■ 室蘭で来月から消防隊委員が救急活動、救命率向上へ
【2008年7月1日(火)朝刊】


 室蘭市消防本部は8月から、消防隊による救急隊支援を開始する。対象は救急車が配備されていない高砂、白鳥台両出張所。心肺停止状態の患者が発生した場合、まず出張所の消防隊が消防車で駆けつけ、救急車が到着するまで救命処置に当たる。1分を争う緊急処置に有効―として注目される。

 同本部によると、消防と救急の連携は平成7年の阪神淡路大震災を契機に全国の政令市を中心に広がっているが、地方都市ではまだ広く普及していない現状にある。

 室蘭で救急車が配備されているのは東町の本署ほか入江、本輪西の各支署で計3台。高砂や白鳥台地区への現場到着時間短縮が課題だった。同本部によると、心肺停止状態から1分単位で救命率が7−10%落ちるといわれ、停止から10分後には限りなくゼロに近づくという。

 同本部は昨秋から導入への準備を進めた。新年度はAED(自動体外式除細動器)2台を両出張所に設置。春からは講義やシミュレーションをくり返し行い、消防隊員のレベルアップを図っている。

 同本部の試算では最大で10分近く現着時間が短縮できる可能性がある。消防隊は、救急車が到着するまでの緊急処置だけを行うが、担当の赤木裕之さんは「1分でも早く専門知識ある隊員が駆けつけることは有効」と話している。
(鞠子理人)

 
 


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