< ジャイアンは「中心」に反応する | メイン

 ジャイアンが人に助けられる可能性について考え続けている。積極奇異型ASのmario氏にジャイアン女性軍からかなり手厳しい反応が見られるが、私は実は少し違う。このあたりのことを考えていて、「依存でない関係は可能かも」と思い至った。

 実際私はジャイアンだけでなく診療の場で接するASの人とも「依存」とは違う良い関係を築けている。

 この関係を冷静に観察してみると、「相手が本当のことを言うことへの信頼」のようなものであるように思う。実際私自身、そういう相手から褒めてもらえることで「救われる」思いをし得ることがあったことを思い出した。

 ここで大事なことは、情緒的な邪心が入らないことだ。「相手のために自分が役に立つ」とか「相手を自分の思い通りにする」ような邪心が全く無いことがジャイアンと率直な関係を築ける絶対の条件となるのだ。

 ASの場合、そういう感情抜きに人と接することは少なく、また愛着となった場合にはなお情緒的となることは避けられない。しかし個人の努力の可能性は無いことは無いだろう。

 mario氏と私は男性同士というところもあると思うが、mairo氏から私自身に対して情緒的なアピールをあまり感じないので、私が反応することが少ないのかもしれない。

 ジャイアン女性軍はmairo氏の女性に対する見方(表現)の中に上記の邪心をはっきり見出すのだろう。

 「相手が自分を支配する下心も無く、同情さえしないで、冷静に本当に思ったことを言ってくれる」という率直さへの信頼があれば、ジャイアンは人と関われると私は思う。

 ジャイアンとASの間の困難さのひとつの説明にはなるのではないかと思う。

固定リンク | コメント (8)

コメント

コメント一覧

先生、それはアリかも知れません!!例の「佐々木夫妻」(何度もリフレインしてすみません・・・)の、子供のラマーズ法(?)出産シーンは実に感動的でした。あそこには、「助け合い」が確かにありました。

ASの彼ですが、基本的にはぐるぐるにコントロールされて嫌だったもの、時々確かにはっと「ああ本当の事を言ってくれている」という瞬間が2~3度あったように覚えています。主に、彼が「男性」としてのスタンスではなく、「教師」としてのスタンスでものを言ってくれた時の思い出ですけど。

(それでもかなり外科手術的で辛かったですが)大抵そういう時、彼はあえて「しゃがんだポーズ(注・文字通り)」でものを言っていましたね。

なんか、鮮やかな思い出ではあります。そういう事も確かにありました。(^_-)-☆
written by むーん / 2008.07.01 00:26
>「相手が自分を支配する下心も無く、同情さえしないで、冷静に本当に思ったことを言ってくれる」という率直さへの信頼があれば、ジャイアンは人と関われると私は思う。

私も、仕事場では、ここが重要になってきます。
とにかく、一寸たりとも人を操作・支配しようという下心が見えた場合、私はその人を信用することはなくなります。

この辺りの自分が、本当に恐ろしいです。

私は、自分が職場に馴染めず、辞めようと思うことはなく、職場の人間にこの『下心』が見えた時、辞めたくなってしまう。
自分は人を利用するのに、自分は利用されたくないとは・・・本当に、虫がいい話だと思います。


こんなに、自分の本心をさらけ出すのは初めてです。
自分勝手な自分を、抑える努力はしているつもりなので、社会にでると、エネルギーを使い、本当に疲れます。
written by ひまわり / 2008.07.01 01:25
個人的には、私の表現が悪くて思っているところが伝わらなかったと思ってました。以前にも手厳しい指摘を何度も受けた事がありますが、その時とは違って今回は反応がちょっとずれてると感じ、余り心に響きません(辛くありません)。

ですので、私の書き込みから読み取った“情緒的な邪心”は勘違いによるものではないかと思ったりしています。ただ書いているつもりの無い、書くつもりもなかった、私の心の揺らぎが行間に出ていた可能性もあります…

 :

先生の書かれる「相手が自分を支配する下心も無く、同情さえしないで、冷静に本当に思ったことを言ってくれる」と言う状態、今の私に近いと思います。が、残念ですが夫婦や恋人の関係であれば、それは私には難しいと素直に思います。

ちょうど“むーん”さんが書かれている事に近いのですが、親のスタンスであれば元妻と上手く関われそうな気がしています。子育てしてて思うのが「心から大切に思う、自主性を尊重、失敗も大事な経験、支配下に置かない、気持ちを受け入れるがコントロールされない」など子育てのポイントは、ジャイアンに対して、いや人(大人)に対してASが取れば良いスタンスにも一致しているように思い始めています。(そのスタンスに居る努力をしています)。
written by mario (AS) / 2008.07.01 06:07
聞きたい事がありました。

親のスタンスで相手をされるのは、ジャイアンにとってどうなのでしょうか?情緒的な邪心もなく、下心もなく、同情もしてません。でも、上から見ている事には違いないのでムカつく?ちゃんと尊重されていれば平気?

