はもったけど、体は疲れる。うー。そして、新大阪から家までがまた遠いんだわこれが。なにしろ郊外に住んでいるので、しかたのないことだが。
帰ってみると、宅配便の不在通知がいっぱい。同じ会社が何度も来たらしく、たくさん入ってた割には、2種類しかなかったけれど。どちらも通販会社。帰ってすぐ、たまっていたメールの返事やら、頼まれていた調べものやら、頼まれてもいない調べものやら、原稿の修正点やら、次から次へと細かな仕事。
■4月9日■
通販いろいろ届く。リバーシブルのチューリップ帽子、そのまま食器にできる陶器の鍋、ポケットいっぱいのベストなど。昨日東京から送った荷物も。あとは不在通知が入ってたのは千趣会か。佐川急便に電話するがつながらず。
夫が携帯を忘れて行ったらしい。数分置きに鳴り続けて仕事にならない(もう11回だ!)。仕事どころか、雑用も考え事もなかなかできない。いつ鳴るか、いつ鳴るかと、体は準備状態に入ったまま。外に逃げたいのだが、いつ佐川急便が来るかわからないので動けない。早く逃げたい一心でもう一度佐川急便に電話。今度はつながり、出先の配達員に連絡してくれるとのこと。あー、また12回めが鳴りだした。
夕方、千趣会の荷物が届く。ビルケンシュトックの靴やら、新しいお財布やら、眼鏡ケースやら、小物をいろいろたくさん頼んであったので楽しみにしていたのだが、届いたのはランドリーバスケットだった。キャスターのついたスチールの大きなカゴに、黄色い防水布の内張りがしてあるやつ。私は、洗濯物入れではなく、大きなゴミ箱に使うつもりで買ったのだけどね。家じゅうあちこちにゴミ箱があるのはいいけれど、家じゅうのゴミをまとめるときには、大きなビニール袋を引きずって回り、集め終われば袋はぐてっと床の上。どうもこれではイカンと思って。さっそく使ってみたけど、キャスターがついてるので、ごろごろと転がして回れるのがなかなか快適。
お、明日は生協に続いて、教育大だぞ。火曜日というパターンは珍しいので、忘れないようにしなくては。生協は、空き瓶を出す日だな。