【ニューデリー栗田慎一】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の代理人が30日、中国チベット自治区での暴動・鎮圧の事後対策を話し合う2度目の協議のため訪中。インド北部のチベット亡命政府幹部によると、5月の前回協議で求めた服役囚の釈放など計4項目の中国側の回答を得るのと、8月の北京五輪前のダライ・ラマのチベット自治区訪問を打診するのが目的という。
同幹部の説明では、協議は北京で7月1、2日に開かれる予定で、前回の非公式協議から格上げして公式協議の位置付け。
ダライ・ラマの自治区訪問が実現すれば、1959年のインド亡命後、約半世紀ぶりの帰郷となり、双方の関係改善に大きな前進となる。亡命政府幹部によると、訪問を「五輪前」とするのは、国際社会のチベット問題への関心が薄れる前に自治区の現状を確認するためという。
一方、中国側は前回協議でダライ・ラマ側に対し、北京五輪の妨害につながる活動の停止などを求めている。
毎日新聞 2008年7月1日 2時30分