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【三重】

県内医師、全国平均下回る 地域差浮き彫り

2008年7月1日

 県内の病院や診療所に勤める医師の数は、人口十万人あたり一七七・九人で全国平均より二八・四人も少ないことが、二〇〇六年度の厚生労働省の調査で分かった。多くの医師が都市部に流出しているためで、県内でも地域によって偏りが見られる現状が浮き彫りになった。

 県内の医師数は三千三百三十二人で、人口十万人あたりでは全国三十七位。全国平均との開きは前回〇四年度の二四・二人から、さらに広がった。

 診療科別でみると内科は全国平均と同じ五五・二人だが、小児科一〇・四人、産婦人科六・九人、脳神経外科四人、麻酔科二・三人といずれも平均を下回り、中でも麻酔科は都道府県別で最下位。

 人口十万人あたりの医師数を四つの地域別にみると、工場が進出し人口が増えている亀山市以北の「北勢」が一五三・四人、逆に過疎が深刻な紀北町より南の「東紀州」は一四〇・八人と少ないのが目立つ。逆に津、伊賀、名張市の「中勢伊賀」は三〇四・六人だった。

 前回調査より北勢は五・一人、中勢伊賀も一七・一人それぞれ増えたが、南勢志摩が一三・〇人、東紀州は九・九人ぞれぞれ減った。

 県医療政策室は「県外に流出していた医学生を県内に定着するようにしていくことが必要」とし、本年度から医学生への修学資金貸与制度を緩和し、返還免除の条件だった「へき地勤務」をしなくてもすむようにした。

 (神田要一)

 

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