親のスタンスって事を一切見せなければ良いのでしょうが、ASは色々と滲み出る(と言うか、AS自身がそれを読めないので自分では分からない)ようですので。
written by mario (AS) / 2008.07.01 07:44
marioさん、う~ん、どうなんでしょう・・・私個人としては、自分が当時(ま、今でもですけど)すごくジャイアン的に「幼稚」だったので、彼が教師的に振舞ってくれるのはむしろ嬉しかったですね。

ただ、「親的」となると、どうでしょうか・・・要するに「父親」という事になってしまいますから、私的には、依存的には楽しかったものの、結局私の実の父親(多分AS)と彼との滅茶な喧嘩になってしまいました。

やはり、異性同士だと「親」というスタンスも難しいと思うんですよ。権力とか愛着が入ってきますから。彼は、たまたま援助職だったので、(両親が教師だったと言ってたから、その影響もあると思う・・・)「血の繋がらない教師役」をすることが可能な人格で、それはとても対等で良かったですけどね。
written by むーん / 2008.07.01 08:09
> 「相手が自分を支配する下心も無く、同情さえしないで、冷静に本当に思ったことを言ってくれる」という率直さ

mario(AS)さん,横レスします。
一般に「親」は子に対してさまざまな「邪心」を持つものではないですか。
多数派,少数派にかかわらず,自分の育った家庭(親子関係)に問題意識をお持ちの方たちにとっては,「親」というコトバは,いろいろな情緒を喚起する可能性があります(もちろん手放しで幸せなイメージしか持たない方たちもいらっしゃると思いますが)。

少しそちらの勉強をした立場としては,そういう姿勢はカウンセラーやセラピストとして仕事をするうえで不可欠なものだよなあ,と思いました(残念ながら,駆け出しの治療者はなかなか「邪心」から逃れられないようですが)。
written by lune / 2008.07.01 08:14
marioさんへ、PS;

「心から大切に思う、自主性を尊重、失敗も大事な経験、支配下に置かない、気持ちを受け入れるがコントロールされない」

これ自体は、ものすごく大事と言うか、つぼをついた表現だと思います。子育てお仕事頑張ってください。
written by むーん / 2008.07.01 08:22
ひまわりさんのコメントからの連想(いつも散漫な連想ばかり書き込んで,皆さんごめんなさい)。

> とにかく、一寸たりとも人を操作・支配しようという下心が見えた場合、私はその人を信用することはなくなります。
> この辺りの自分が、本当に恐ろしいです。
> 私は、自分が職場に馴染めず、辞めようと思うことはなく、職場の人間にこの『下心』が見えた時、辞めたくなってしまう。

ジャイアンにとっては,この「職場」を恋人とか夫婦とかに(突き詰めると実の親子関係にも)読み替えても,同様なのではないかと思います。

> 自分は人を利用するのに、自分は利用されたくないとは・・・本当に、虫がいい話だと思います。

職場であれば,その中で自分のポジションの仕事(役目)を全うしていれば,少々虫がよくてもオッケーですよね?
異性のパートナーとの関係になると,自分の虫のいい振る舞い方に自分自身で「情緒的に」抵抗を感じてしまったりするので,すっぱり別れてしまえずに相手との関係がこじれていきやすいような気がします。

> こんなに、自分の本心をさらけ出すのは初めてです。
> 自分勝手な自分を、抑える努力はしているつもりなので、社会にでると、エネルギーを使い、本当に疲れます。

多数派が多数(当たり前か)の「社会」では,ジャイアンの脳のままに振る舞うと「自分勝手」と言われてしまいますね。
ここは,ジャイアンが感じるままにものを言えるところなので(そういう場を維持していらっしゃるYANBARU先生の労力は並大抵ではないはずですが。先生もジャイアンなのだし),ぜひ,ほかで言えないことを言ってしまいましょう(^_^)v
written by lune / 2008.07.01 09:11

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。
YANBARU
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2008/07 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック